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「木のお弁当箱は、ご飯の水分を適度に吸ってくれるので美味しさが違う」のか?

「木のお弁当箱は、ご飯の水分を適度に吸ってくれるので美味しさが違います。」って、最初は信じました。

 ご飯がおいしくなるのは、水を吸うから以上に、
①蓋のカタカタから水蒸気が適度に漏れること
②木は空気を含み熱伝導が低いため、汗をかきにくいこと
が効いていると感じます。
 ①について、箱本体は精巧に組み立てるプロの木地師さんも、蓋だけはカタカタいわせます。長期使用で木が変形して蓋が閉まらなくなることもあるためと思います。
 私の経験では、底板に細かい溝のあるラワン材(塗装)でご飯がおいしくなります。ご飯に底板の溝から空気が通るからではないかと思います。
  木材は、杉か国産桐がオススメです。杉は、精油成分のおかげで臭いが付きにくいです。
 少数派ですが、塗装しない弁当箱にこだわる職人さんもいます。
 塗装することの問題は、塗料のにおいがすることです。
私は塗料として匂いがしない水性のウレタンを塗ります。有機溶剤は使いません。塗ってはやすりかげをしてハーフコートの状態にすることで結露しにくくします。
無塗装のデメリットは
 ③使用時に板が反るので水漏れが発生する。割れに繋がる
 ④白木が灰色に変色していく
 ⑤油じみが取れない
 塗装の代わりにみつろうワックスで仕上げる職人さんもいますが、ボツリヌス菌を滅菌したみつろうが手に入らないこと。ブレンドする乾性油はフレッシュであれば体にいいものですが、酸化して硬化します。天然なら安全というものではありません。(漆も酸化で固まりますが、過酸化物はできない化学構造です。しかも抗菌性がとても高い)

詰め方
 ご飯に空気が通るよう、可能な限りフワッとっと盛ります。欲を言えば、蓋まで1cmの空間ができるようにすると味が良くなります。(「7つのお弁当術 その1 」にも書きました)。余計な水蒸気が出ないよう、せめて人肌以下の温度に冷ましてから詰めます。当たり前ですが、水蒸気の発生が多いと、どんなに良いお弁当箱でも防げません。

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