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感性マーケティングで市場を圧巻_米国発のアウトドア・スタートアップCotopaxi(コトパクシ)

アウトドア商品を見ると、いつもワクワクが止まらなくなりますよね。
(ならないですかね...?)

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アウトドアと言うと、ゴリゴリの男性だけが楽しむイメージが強かったのですが、今は時代が変わりつつあります。キャンプ用品や食事などがあらかじめ用意されている「グランピング」施設が脚光を浴びたことから、誰でも身近に体験できるアウトドアシーンとしてのイメージが定着し、若い女性にも人気が出てきています。

グランピング(Glamping)とは
英語で“魅力的な、華やかな”などを意味する「Glamorous(グラマラス)」と「Camping(キャンピング)」を組み合わせた造語であり、直訳すれば“魅力的なキャンプ”という意味になります。
グランピング施設ではキャンプ用品や食材・食事などがあらかじめ用意されているため、気軽に豪華なキャンプを楽しむことができます。

海外での別名
Glorious camping, Boutique camping, Luxury camping, Comfortable camping

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(Image:Camp Hack)

アウトドアブランドと言われると、誰もが思い浮かべるPatagoniaやThe North Faceですが、アメリカのミレニアム世代を中心に巻き込んだ、日本未入荷(店舗)のアウトドアブランドが今、注目されています。

アウトドアの聖地アメリカから誕生した、ソーシャルグッドなアウトドアブランド「Cotopaxi(コトパクシ)」について紹介していきます。

デジタルネイティブから生まれたCotopaxi(コトパクシ)

社会起業家のDAVIS SMITH(デイビス スミス)により、アメリカ・ソルトレイクシティ(ユタ州)で2013年創業されました。ブランドの名前「Cotopaxi」ですが、創業者が数年間移り住んでいた南アメリカ・エクアドルにある活火山からとったものです。

冒険精神、楽観主義、決意の意味を込めて命名したそうです。

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(Image:Cotopaxi)

「Gear for Good(ギア フォー グッド)」というミッション/哲学
アウトドア商品の製造、販売を通して「貧困に苦しむ人々を救う」という意味が込められています。利益最大化を優先するのみでなく、環境・労働者・発展途上国への配慮を第一優先的に考え、自社の成長と共に社会に貢献をする、ソーシャルビジネスブランドへと成長させる想いが強く込められています。

Cotopaxiのブランドロゴ、ラマ
Cotopaxiのブランドロゴとして使われているラマの毛皮は、製品のウール素材として使用されています。また、さすがデジタルネイティブから生まれたブランドだけあり、なぜラマを使用したかを動画ストーリーでしっかりと消費者へ説明をし、共感を得れる働きがけに取り組んでいます。

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ラマを選んだ大きな理由
❶ 見た目はぎこちないけど、実は万能なんだよ
❷ 不思議だけどラマを見るたびにハッピーになる(笑)
❸ 茶目っ気のある姿だけど、忠誠なアウトドア動物
❹ 冒険の頑丈さ、面白い、優しいがブランドイメージと合っている
❺ ただ、昔からラマが欲しかったんだよ(笑)

デジタルネイティブ・アウトドアブランドの必要性
アウトドアブランドの巨匠PatagoniaやThe North Faceのように、ハイクオリティな品質や、環境保全をフックにファンが増えていきました。また、それらを好む多くの人は旅慣れた人、環境に配慮したブランドを選ぶ人たちと自然と同志が集まってきました。

Cotopaxiの創業者スミスも、パイオニアブランドPatagonia等を愛する1人です。ラテンアメリカで育ち、アマゾン川を下ったり、活火山登山をしたり、スピアフィッシング etc....。アウトドアは常に生活の側にありました。

そして、アウトドアを愛する当事者として、自分たちミレニアム世代はニッチなスモールブランドを好む傾向があることにようやく気付いたのです。インターネットに慣れ親しんだミレニアム世代は、良い品質だけで商品を選ばず、ブランドの裏側にあるストーリーを買う。

すなわち消費時代は「モノ売り」から「コト売り」へと変化し、今まさにデジタルネイティブのブランドが消費者の心を掴む、と確信しました。

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(Image:Forbes)

ビジネスを通して社会を変えるソーシャルミッション

Cotopaxiを始める前、創業者のDAVIS SMITHはアメリカのペンシルベニア大学、同学院のWhartonビジネススクールで学び、Eコマースの事業でいくつか成功を納めていました。

ビジネスで貧困を救う
卒業校のMBAプラグラムインタビューでも語っていますが、ソーシャルビジネスを生業として始めるきっかけとなったのは、ペルー・マチュピチュへ足を運んだとき。DAVISの履いていた靴を見てストリートチルドレンが羨ましがっていたことや、幼少期に過ごしたドミニカ共和国でのストリートチルドレンの影響が、ソーシャルビジネスで貧困を救うという彼を動かす大きな要因となりました。

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(Image:Forbes)

ソーシャルインパクト
これまでの資本主義社会構造では、企業活動を通して出た余剰利益から、貧困、環境問題に寄付すれば良いとの考えが主流でした。企業活動と慈善活動は2つに分けるべき、だと。

