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第181怪~瀉葬文幻庫起源

お憑かれ様デス!
久々のストイックモードになり、連日ちょこザップにて筋トレ&走り込んでいる宮悪戦車デス。本日火曜日なので、定期的に診てもらっている病院の後にも行ってくるぜ!

と、マダムたちが通うちょこザップで暢気に筋トレしとる場合ではない日常、普段、昼間はナレーション業務をやりつつ、ストロベリーや瀉葬の作業をやっているわけだが、ひょんな事からとある心霊動画を編集する作業も日常のルーティンになってしまったので、まあかなり分刻みのスケジュールで連日ドタバタしております。

ストロベリー、瀉葬の公演に向けてやらなあかん作業が山積みやのに目の前の小銭に目が眩んだ守銭奴の哀しいロマンシングさが

そんな中、7月6日(土)に控えておる瀉葬文幻庫主催『怨塊禁書』のPRもしてよ!と、唖が一輪車に乗って火を吹きながら吠えていたので、瀉葬文幻庫の代表曲でもある『拝み屋デブコの犯罪』のリリック影像をサクっと作ってみました。

なんせ影像素材が少ない瀉葬文幻庫。
ストロベリーさんは影像チームに入ってもらって記録影像を収録出来ているのデスが、瀉葬文幻庫は唖と瞽による貧民窟ユニットがある故、そんな財力も無い為、僕のスマホで撮影するも充電が切れたり、スマホのデータが一杯で撮影出来んかった!みたいなことが多発…といった悲しい事案だらけだったので、今怪は数少ない素材をつなぎ合わせて作ってみました。云うて、この素材もストロベリーさんの演劇公演『切り咲きジャップ~鏡町七人ミサキ現る!』からほぼ抜粋した分やねんけどな。って、そもそも瀉葬文幻庫ってなんだんねん?

そんな訳で、今日は改めて瀉葬文幻庫の怪説をしたいと思います。こちらの記事は以前毒者特典で書いてた記事をマルっと公開して参ります。
最近ストロベリーの事を知ってくれた人に特に読んでいただきたい!

その前に7月6日の瀉葬文幻庫の主催チケット情報はコチラ。
まだまだチケットが売れてほしい所存なので、上記のリリックMVを観て、そのあと、今から綴る記事を読んで興味が湧いたり、蛆虫が湧いたりいた方は是非7月6日のスケジュールを瀉葬にください!!


それでは記事の方、ドウゾウ。

2005年にガラッとメンバーチェンジする当一座。
2005年5月に一斉退団発表を経て、2005年7月に第1期ストロベリーソングオーケストラの終焉を迎えるも、同年11月には大阪天神橋のフジハラビルを拠点に商店街でゲリラ演劇「人力飛行機の為の演説草案」を役者囚とで行い、12月には東京初台ドアーズにて第2期ストロベリーとして三上寛氏やホッピー神山氏、寺山修司映画「田園に死す」の私の少年時代を演じた高野ひろゆき氏と共演。高野さんのバックバンドもストロベリーが担い、名曲「惜春鳥」「こどもぼさつ」を演奏。
同月31日のハードコアパンクのオールナイトイベントにてシークレットゲストとして第2期ストロベリーソングオーケストラの大阪初お披露目。

人力飛行機の為の演説草案のヒトコマ

かなり懐かしい当時の写真。
もうまんま良き時代のアングラ劇団そのままデスよね。これ2005年デス。15年前。そう考えると15年って案外最近な気がせんでも無いんやけれど、これは既に影の密葬舎による僕の脳髄ロボトミー化計画が進んでいる為なのか?
そうそう2005年ってYouTubeが発足した年でもあるねんて。15年も経てば僕だって鉛筆とノートを持った手書きの台本からパソコンでのキーボードとnoteの執筆に変わる訳デスよ。まあ連続ドラマを作って編集作業もしたりするだなんて15年前の僕に教えてあげたいわ。

これを皮切りに翌年から東京、大阪をはじめ全国で活動怪始して逝くのデスが、この2005年の第2期始動からストロベリーは更に演劇色も強くなり、三味線師・川本高虎氏の参加、超絶アグレッシブプログレ鍵盤奏者・高橋ヒデヲの参加等もあり、方向性がより俗世間一般で云うところの「アングラ・サブカル」色で纏められていた様な気がしますね。僕は一貫して「見世物パンク一座」言うてましたが…(反面、曲調がこの頃からどんどんプログレッシブメタル色が強くなって逝きます)

