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元素周期表で世界はすべて読み解ける

ハロー通信スタッフコラム2、読書で学んだことです。

元素周期表で世界はすべて読み解ける~宇宙、地球、人体の成り立ち~ (光文社新書) 光文社
著者 吉田たかよし 医学博士

初回はこの元素の本。ハロー通信では元素まで掘り下げて理解することをモットーとしていますが、高1で化学に挫折した文系の私にとって、元素は「スイヘイリーベ」と言って暗記する訳の分からない避けて通るやつというものでした。この本は、宇宙誕生から人、自分の生活まで、非常に分かりやすく元素で一貫性を持たせてくれます。

まず、元素は1000万度以上の高温でしか出来ないそうです。要するに宇宙が出来たと言われるビッグバンや太陽の様な恒星の内部、大きな星の爆発(超新星爆発)のタイミングだけです。その時にまずは1番シンプルな水素ができて核融合をしながら、ヘリウム→炭素→窒素→酸素→…鉄と徐々に重い元素が出来ました。そうしてできた岩石やチリが集まって46億年前に地球が出来ました。地球では1000万度以上の場所がないので、地球上にある元素はその時以来変わってないそうです。

そして38億年前に地球上に生命が生まれ、今まで進化して人間も生まれました。人間を作っている元素は順に酸素→水素→炭素→窒素→少量元素です。身近な食事について元素を絡めて言うと、酸素や水素を使って食べ物にある炭素などの栄養素を化学反応で燃焼させエネルギーにし、体内に必要な元素は吸収し、不要な二酸化炭素などは吐き出したり排泄したりする、ということになります。さらに、人間を動かす60兆個の細胞ではナトリウムとカリウムが入れ替わることによって筋肉を収縮させ、脳に信号を送っているそうです。生物が海から生まれたというのは水とナトリウムとカリウムで細胞が出来ているからなのですね。ちなみに、海水の塩化ナトリウム(食塩)の濃度は2.9%、人間は0.9%だそうです。海水をしょっぱく感じるわけです。

人間は1穣個(億、兆、京、垓、抒、穣!)もの原子で出来ているそうですが、宇宙や地球にある元素と絶妙にバランスしながら生きている姿にロマンを感じます。身近にあるものと私たちの関係を、元素を使って読み解く楽しさにワクワクできる本でした。

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