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サラリーマンTK工房 実話に基づくフィクション小説

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【毎週日曜更新】無料で公開中 ※セール:480円→280円 TK工房の実体験に基づいた、ほぼ実話の極めてリアルなサラリーマン小説です。 現代版:島耕作とでも言いましょうか。島耕作…
サラリーマン向け、特にメーカー社員向けになってますので、本書から学べるところもあるかと思います。
¥280
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記事一覧

第46話 部内報完成

第46話 部内報完成

村田「届いたよー」

TK「お、いい感じすねー!」

座談会の収録から約一ヶ月、ついに部内報が届いた

初めて自分がこの世に作り出したプロダクト

上司の竹尾課長がまるで仕事をしないタイプだったおかげで、ほぼ全て自分の監修でやり遂げることが出来た

(これがみんなの手元に届くかと思ったら、ドキドキやなー)

TK「これって各拠点には、こっちから送るんでしたっけ?」

村田「いや、直接

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第45話 若手座談会本番 後編

第45話 若手座談会本番 後編

TK「そろそろぶっ込んで行きたいんで、職場の良いところ悪いところというテーマいきますか」

橋元「悪いところ?そんなもん、空調に決まってるやろ(笑)」

TK「空調?(笑)」

橋元「言うとくけど、姫路工場終わってるからな。コスト削減かなんか知らんけど、アホみたいに安普請で事務所作ったから、まだ新築やのに最悪やぞ。夏暑いわ、冬寒いわ。空調効かへんわ。終わっとる」

TK「あー、それは聞いた

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第44話若手座談会本番 前編

第44話若手座談会本番 前編

「おはようございます。お世話になります。本日はよろしくお願いします」

7階のエレベーターホールで、チャンスジェネレーションの社長と挨拶をした。

そのまま本日の座談会の会場である701会議室に案内をする

最大12名程度の小さな会議室だ

「では、今から色々と準備いたしますので、9:30ちょっと前くらいにお集まりください」

大きな手提げ鞄を二つ、足元に下ろしながらベートベン

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第43話 若手座談会の朝

第43話 若手座談会の朝

この日は朝からワクワクしていた。
自分が企画した若手座談会取材日である。

いつもより少し早く乗った地下鉄御堂筋線は若干空いていたが、そんなことより朝から始まる座談会のことで頭が一杯だった。

淀屋橋の本社に着いたのは8時ちょうど。
当然、部署の人間は誰一人来ていなかったが、福徳本部長は席に座っていた。

TK「おはようごさいます。」

福徳「はい、おはようさん。今日は早いな」

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第42話 ベートベン

第42話 ベートベン

(ベートベンみたいな髪型やったなぁ)

零細広告代理店のチャンスジェネレーションとの打ち合わせを終えた後のエレベーター内での素直な感想だ

部内報の新しい構成と企画について詰めたいということを代理店に伝えると、社長自ら本社まで足を運んでくれた

その社長の髪型が、意識してんのか?ってくらいベートベンだったわけだ

その風貌が気になりながらも、打ち合わせは終始社長から大絶賛を浴びる

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第41話 座談会企画

第41話 座談会企画

アンケートの集計結果を配信してから1週間後

TK工房はメールを打っていた

宛先は金山舞。子会社に新しく採用された、やり手女子である。

部内報の新特集の一つ、若手座談会への参加を打診するもので、金山以外には同期の古瀬、一つ上の橋元と島村にも同内容を既に送信していた。

実は、アンケート集計結果を全員配信した翌日、また本社で陽川とばったり会い、そこでこんな会話がなされたのである

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第40話アンケート集計

第40話アンケート集計

アンケート回答期限の1週間が過ぎた

同期の古瀬の協力もあり

なんとか工場勤務の近い先輩には回答してもらえたものの最終的に集まった数は12

対象者は300人近くいるはずなのに、この程度の回答率ということは、余程この部内報が社員にとって、どうでも良い位置付けなんだろう

やる気がなくなるよりむしろ更に湧いてきた

(つまり俺が好き放題にやっても良いわけやな。会社の金で好きに作

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第38話アンケートと意外な反応

「うん、まぁこれで配信してみて」

作ったアンケートを竹尾課長に持って行くとあっさりと承認され、拍子抜けするTK工房

「メーリスの送り方教えて貰えますか?」

「あぁ、アドレス帳で検索出来るよ。industrialって打ってみ」

「あ、出てきました。これですかね?」

「うん。それ」

本文にアンケートの背景を記載し、アンケート添付してメールを送信した

「どれくら

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第39話 工場の生産課長

第39話 工場の生産課長

『カラー化なんて大反対です。現場感が無さすぎる。廃刊を希望します』

な、なんじゃこいつ!?

どこかでポジティブに受け入れられると思っていたアンケートは、一発目からカウンターパンチを食らった

さらに文章はこう続く

『工場現場では日々1円でもコストダウンしようと皆、必死で頭を使い、それこそ血の滲むような努力しています。そんな中で、こんな意味のない読み物を軽いノリでカラーにして何

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第37話 竹尾課長

TK工房「うちの本部のメーリスってあるんですか?」

竹尾「うん、あるけど何で?」

陽川にアドバイスを貰い、席に戻ったTK工房は隣に座っている上司の竹尾課長に話しかけた。

TK工房「あ、実は部内報に関して、事前にアンケートしようと思いまして、それをメーリスで送ろうと思ってます」

竹尾「アンケートって?何を聞くの?」

TK工房「今回、内容を大きく変えようと思っているので、

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第36話 配信方法

福徳本部長との相談を終え、席に戻った。

(どんなことを発信するべきなんやろなぁ)

引き出しの中から、社内報を取り出し、パラパラとめくる

部内報と違い、毎月発行で全てカラー。紙質も良い。
肝心の内容はというと、社長メッセージや地域軸でクローズアップされた世界の拠点情報や、商品軸や、工場・開発・営業などの機能軸でクローズアップされた社員が載っている。

(社内報だと、毎月の発行で

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第35話本部長の意向

「福徳さん、ちょっとお時間よろしいでしょうか?」

「いいよ。どうしたの?」

「部内報についてご相談させてください」

昼一番に本部長の福徳に相談を持ちかけた。

午前中に陽川からボロクソに言われ、廃刊を勧められてしまった部内報

TK工房にとって、初担当の仕事

そしてやる気があっただけに、何とか良いものに生まれ変わらせたいという想いが強かった

TK工房「部内報を

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第34話仕事の本質

(兄弟は歳取ると余計に似てくるというけど、ほんまソッリやなぁ)

TK工房は、商談の席で向かいに座る相手の顔を見ていた

そこは部内報の印刷業者選定のための見積り説明の場である。

昨日、印刷業3社にメールで条件を記載の上、見積もり連絡を入れたところ、すぐさま電話をかけてきたのが畑中印刷だった。

「毎度お世話になります〜。畑中印刷の畑中と申します〜。TK工房さんはいらっしゃいますでしょう

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第33話 部内報作成

第33話 部内報作成

部内報の冊子は、白黒10ページほどで出来ている。

四半期ごとの発行で、配布対象者は、産業部品部に所属する7ビジネスチームとそれらの製品を生産している工場、及び、販売子会社のフォースインダストリーと、デイリーフォースダイアモンドになるため、ざっと300人程度になる。

冊子のデザインは、チャンスジェネレーションという地元の広告代理店に毎回依頼しており、印刷は、畑中印刷に毎回依頼しているとの

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