実際、当時の共演者が第1期のようにパンクバンドやハードコアパンクバンド、ノイズといったジャンルに偏っていた感じとは真逆の、暗黒舞踏の方々や、アングラフォーク、アシッド、プログレ、劇団関係、映画といったジャンルからの声掛けも多々見られるようになるのデス。映画「キルビル」の殺陣集団・剣技衆かむゐの皆さんとか、楳図かずお先生原作の映画「猫目小僧」のイベントにも共演しましたよ。

2005年~2006年当時のアー写

後列左から
赤塊 叩(太鼓)
高橋 ヒデヲ(鍵盤)
弥生 百合子(虚構課)
森田 鐵道(六弦)
時計 詩母(仏壇商人)

前列左から
月影 美歌(合唱部)
宮悪 戦車(座長)
蛭磨 日出美(人間業)
よしえ(溶接工)
斬平 乱成(四弦~現・キリヒラ ランセ)

遺影
川本 高虎(三味線)

上記に挙げたメンバー、中々皆さん紹介して逝くのは今怪の記事の趣旨と変わってしまうので、そちらは又後日にカタルシス!として…

第1期の頃からストロベリーは影像を使った公演は数々打ってはおりましたが、僕の「やるならやるの採算度外視とことんやりたい」性質がこの頃も今と変わりなく、次の様な公演をやりたい、と打ちます。

2006年に行った実験演劇作品「妄想恋愛譚」
ストロベリーソングオーケストラが2007年に発表したラヂオドラマ風アルバム「妄想恋愛譚」の元となった演劇公演デス。

内容はアルバムの中身そのまんまなので、またそちらは密林等で購入していただくとして(毒電波舎事務所には在庫ゼロ)

どんな公演だったかというと、まずこの公演の会場なんデスがライブハウスというよりもイベントスペースみたいな箱で、皆さんが知っているような演者のステージがあって、客席がある、みたいな箱ではなく、ステージ・客席の隔たりが全くないフローリング床のフラットな場所でして、土足厳禁な場所でした。今もフリーペーパーであるのかな、ジャングルライフって雑誌の本拠地デス。ここはアコースティックライヴやポエトリーリーディングとか当時メインで行われてました。

で、このイベントスペースの利便性に目を憑けた僕はジャングルライフのボス・PJさんと相談し、この場所を借りた訳デスが、まずこの空間で絶対やりたかった事が客入れ時は蝋燭の灯だけで客入れをする、って奴でして、観客の皆さんはこの広い空間に無数に置かれた蝋燭の合間を縫って、地べたに座って観る桟敷スタイル。

で、開演時刻同時になると共に突如役者囚が数人現れ「映画が始まるぞー!」と轟音(生演奏)と共に、床に並べた無数の蝋燭の火を吹き消していき、完全暗転。そこに突然現れる映像を背にした口上師…ってのがやりたくて、今では消防法ギリギリちゃうんかコレ?ってな演出で幕開けした舞台でした。

画の才能無くてゴメンよ。
こんな感じの配置。僕とスクリーンが奥。メインの演劇が客席中央。演奏が手前のスペース、ってな形でやってたんス。

当時の影像

こんな感じで画を投影してね。
この当時、この挿絵を描いていたのは役者であった蛭磨 日出美。ボールペンのみでこういった画を描く彼女の才能を使えないかと実践に用いた1発目の作品でした。

で、この時におこなった口上スタイルが中々僕の中でカチっとはまった気がして、それから何度かこのスタイルでの演劇公演も行ったりして。
それこそ東京だったら初台ドアーズでも行ったし、大阪だったら、梅田シャングリラとかでもやったなあ。天井高い箱が結構このスタイルが相性良かったのかもしれませんね当時は。

その当時の過去の台本のプロットにもこんなのを残してて、

見世物パンク一座・ストロベリーソングオーケストラ座長、宮悪戦車個人の移動式電影書肆。

鏡町では、草木も眠る丑三つ時に、召還された挿絵師と作家・背中卑鏡
が融合する事によって、一つの【闇本】となる。
【闇本】は、【毒者】と呼ばれる【観客】に密売、売り捌かれるのだが、代償は、現実を映し出す【眼球】なのである。

月蝕の欠片を眼球に埋め込み、
あなたも【毒者】になりませんか?

