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副業で古物屋を開業


古物屋開業のきっかけ

去年の6月から古物屋を始めてみました。独立とか店を構えるなんて大層なことではなく、単にネットショップや骨董市で購入した余りを手放したいと考えたからです。
私は趣味で日本陶器會社等の食器を収集しています。フルセットで購入すると、お皿は5、6枚、カップ&ソーサーはセットで6客に加えポット、シュガーポット、クリーマー、お盆と購入点数が多くなることが度々あります。
使用目的で購入しているため、ほんの数点を所有していれば満足なわけです。それに収納場所の確保も難しく、数が多いと難儀してしまうのです。
以上が主な理由で、数も多いと転売行為(せどり)に該当してしまうため、古物商許可証を取得することにしました。

古物商許可証を取得するまで

古物商許可証の取得方法を調べると、手順を紹介しているサイトはごまんと見つかります。ただ、私は面倒くさがりなのでプロを頼ることにしました。

行政書士に依頼

最初にミツモアで依頼料の比較を行いました。
さらに、私は賃貸マンションに住んでおり、契約上は営業所登録が禁止されています。しかし、契約書では禁止とされていても登録可能な場合があるため、依頼料に加え、そういった申請が得意な行政書士に依頼しました。
ちなみに依頼料は1万4000円。

依頼後にしたこと

1.行政書士に必要書類を作成してもらう
申請書は記入が分かりづらく厄介で、どこまで埋めればいいかの判断が難しいです。

2.警察署へ書類提出の予約をする
コピーした必要書類、戸籍謄本、住民票、身分証明証、手数料などを準備し管轄の警察署へ出向きます。
予め行政書士が警察署へ話を通してくれていましたが、当日は担当者が変更されました。でも事前に、行政書士から連絡がいっていることは共有されていたと思います。

3.古物商許可証を受取に
書類提出から1ヶ月程してから連絡がきました。再び警察署に古物商許可証を受け取る予約をします。
古物商許可証を受け取った際、古物商の種類について指摘を受けました。
13種類の中で美術品を選択していましたが、鑑定が必須になるため、鑑定ができないのなら選択を外した方がいいと言われました。なので、美術を外し、どれも選択しなかった気がします。

4.古物商プレートを発注、個人事業主を届け出
プレートは楽天で注文しました。数百円で制作できたと思います。
同時に税務署に個人事業の開業届も提出。

5.古物の講習
古物商許可証を取得した半年後くらいに、古物の講習に参加しました。
講習に出席する日程は、古物商許可証をもらった際に警察署で決めます。

どこか抜けているかもですが、おおまかに東京ではこのような流れでした。
やはり行政書士に書類の作成を依頼した方が書類に不備など発生せず、取得までスムーズに済んだという所感です。
細かい所は管轄の警察署によって異なるかもしれません。


古物商許可証を取得後の開業準備

あくまで副業であることを忘れず、お気楽に続ける事に。
それでも、一応はお店らしい意識は持ちたいため、屋号とロゴマークを制作しました。どちらも単純明快で、深い思想などは込められていません。

屋号を決める

まず、素直に自分の好きなものを基準に考えてみました。

  • 尊敬する中山太一氏の「中山太陽堂」に似た名前で、◯◯堂としたい。

  • 庶民的で生活道具を扱う荒物屋っぽい印象が良い。

この二点から、中山太陽堂の「山太」部分をひっくり返して「太山」。さらに「太」から「、」を取って「大」に変更し、「大山堂」としました。そして、大事な庶民ぽさを加えて「生活古道具の大山堂」に決めました。
鳥取県に鎮座する「だいせん」ではなく、「たいざん堂」と読みます。何故なら、「中山太陽堂」も「たい」だからです。
余談ですけど…大國魂神社で初詣の際に見かけたテキ屋の屋号が大山堂で、思わず失笑しました。ちなみに売っていたのはベビーカステラです。同じ読み方は分かりませんけどね。

ロゴマークの制作

戦前を思わせるようなロゴにしたかったので、三好一『日本のラベル』を参考に封緘っぽい図案で制作したものがこちらです。

着物にエプロンを掛けた子供のイラストをメインに、昔らしい標語を入れています。
私は着物にエプロン姿の子供が可愛くて大好きなのです。男の子の配置も試みましたが、縮小すると見づらかったため女の子だけにしました。この女の子のイラストは、クラブ香油の引札から使用しています。
また、私の骨董における知識も子供レベルですし、丁度いいと思ったのです。
ついでに、この子供の姿は、戦前の写真や印刷物で見ることができます。 よそ行き用のエプロンは、普段よりヒラヒラした特別仕様だったそうですよ。

販売先

気軽で簡単な出品と発送を重視した結果、ヤフオクを利用することに決めました。私は出品数が少なく、販売サイトを立ち上げるのは工数的に非効率であり、集客に時間をかけることも難しいとの判断からです。また、匿名配送の利用で発送手続きが簡単なのも手間が省けて効率的です。
メルカリも一ヶ月ほど並行利用してみましたが、ヤフオクの方が売れ行きが好調でした。それに、送料込みの値段設定に抵抗があったんですよね…。

素人の価格設定

値段を付けるのが一番難しく感じました。だいたい自分の好みを出品しているので、希少価値や流行などは考慮できていません。なので、なるべくマイナスを出さないように価格を設定し、数割のプラスがあれば良しとしています。時にお気に入りを出品する時は、少し高めに価格を設定したり、売れなければ半額に下げることもあります。
このいい加減さで本業にしたら、赤字で生活が立ち行かなくなることでしょう。

販売品

少ない中の一部ですが、日本陶器會社などの磁器製カップ&ソーサー、ちょっとしたガラス、不要な着物や雑貨などを売っています。


販売後の感想

販売を始めてからもうすぐで1年になります。少ないながら、これまでの販売経験を振り返って〆ようと思います。

商品が破損してしまいショック!

破損事故は今までに二度起こってしまい、どちらも磁器製の食器でした。
やはり破損事故はショックが大きく、購入してくれた方と品物に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになります。現在まで生き残ってくれた戦前の古物を自身でオシャカにしてしまったことは、耐えがたい痛みなのです。
梱包に万全を期したつもりでも、なにか不十分だったのかもしれません。
破損した原因は不明ですが、共通していることをあげると、クロネコヤマトを利用、遠方への配送という点です。勿論この2件だけでは断定できないので、さらに梱包を厳重にし、配送業者は日本郵便に変更してみました。

嬉しいこと

ヤフオクの取引メッセージにて、商品の感想、購入した経緯、お礼を伝えてくださる内容がとても嬉しいです。ネット上のやり取りなため、対人と異なり淡白になってしまいがちですが、このような人の温かみを感じられるメッセージを頂けるのは励みになり、とてもありがたい限りです。本当に気持ちの良い1日になります。

今後の目標

小規模ながら、古物と食品類を扱う商店を開店できたらいいなぁと希望を抱いています。それと古物の復刻もしてみたい気持ちもあります。これらはあくまで理想なので、現実的にはもう少し好きなものを集めて販売してみたいです。
もし、この記事を読んでくだすった方が「生活古道具の大山堂」をご利用くださる機会があったら嬉しいです。
どうぞ宜しくお願い申し上げますm(_ _)m

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