vs,SJK:vs,ブロブ Round.3
大口開いたボクの部屋は、闘技場へと役割を変えた。
臨戦体勢で警戒するボクに反して、対峙するラムスは貞淑な物腰に佇むだけ。まるで〝萌える草原で微風と戯れる文学ヒロイン〟だ。はたして自信に裏打ちされた余裕なんだろうか。
「正直、厄介な相手だなぁ」
ボクの懸念を拾い、ジュンが訊ねる。
『その〈ブロブ〉って、どんなヤツなの?』
「古典的なベムで、平たく言えば〝宇宙アメーバ〟だよ」
『要するに〈スライム〉みたいな?』
「それ、逆。ファンタジーの定番モンスター〈スライム〉は、実はS