てな事を既に綴ってもいてたんデスよね。これが後々の演劇作品「家庭の異學」に繋がって逝く訳デス。

で、まあ、こういったスタイルもやりつつ時は過ぎ、この第2期ストロベリーソングオーケストラも解体を迎えた2015年。

役者の顔ぶれもガラッと変わり、事件は翌年2016年に起きます。

15RAMPO

ストロベリーは楽団と役者が合体した特殊な団体であり、個々でライブメインの活動、演劇メインの活動をしても、それはどちらもストロベリーであり、そういった事が出来るのも当一座の強み。
その強みを生かせないかと次に皆に持ちかけたのが僕の敬愛する作家「江戸川乱歩」でした。

乱歩作品はそれ迄にもストロベリー全体では何度もおこなってはきたのデスが、バンドスタイル抜き、役者のみでの公演ってのが無く(合唱部の月影 美歌・鍵盤の高橋ヒデヲのみ演奏隊として役者囚が出演した『屋根裏の散歩者』という暗黒劇は過去に行ってます)、役者だけで表現してみようと2016年に企画したのがコチラ。

各役者+座長・宮悪 戦車が一人ずつ乱歩の話を元に演出し、オムニバス形式で発表しようというモノ。
先に同年5月、初台ドアーズにて、こちらも影像を用いて行った「白昼夢」といった乱歩原作の演劇公演を行っており、その延長で行われた企画であり、2016年はRAMPO一色だったような気がしますね。

「白昼夢」はストロベリーソングオーケストラ公式YouTubeにてUPしてます。このnoteの毒者の方々は勿論ご覧になっているかと思いますが一応リンクも貼っておきますね。

で、この15RAMPO。

言い出しっぺの僕が乱歩をやるなら!と手にかけたのが電影活劇の復興、そう、あの「妄想恋愛譚」スタイルへの怪帰でした。

まあ台本は僕がいつものように書いてだな、うーむ、あとは肝心の画だよな、、僕が画を描くとなると、すべて花の応援団みたいな作画になり世界観が崩壊する事必至だなと、ぼっさりヒマヒマな秘密倶楽部アニマアニムスでの営業中、グラスを磨きつつ考えていたら、僕の右横から聞こえてくるモシャモシャといった咀嚼音。

いるじゃないデスか、こんな身近に。
キャッシャーで林檎をモシャモシャ食べている生けるアップルペンシルが。

アニアニのスタッフでもあり、ストロベリーの鉄砲魂でもあり、ウラなんばの酒を共に108万ガロンは呑み憑くしたであろう飴彩 里沙羅。そんな54万ガロンの彼女に、「目羅博士の不思議な犯罪」の挿絵を頼んだのデス。

彼女が時折描く、中々精神が不安になるような不気味でいて巧緻な画に興味があった僕は、林檎108個で彼女と悪魔の契約を行い、無理な注文も快く…引き受けてくれたかどうかは定かでは無いが、何枚にも及ぶ月絵を〆切日に遅れる事無く、目羅博士の挿絵、そして15RAMPOのフライヤーを見事に描き上げてくれたのデス。

月絵
鏡町に於ける用語。闇に浮かぶ月の様な絵を差す

一応「目羅博士の不思議な犯罪」のリンクも貼っておきます。まだ観てない人は30分お憑きあいを。

その後、15RAMPOにて無事公演を終えまして、ストロベリーでは出来ない僕の声遣いメインの作品。中々突貫工事ではあったが十分に楽しめたこのスタイルでの活動…ううむ。残念ながらまた闇に封じ込められるのか…と思いきや!!

