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iNa INAGUMA
2019年9月22日 19:20
地下鉄のホームは温くて湿っぽかった。 なかなか開かない線路沿いの扉の前で立ち尽くしている人々は、なかなか開けない梅雨を待ち望んでいるかのように雨の雫がついた傘を手にぶらさげている。ある人は先端を地につけて飲み会帰りのような出で立ちで脂肪や塩分やアルコールの溜まった体重を支えていて、ある人は何かいいことでもあったのかウキウキしたカップルの手繋ぎみたいに傘を振って雨粒を飛び散らせている。 七