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立て(縦)抱きと横抱きについて考えてみる

こんにちは。
べびぃLabo☆Ceres 杉上です。
今日も訪ねてくださり ありがとうございます。

だっこについて あれこれとつづっております。
(第1弾 心地よい安全な抱っこをめざそう💛)
(第2弾 心地よい安全なだっこのコツ)

何年前でしょうか。
京都で長く子育て支援をされている迫さんが開いた会で
歴史学者 沢山 美果子さんの近代の家族史についてお話を伺いました。
客間ができた訳、割烹着の意味、ちゃぶ台が示す象徴など
とても興味深いお話でした。

乳をどうとらえていたかがよくわかる本です

そのお話の中で 立て抱きとして紹介された絵がこんな感じ。

江戸時代の乳をめぐるネットワーク/沢山 美果子(岡山大学)」よりお借りしました

その時、私と一緒に「それは横抱き!」と即座に反応したのが
朱まり子さん。
私たち、といっていいのかな?
たぶん、助産師や子育て支援者がイメージする立て抱き はこんな感じ。

「鏡の前に母と子」喜多川歌麿

この時、言葉が持つ意味、印象、定義って大事なんだと再確認したことを思い出しました。
そこで! 
私の中での横抱き、と立て抱きを定義してみようと思います。

どう違うのか? こうして並べてみると よくわかります。
●立て抱き 体幹が地面に対して垂直で、その上に頭がのった状態
●横抱き 体幹の上に頭がのらず 体幹を傾けた状態

ここに私たち支援者がこだわるのには、大きな理由があります。
生活の中でどう支えたら赤ちゃんがリラックスできるか? が
とっても大事だから。
特に哺乳するとき、このポイントを具体的にアセスメントできると
何もサポートしなくても
赤ちゃんは自分からおっぱいにくいついていくことができます。
(詳しくは「お口はおっぱい飲むためだけに使えると楽」へ)

おっぱいを飲むとき、赤ちゃんはお口を懸命に動かします。
それができるには、頭部がしっかり安定することがポイント。
となると、横抱きにせよ、立て抱きにせよ 首から下がいかに安定しているかがポイントとなります。

赤ちゃんが体幹の上に頭をのせて安定して動かせるようになるのは
大体 寝返りが完成したころです。
(詳しくは 「赤ちゃんの育ちは赤ちゃんがするー定頸について」へ)
ですので、立て抱きが安定してくるのは、寝返り完成した頃からになります。
とはいえ、何らかの理由で立て抱きをする必要があることもありますね。
  たとえば おっぱいの形から立て抱きのほうが飲みやすい
  たとえば 立て抱きじゃないと落ち着かない

その場合は 以下のポイントを守ってあげてください。
つなぎ目を支える
左右対称の姿勢をめざす
手が身体の前で自由に動ける姿勢をめざす
足はあぐらをめざす
(詳しくは「心地よい安全なだっこのコツ」へ)

頭部をもたせかけて 安定してる立て抱っこ

歌麿さんの絵の赤ちゃんは
首がかなりそってますが、かろうじて腰はそらずに飲んでます。
この子は6か月以降のわりと大きな赤ちゃんだなと思います。

自分で自在に体をコントロールできるくらいになると
いろいろ自由な姿勢になりますが
もっと小さい、自分じゃコントロールできない赤ちゃんが
この立て抱き哺乳だと 楽ちんに十分におっぱい飲めないでしょう。

こう考えると
まだお首がぐらぐらの赤ちゃんが
立て抱きでおっぱいを飲む
というのは
飲ませる側の技術がかなり必要ということがわかるかと思います。

特に立て抱きで注意したいのは
足はあぐらをめざす

です。
あぐらの時 足は外旋・外転・膝屈曲 となり、腰の力が抜けます。
身体はつながっているので、肩・首がリラックスして
体幹の上に頭がのる感じになります。

ところで昨今 立て抱きの赤ちゃん、抱っこ紐にはいっている赤ちゃんたち
膝が伸び、足を閉じ気味にしている様子をよく見かけます。
足は開いているけれど、腰が反り、頭部をのけぞらせている子もよくいます。

私が思わず駆け寄るだっこ ですね~~

こうなってしまう一因には
私たち、専門職がきちんと情報提供していないこともあるなと反省中。
ということで、今回 この記事をあげてみました。

皆さんの育児場面で何かのお役に立てば幸いです。

詳しく知りたいわ、という方
ケアご希望の方は下記をご覧くださいね。
https://www.babylaboceres.com/babycare



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