vs,SJK:vs,モスマン Round.5
閑散とした一階ロビーで、休憩用ベンチへと腰掛ける少女達──言うまでもなく、ボクとジュンとクルロリだ。
遙か上方の天窓には、シノブンが突き破った逃亡の跡が生々しい。
そこからダイレクトに射し込む白い月明かりが、中央に聳える巨大ツリーをライトアップする。
けれども、生憎、叙情的心象は皆無。周囲の雰囲気は不気味だ。心霊ビデオ宛らの青暗さと静けさが、得体知れない不安感を助長していた。
「あ、そだ。さっきは、ありがとね」
ふと思い起こして、ボクはクルロリに礼を言う。
「先の件