三国志 川柳31句
一、両棲類の国
飛ぶ夢の牛の角度に謀られ
マカ茶からつねに犯罪文学史
普及版クララがごぼう断ち切りぬ
イソップに袖を与える未来人
うろこ屋にパンク将棋の第一夜
釘とファと秘書と両棲類の国
異父兄の奇声水産学部超え
七曲署に尽き果てたガスレンジ
あしびきをプロが現在形で書く
田園に死すそれぞれのガッチャマン
二、加藤茶の国
加藤茶の特色としてほたるいか
雨が雨のまま京都のフラメンコ
麻雀をするエルキュール・ポワロの忌
一本のマサ斎藤が佇つ波止場
トビウオに反比例する擬似家族
バーナード・ショーの欠片が降る山に
背広組から散開す顎の会
むらがっていたのがブルーチーズ族
雪が降る対義語のない砂時計
スナフキンたちへと粘土補填する
三、麻酔中の国
時代劇チャンネル内の児嶋姓
声域ががと書きながら拡がりぬ
アルプスの鯨を刺している少女
ろくろから不条理ドラマ再生器
峰岸の影絵に酔っている妊婦
笑点にペリカン便が突貫し
麻酔中便所模型がつくられて
卵巣を十一月のままに視た
チオビタが冬の運動会に出て
すべてみな長方形の藤圭子
魚の樹アダムがもいでいるにしん
もしお気に召しましたら、サポートいただけるとありがたいです。でも、読んでいただけただけで幸せだとも思います。嘘はありません、