オレンジに囲まれてた話

時間帯を分けて説明するとき、朝、昼、夜と3つの部類に分けがちですが、写真を撮るにあたって忘れてはいけない時間帯は個人的には"夕方"だと思っております。
僕が好きな"夕方"について、今日は考えていきます。

"夕方"は何時か。
まあ季節によって変わるのかなと思います。
一般的には16時〜18時頃なのかなと解釈してますが、真夏なんかは19時前でも全然明るかったりするので16時から夕方と呼ぶのは早すぎる感じがします。
逆にこの時期ぐらいからは太陽が沈む時間が早くなり、16時を過ぎたら徐々に薄暗くなりますね。

いろんな基準によって夕方の概念に違いがありそうですが、そんなことはどうだっていいです。
僕の中の基準としては、夕方とは"三脚を使わなくても手持ち撮影ができるぎりぎりの時間帯"と捉えることにしています。

ちょっと考えてみると、
風景写真を撮る際に三脚を使ういちばんの理由は「手ブレを防ぐため」です。
手持ち撮影で撮れるギリギリのシャッタースピードは個人的には1/60程度で、1/40以降からは徐々に手ブレが気になるようになります。(手振れ補正に優れたカメラならもっと耐えれるのかもしれませんが、僕のカメラは全てにおいて「並」なので、1/40なんてもう脇を固めないと余裕でブレます)
夜景を撮るときは完全に三脚の上に置いて長秒露光を炊くのが基本ですが、夕方は手持ちで1/80、1/60のシャッタースピードでも撮影可能なのです。薄暗くなりつつも、わずかに光が残ってるからです。そのわずかな光をカメラが全力で集めてくれて写真が完成するわけですが、夕方特有のオレンジの光を入れて撮る写真には絶妙な風情があります。
手ブレが抑えられるシャッタースピードで絶妙な風情を残せる時間こそ、"夕方"と呼ぶのにふさわしいと感じています。

何がそんなにいいのかい

夕方の良さを僕の少ないボキャブラリーの中で伝えるのは非常に難しいですが、いちばんは"日常の切なさを簡潔に伝えられること"が大きい気がします。それが写真の重みになって厚みになって、特有の薄暗さを引き立たせてくれます。朝や昼間だと太陽の光が邪魔して、淡い雰囲気や切なさを出すのには程遠いうえ、薄暗いと違和感さえあります。というか天気が悪いのかな?と思います。しかし夕方とは薄暗いからこそ成立する時間帯であり、そこに差し込むオレンジの光が特別感を生み出してくれます。日々毎日同じ時間に訪れるというのに、妙な特別感を感じてしまうから不思議です。

夕方、実は僕らは外にいることが多いのかなと思います。
放課後、友達と遊んだ後の帰り道
クラブ活動の帰り道
おつかいの帰り道
1日のイベントが終わり、暗くなる前に家に帰ろうとするとき、その時間は大体夕方でした。
「帰り道」「1日の終わり」「友達との解散」というイメージがあるからどこか切なさを感じ、
「遊び疲れ」「夕飯前」「好きなテレビが始まる前」というイメージがあるからどこか懐かしさを感じる要素もあると推測しています。
自転車に乗ってるから、音楽を聞いてるから、帰り道が同じ友達と話しているから中々気付かなかったかもしれませんが、鮮やかな夕方の中を歩いていた回数は想像以上に多いように思います。
日常的であり特別である理由は、「なかなか気付かなかったから」なんだと思いました。たまに気付いて辺りを見渡したとき、初めて夕方の素朴さを実感します。たまにで丁度いいと思います。

ちなみに、毎日来るはずなのに妙に引き込まれてしまう風景は、僕が撮りたい「どこか懐かしくなる風景」に似てる気がします。そう考えると、自分が撮りたいテーマに"夕方"という時間はとてもマッチしています。自分が好きな夕方をこれからも納め続けていきたいと思ってます。


まあ最後に見てくれよ

ここまで夕方を長々と語ってきましたが、肝心な夕方の写真が一枚もなかったですね。
僕が撮ってきた夕方の一部を勝手に紹介させて頂くので、どうぞ見てってください。

やっぱり毎日天気が変わるので、オレンジ色のコントラストも日々変わります。それがいいのです。日々違った形をしてやってくる夕方を、たまーにお出迎えすることができれば十分です。

今日はこの辺で。
ありがとうございました!

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