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シン・鬼十則

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絶滅危惧種、鬼十則信徒の随筆
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#組織文化

シン・鬼十則 ~それでも私は鬼が好き~

日経新聞がブルシットジョブの放逐を訴えかけたこの記事の見出し写真は電通本社ビルでした。 犯罪の総合商社みたいに報道される電通の昔の社訓「鬼十則」。電通入社前から、卒業した今でも私はこれが大好きです。出会いは高校時代。バイト代わりの金稼ぎで応募しまくっていた懸賞の一つに「学生広告論文電通賞」があり、初めて電通を、そして鬼十則を知りました。 だらだらとモラトリアム的に日常を食いつぶしていた中高時代、鬼十則の衝撃たるや、頭をフルスイングの金属バットで殴られる思いがしたことを鮮明

シン・鬼十則 ~カルチャーフィットもダイバシティも諦めない~

組織には国籍、性別、出身、宗教、人種等、様々な人財がいる状態、「ダイバシティ」が重要であるといいます。異論はありません。考え方も、コミュニティの中に色々な考え方の人がいた方がイノベーションも生まれやすいでしょう。 しかし、組織のカルチャーというか、構成員の目線までバラバラで統一されていない状態にあるとしたら、それは組織として集い、纏まっている意味があるのか疑問です。 この記事にある通り、多くの企業が採用面接でカルチャーフィットを重要視します。同じ目線・価値観で、その時々に

シン・鬼十則 ~会社は使い倒すべきで使われるべきでない~

組織に運命共同体の仲間として迎えられるメンバーシップ型雇用と違い、必要なジョブに有効なスキルを買われ雇われるジョブ型雇用。日本でもジョブ型雇用が広がるのとあわせ、表裏一体のように蔓延しつつあるのが「静かな退職(Quiet Quitting)」だと日々感じます。 「そもそもジョブディスクリプションに書かれていない活動を期待・強要するのがどうかしている」vs「いや、同じ組織の一員なのだから最低限の構成員としての役割はある」等の議論が空転する様が目に浮かびます。 電通人や鬼十則

シン・鬼十則 ~Be a Player, 選手たれ~

電通新人時代、「蓮村選手はどうすればいいと思う?」とよく問われました。〇〇選手と後輩を呼ぶ先輩や上司がいました。私たちは、ビジネスというルールのゲームをプレーするプロ選手だったのだと思います。 プロ野球選手に、プロサッカー選手に、プロバスケットボール選手に…。種目はなんでも良いのですが、その種目でWBCなりFIFAなりNBAなり世界の頂点を目指そうという夢と覚悟を持って門戸を叩いた才気溢れるルーキー達。そんな彼等/彼女等が日本中で失望していることを伝える日経新聞の記事です。

シン・鬼十則 ~鬼十則ってなんだったんだろう~

コングロマリットにおける唯一の共通項父ちゃんが昔勤めていた会社には、鬼十則っていうドグマというか、教義があってね。かつて個人商店主の集合体(組織の体をなしていない≒ガバナンスが機能してない)と揶揄されるその破天荒な会社の型破りな社員に唯一共通した行動原理、共通項みたいなもんだったんだ。 ガバナンスと鬼十則その会社は上場を経ても尚、その文化を頑なに堅持していたんだけれど。産業の新陳代謝に乗り遅れてしまって、リーマン・ショックや大震災も重なり、業績がどんどん悪化、立脚している産