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靴から社会を変えるエシカルブランドTOMS_One for One

店頭で試着をして、インターネットネットで注文をする。Eコマースの普及により、購買行動は不可逆的な消費となってきました。また最近はソーシャルメディアの台頭により、インフルエンサーや、ソーシャルメディアを駆使してデジタルから誕生したDtoC(Direct to Consumer)ブランドが欧米を筆頭に急速に増加してきました。

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Image:Blue Apron

「モノ消費」から「コト消費」へと時代が変化している21世紀。

DtoCブランドの中には、ビジネスを通じて社会課題を解決するソーシャルビジネスモデルを汎用し、企業の成長と共に社会課題を解決するブランドがあります。そのような企業をソーシャルエンタープライズと呼びます。

今回は1足の靴から社会を変える「TOMS」にスポットを当て、社会的責任とそのビジネスモデルについて紐解いていきます。

靴から始まる社会貢献事業

TOMSは2006年、テキサス州出身のアメリカ人Blake Mycoskey(ブレイク・マイコスキー)によってカリフォルニア州で設立されました。

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Image:Medium

アルゼンチンを旅行中、とある村で靴を買えなく裸足で過ごす子供達を目にしたことをきっかけに、現在のTOMSビジネスモデルである「One for One」を構想しました。TOMSの靴が1足購入される度に、靴を必要としている子供たちに新しい1足の靴が贈られる仕組みとなっています。

TOMSの象徴的とも言えるスリッポン・エスパドリーユスタイルのシューズですが、元々はアルゼンチンの農民の人たちが日常で履いていた靴からアイデアのヒントを得たそうです。それはジュート地を下地とするシンプルな靴であり、これをアルゼンチンで現地生産を行い地場産業として雇用を産みつつ、靴を必要とする子どもたちに送る仕組みを構想しました。

現在は企業が成長するに伴い、アルゼンチン、中国、エチオピア、ハイチを中心に製造を行っているそうです。

数字でみるTOMS

ここでは数字からTOMSの事業活動を考察してみました。当初はシューズから始まった事業ですが、現在はサングラス、コーヒー豆と幅広くビジネスの幅を広げています。なおどの事業も消費が行われる度に、社会貢献に繋がるモデルとなっています。(2020年7月現在)

93,000,000足_新しい靴を子ども達に届けた数

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20ヶ国にあるTOMSギビングパートナーの支援と連携を行い、教育、健康及び福祉の現場に提供されています。寄付先が多いのは、1位ケニア、2位インド、3位エチオピアとなっています。

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TOMSギビング・パートナーとは
地域のニーズに合わせたプログラムを掲げ、世界中で子ども達や家族の手助けをしています。また靴を贈る以外にもギビングパートナーは、健康診断、医学とワクチンの分配、生計をたてるための資金援助、青年リーダーシップの育成、学校支援、就職間近な子ども達への職業訓練など日常生活に関わる支援にも数多く携わっています。

現在のギビング・パートナーは世界各国で205組。

780,000件_視力回復支援

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TOMSは視力回復手術を必要とする人々に向け、これまでに43施設の建設を支援してきました。

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(度付き眼鏡の提供)
眼科専門医が正しい度数を測定し、正しい眼鏡を提供します。
患者は新しいフレームを選び、技術者が患者の正確な度数にレンズを加工します。

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(視力回復手術)
執刀医が目の手術を行い、フォローアップケアと教育を提供。

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(眼科治療)
眼科専門医が処方箋を発行し、必要に応じて眼球からの異物除去、そしてフォローアップケアと教育を提供。

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720,000週_安全な水を届けた週

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水道設備、衛生設備、公衆衛生の専門知識を持つギビング・パートナーと共に、7ヶ国において持続性のある水道施設建設を支援しています。この7ヶ国はTOMSのコーヒー豆が収穫される国です。

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B Corpとしての責任

TOMSは2018年11月に「Certified Benefit Corporation」として認定を受けています。

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多くの社会的企業(ソーシャルエンタープライズ)が登録するハイスタンダードなB Corp認証を受けることにより、TOMSが設立当初から一貫して大事にしてきた社会的責任、環境配慮、事業の透明性、説明責任を対外的によりアピールすることができています。

「Certified Benefit Corporation」認証制度については、こちらの記事で詳しく説明をしておりますので良ければご覧になって下さい。

社会的企業としてできること_医療従事者向けへの寄付

2020年4月1日、世界で猛威を振るうコロナウイルスの影響を受け「COVID-19 Global Giving Fund」の寄付を始めました。$3の売り上げが立つごとに$1がこのファンド基金へ寄付されます。

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医療系ギビング・パートナー(5団体)
Americares, Crisis Text Line, International Medical Corps, Partners In Health,  WaterAid

Americares
医療従事者に、防護服やその他の緊急に必要な物資を提供。また、感染の予防と管理、メンタルヘルスと心理社会的サポート、災害への備えについて医療従事者を訓練しています。

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Crisis Text Line
困難な状況に陥っている若者が、テキストメッセージで助けを求めることができる。741741に、テキストメッセージで「START」という文章を送ると、24時間365日、専門のカウンセラーが対応してくれる。

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International Medical Corps
国際緊急人道支援のNGO。医療( 医師、看護士、PT、OT、介護 )の支援に加え、災害時には様々な物資などを提供。

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Partners In Health
ハイチをはじめとする中南米やアフリカなどの貧困地域で、基礎医療支援を行っているアメリカのNGO。

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WaterAid
「すべての人々が清潔な水と衛生を利用できる世界」をビジョンに掲げて活動する水・衛生専門の国際NGO。

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まとめ

欧米諸国では日常生活で「Don't be shy=恥ずかしがらないで」と表現されることが多々あります。

ソーシャルインパクトを残していくためには、先ずは小さなことから積み上げていく、躊躇せず発信していくことが結果的に大きな貢献へ繋がるんだと、TOMSの事業を通して再確認できました。

多くの社会課題が残る分、チャンスもある。
読者の皆様にとって、他社の事例を学びながら何か小さなヒントとなれば幸いです。

【著者プロフィール】
180株式会社(ワンエイティー)代表取締役 上仲 昌吾

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Twitter「@ShogoUenaka」でも発信しております

参考文献

TOMS USA
TOMS JAPAN
Certified Benefit Corporation



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🌞上仲 昌吾🌞|180 𝙄𝙣𝙘.|ソーシャルビジネスで180°価値観を転換する

アメリカ・カリフォルニア州・サンディエゴで4年間過ごし、あらゆる価値観に触れてきました。現在ソーシャルビジネス事業化に向け構想中です。ソーシャルグッド、サーキュラーエコノミー、ベネフィットコーポレーションを実践されている方、是非とも意見交換をさせていただければ幸いです。

嬉しいです! ありがとうございます!
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180(ワンエイティー)代表、ソーシャルビジネスで180°価値観を転換する|22歳で単身SAN DIEGOへ渡米。アメリカで様々なバックグラウンドを持ちつつも起業に挑戦している人たち感銘し、帰国の際に起業を決意。ソーシャルビジネス、Bコーポレーションをキーワードに再出発中。