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詩(うた)2nd

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ポエム的な詩の様な 短い気持ちを綴った作品 です。
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待つ春

待つ春

少し肌寒い日

縁側に腰を下ろし

湯呑を抱え熱い茶を啜る

庭の梅花を眺め

また茶を啜る

ふと膝の上に猫が座り

私は優しく頭を撫でる

そして引っ掻かれた

鳥の囀りを聞きながら

再び梅花を見つめ茶を啜る

膝下でアクビをした猫

おでこを突付こうと指を出すが

今度は噛まれた

二羽の雀が梅の木に来た

湯呑を二度回すと雀達は

落ち着く暇もなく飛び立った

温くなった湯呑を見て茶を啜

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