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iNa INAGUMA
2019年2月20日 07:42
道端に靴下が落ちていた。 昼間、車通りの多くない住宅街にポツンと置かれた小さな畑の小脇に片足分だけ落ちている。誰かが避けてくれたのかところどころくすんで黒ずんだ車道外側線の白の上に、まだそれほど使い込まれておらず汚れていない無地で白色の靴下。スポーツメーカーのロゴが入っており子供サイズではなく、大人用のサイズではあるが男女どちらのものか区別はできない。 一昔前であれば男性のものであろうとすぐ
2019年2月13日 01:57
空は曖昧だ。 晴れた日はどこまでも青で、視覚で捉えることのできるくっきりとしたオブジェクトが存在しない。白い雲は確立された固体ではなく、纏まり、そして離れて貌を形成していく。陽の一筋の光に目がやられて、光は複数に伸びたように見え、あたりのものが白くぼやけていく。 曇りや雨の日は、雲の纏まりが各所でグラデーションを施し、濃度を高めて一面を覆う。常に移動している纏まりには明確な一つ一つがあるわけ
2019年2月5日 03:12
この時間の田園都市線直通の半蔵門線車内は超満員で、一日の疲れを溜めた匂いが充満している。蒸された空間に気持ち悪くなる。顔も知らぬが同じ時間に居合わせた彼らは彼らの人生を生きて、自分自身が人生の主役だと思って生きている。 もちろん物語のように俯瞰する視点はなく、自我という愚かしいものが働いているために人々はそう思う。昔流行った曲では、ナンバーワンじゃなくてオンリーワンになろうと歌っていたが、ナ