[レポート] 個展“Pile EXTRA”を開催しました。
はじめまして。つちやと申します。
「タフティング」と呼ばれるファブリック製造技法を軸に据えて、制作・調査・制作支援を行うことを目的としたNeutuft(ノイタフト)という活動を主宰しています。
さて、2023年6月17日(土)〜18日(日)にNeutuftとして、そしてつちや個人としても人生初となる個展“Pile EXTRA”を開催しました。
制作物を感想を交えながらご紹介していきます。
個展“Pile EXTRA”
Neutuftでは、2021年9月に東京メトロ東西線早稲田駅前の物件にてNeutuft早稲田アトリエを開設し、個人制作活動のほか記事の執筆や本の制作、ワークショップの企画・運営などを行ってきました。
そんな、早稲田アトリエですが残念ながら2023年の6月いっぱいで閉室となることが決まっています。
本展覧会は、ささやかながら早稲田アトリエでの活動を総括する卒業制作展的な位置づけで企画したものになります。
展示タイトルは2021年の6月(もう1年も経ってしまいました…)に制作した、タフティングについての基本事項をまとめたZINE「Pile issue.1」の別冊的な意味合いで“Pile EXTRA”としてみました。
※オンライン在庫切れているのですが、手元に少しだけストックがありますのでご入用の方はSNSアカウント等にご連絡ください。
作品紹介
個展では今回の展示に向けて制作した新作と、旧作の展示・販売を行いました。
Tufted Relief
今回の展覧会にあわせて制作した作品です。80cm × 80cm程度の大きめのTufted Reliefで5点の連作になっています。
有機曲線を鏡面反転させることで得られる形で、気持ちのよい曲線感と対象性の緊張感が出せたら、というコンセプトで5つの図形を使用して制作してみました。
ラグの真ん中に穴を開けるのは結構大変なので、本来は極力避けたいと思うのですが、今回は制作中に無性に穴を開けたい衝動に駆られてしまい、全作穴あけ前提のコンセプトで作ってみました。
本作を制作したことで、つぎは「もっといい穴をデザインすることなのでは…」という方向性の勘所も得られました。
あと、むかし香港に行ったときに、道道にそびえるビルに執拗に風穴が空けられているのを見て、「作るの大変になるのになんでそんなことするんだろうな…」と思ったことを思い出していました。(風水的な意味らしいです)
展示を通しての感想
今回、初めてギャラリーを借し切って「展示」というかたちを取ってみました。
ハンドメイドマルシェなどのブース出展とは異なり、まずはギャラリー内に足を踏み入れてもらうところに大きなハードルがあるんだな、と気がついたり、その一方で立ち入ってくれた人たちとは、ブース出展では考えられないほど長い時間をかけてお話することができて楽しいんだなと思ったり、多くの学びがありました。
ですが正直、日用品でもあるラグを「展示する」という行為がいまだにしっくり来ていません。
前回参加したイベントのレポートでも触れたように思いますが、タフティング制作物の位置づけの難しさは、繊維をメディウムと捉えた「ファブリックアート」でもありえるし、ラグという機能性を持った「日用品」でもありえる、という部分に集約されていると思っています。
展示であれば、展示されるということはアート作品であるから、強度や機能性は不問となる、、のか…?でもそれってなにか用途の判断を受け手側に委ねるずるいレトリックのような気も…といった堂々めぐりを今回も抱えながらまたしても課題の残る会期終了となってしまいました。(どうしてこんなに毎回感想が暗いんでしょうか…)
おわりに
冒頭で触れた通り、今回の展示をもってNeutuft早稲田アトリエにおける活動は一旦は幕引きとなります。
あらためて、アトリエに足を運んでいただいたみなさま、ワークショップへご参加いただいたみなさま、その他気にかけていただいたみなさまには本当に感謝しています。ありがとうございました。
Neutuftとしての活動は、これまでとは少しかたちを変えながら今後も続いていきますので、引き続きよろしくお願いいたします!
以上、個展“Pile EXTRA”のレポートでした!
展覧会概要
Neutuft個展“Pile EXTRA”
会期:2023年6月17日[土]ー6月18日[日]
時間:10:00 - 20:00
会場:“meee” Gallery Tokyo (東京都中野区新井1-23-24)
https://www.meee.jp/
https://www.instagram.com/meee_gallery_tokyo/
Photo:hayackwa
Neutuftとは?
Neutuft(ノイタフト)は、タフティングを中心に“DIYによる創作活動をより身近にできたらな”という思いで始めた「制作支援」を軸とした活動です。
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