愛しのアールグレイ
朝起きて隣にいるのが天使かと思えば実は妻だったり、
朝、うとうとしていて心が安らぐのは太陽が煌々と照り付けているからかと思えば、実は妻の体温のせいだったり。
これは惚気ですかと言われればそうかもしれないが、特段惚気たい訳ではない。
これは惚気ですかと聞かれれば、
いいえ、幸せ者の独り言ですと答えよう。
2人暮らしが始まった。
それまでは、2人で暮らしていけるのだろうかという一抹の不安が頭の隅っこに引っかかっていた。
そんなことは梅雨知らず、時計は針を一定の速度で進めていき、
2人暮らしが始まった。
暮らしてみると何のその、不安などなく、
とにかく幸せである。
夜はチョコレートを食べながら、紅茶を飲む。
甘さと華やかさが同時に体に染み込んでくる。
ベルガモットの花言葉は“安らぎ”。
アールグレイを飲む時間は安らぎそのもの。
今日も食卓にはアールグレイの爽やかな香りがあった。
ただ此処にある幸せを味わい、飲んだ。
天使は微笑んだ。
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