リカとジュリ ~幻の大韓ピンキーバイオレンス映画を追って TEXT by 植地毅(前編)
・Introduction
鬼才・凡天太郎原作による劇画『混血児リカ』と、実写映画化した『混血児リカ』(1972年~73年/東宝)。そのド直球すぎる題名と、大変お聞き苦しい台詞が全編に渡って炸裂するがゆえに、原作は雑誌タイプの総集編が発行されたのみで未単行本化。映画は映画で、これまで日本国内では映像ソフト化が見送られ、原作と共に封印作品というポジションに置かれていたが、それはもう過去の話。2012年の凡天劇画会の活動開始以来、凡天太郎の漫画家としての知名度はかつてとは比較に