これに対してDavisは次のように答えます。

Forbes取材(2017年3月)
社会課題である貧困、環境問題を解決することをビジネスのコアバリューとする方が、自分1人で行う慈善活動と比べ、社会全体を良くするソーシャルインパクトに差が出る。D2CブランドのWarby ParkerやTom’sのように、ソーシャルミッションを企業活動のコアバリューに掲げ、成功しているブランドもある。

利益を上げることを1番の目標とするのではなく、ブランドの世界観を通して消費者のマインドを変えていきたい。プロダクトを作るのみでなく、携わる皆が一体となる経験を提供していきたい。

エレベーターピッチ
Cotopaxiについて、5分ほどのインタビュー音声です。
創業の経緯、Cotopaxiリアルストーリーを無料で聞くことができます。

感性マーケティング

レジェンド揃いのアウトドアブランドが犇く中、いかにしてCotopaxiはファンを囲い込んでいったのか。成功の要因は感性マーケティングにあります。

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(Image:Snews)

感性マーケティングとは
「合理性、機能性、原理・原則」といった従来の定量データを基にマーケティング戦略を考えるのではなく、人間の“五感”がもたらす「情緒、情感」といった【感性】評価を基にしてマーケティング戦略を考えること。

日本での成功事例
「住む」より「楽しむ」「ベスの家」を手掛ける、株式会社アールシーコアは感性マーケティングの先駆者として知られています。
カンブリア宮殿2019年2月放送

ミレニアル世代から強烈な支持
Cotopaxiのコアターゲット層はインターネット時代に慣れ親しんだミレニアル世代です。ただ良い製品を売るマーケティングではなく、Cotopaxiは経験を売る感性マーケティングに力を入れました。

それが、Questival(クエスティバル)です。

“Quest(冒険)”と“Festival(祭り)”を掛け合わせてた造語で、仲間とチームを作り、無数のチャレンジをクリアしていく24時間のアドベンチャーレースです。参加者は“Doing Good”と書かれた旗とともに自撮りした写真をソーシャルメディアに上げることでポイントが加算される仕組みです。

B Corpとしての役割
ビジネスを手段として貧困を解決するソーシャルミッションがしっかりと固まっていたことから、Cotopaxiは創業間もない時期にCertified Benefit Corporation(B Corp)認定を受け合格しています。B Corpについては、こちらの記事で詳しく説明していますので良ければご覧になってください。

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ソーシャルビジネスブランドとしての責任を果たすべく、製品で使用するラマの生息地ボリビア現地にてたくさんの雇用を生み出していること、利益の2%を貧困問題解決費やすことも大きな評価対象となっています。

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アウトドアスタートアップ、ベネフィットコーポレーションとしては異例の資金調達額

ベネフィットコーポレーションは利益最大化が1番の目的ではなく、ビジネスを手段として課題解決を手がけるため、理解がない一般投資家からすると投資はリスキーでしかありません。

Benefit Corporation(ベネフィットコーポレーション)とは
2010年メリーランド州で初めて法的に国で認められ、誕生した企業形態です。株式会社のように株主利益最大化だけを事業の目的とせず、働く従業員や取り巻く環境の利益も追求することを公約することが可能です。

Certified Benefit Corporationとの違い
Certified Benefit Corporationとよく混合されますが、こちらは非営利団体B Labが認証する制度であり上記のものとは異なります。なお、CotopaxiはBenefit Corporationでありながら、Certified Benefit Corporationの認定も受けています。

ミッションドリブンが投資家を巻き込んだ
資金調達が難しいと分かっていましたが、貧困を解決するために創業する強い意志を曲げず、ベネフィットコーポレーションとしてCotopaxiは登記を行いました。結果的には、ビジョンに共感した投資家10名からシード期で$3M(約3億)の資金調達に成功しています。

そして2020年8月現在、総額 $32.1M(約33億)の調達を実施しておりシリーズBラウンドとなっています。

crunchbase(クランチベース)

まとめ

企業活動と慈善活動を同時に行い、加えて大型資金調達も成し遂げ成長を続けるCotopaxi。ソーシャルビジネスを学び、これから実践していく身としてはとても参考になる企業です。

今後も国内外のソーシャルエンタープライズ、ソーシャルビジネスについてクローズアップしていきますので、是非参考になさってみてください。

【著者プロフィール】
180株式会社(ワンエイティー)代表取締役 上仲 昌吾

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Twitter「@ShogoUenaka」でも発信しております


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🌞上仲 昌吾🌞|180 𝙄𝙣𝙘.|ソーシャルビジネスで180°価値観を転換する

アメリカ・カリフォルニア州・サンディエゴで4年間過ごし、あらゆる価値観に触れてきました。現在ソーシャルビジネス事業化に向け構想中です。ソーシャルグッド、サーキュラーエコノミー、ベネフィットコーポレーションを実践されている方、是非とも意見交換をさせていただければ幸いです。

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180(ワンエイティー)代表、ソーシャルビジネスで180°価値観を転換する|22歳で単身SAN DIEGOへ渡米。アメリカで様々なバックグラウンドを持ちつつも起業に挑戦している人たち感銘し、帰国の際に起業を決意。ソーシャルビジネス、Bコーポレーションをキーワードに再出発中。