じゃあ、この活動を飴彩とやってみたらどうだろうか?と、一念発起し、いつものようにギロチン酒場にて酒を呑んでいた席で話をしたら、飴彩も「それは面白い、グビっ!」とビールを飲み干し、鏡町に新たな事件の報セと、3軒目の店に流れるのが確定した瞬間でした。

で、そうともなるとチーム名デス。
テリーファンク&ドリーファンクJrみたいに座・ファンクスとか、欽ちゃん&二郎さんみたいにコント108号ってなのはDo?と促すも既読無視。

まあ、僕も本を読むのが好きでしたが、飴彩もかなりの毒書家。
そもそもストロベリーのスタッフに挙手してきたキッカケも「切断ダリア」MVの美歌さんのオカッパ頭に惹かれ、そこに乱歩・寺山の匂いを感じ取ってくれていての鏡町への転入。
ともなれば二人の共通点は本、書店だなと相成り、コンセプト的に鬼籍に入った作家の文字をこの世に瀉血して葬り去る、と、なんとも字面だけで見たらなんともカッコいい造語が生まれ、名前を瀉葬文幻庫にしようと決めたのデス。新潮文庫や角川文庫、創元推理文庫のノリデスよね。僕が喋るから瞽、飴彩が絵を描くから啞という図式もいつの日か決まっていて。

そうして瀉葬文幻庫として闇営業が始まった訳デスが、その活動の初葬依頼がこの様な形で来るとは思ってもなかった2016年。

模倣犯

全国各地に結構ストロベリーのコピーをしてくれているバンドさんが居てて、その中で『ストロベリーソングエキストラ』という人達が以前アニアニに遊びに来てくれて、いかに僕達の事が好きなのかを熱く語ってくれたんデスよね。

そのエキストラの皆さんから魔さか真っ逆さまの依頼をいただいたイベントがコレ。

はい。
初葬が魔さかの他府県、しかも石川県デス。

まあ、2つ返事で啞と決めましたよね。行こうと。

で、やるならば2人の登場シーン、入場曲も作りたいなと、当時2017年5月にストロベリーソングオーケストラ・首振りDolls・スキッツォイドマンの3バンドで廻っていた怪帰大作戦〜死國地獄巡り通夜でのオフ日、高知のホテルにて朝から半日で作った曲が今の僕等の入場SE。ストロベリーの劇中歌でもある「瘋癲唱歌」をアレンジして仕上げて、この曲に啞の挿絵を付けて模倣犯の正体を暴くべく、瀉葬文幻庫は石川県に出向いた訳デス。

迎えてくれた石川県。
石川県デスよ、初葬デスよ。

僕なんかは既に1回、15RAMPOにて行ってるからなんとなくの感触は掴めてるけれど、飴彩に至っては本当の意味での初演。いやあ、堂々と演じきったと思います(滅多にしない拍手)

そしてストロベリー共犯者の皆さんデスよ。石川県に集ってくれて。いやあ、あの時は本当感動しましたよね。このnoteの毒者の方も居てはるんちゃうかな、ありがとうございましたよ。

この金沢ビートホールって箱、当日朝から結構な雨が降っていて、箱の客席側の裃が滝のような雨漏りをしているという中々なジュラシックパークな環境のログハウス的な箱だったんデスが、元々結婚式も挙げれる箱のようで、天井もガラス張りになってたりして、外の風景も見え、本番にはきっちり雨も止み、月出た夜空を背に瀉葬の演目「目羅博士の不思議な犯罪」もトラブル無くラストシーンの月光鏡になる迄無事終える事が出来ました。

そして今怪のオーガナイザーでもあるエキストラの皆さんのライブ。ストロベリーの曲をガッツリコピーしてくれて、会場も本家のライブばりに大盛り上がり。

で!お約束のようにご本人様登場の演出もしてくださり、きっちり僕と飴彩とでストロベリーソングオーケストラとしても出演してきた次第でありまして。

耳憑夜

そして、2018年、瀉葬文幻庫は自主企画も行って逝きます。

この過酷なスケジュール!
今では絶対に出来ん!!このころはまだ目が見えていたから夜中の運転もできてたんだろうか?今なら確実に地獄へ逝ってしまう!!

ストロベリーソングオーケストラ役者衆と共に東名阪の3か所。
この時のゲストが、大阪が桂りょうばさん。名古屋が松原タニシ君。そして東京が常川博之さんでした。このころからタニシ君が出演してくれてるんデスね。

耳憑夜はその後も続いていき、各地で開催して逝きます。




で、まだ記憶に新しいBARギロチンへと繋がり、今に至る…とまあ、ラストはざっくりで終わらせてしまいましたが(今から病院やねん!)こんな感じでやっとる7月6日!ぜひ生演奏での瀉葬文幻庫を観にきてくださいね!

当日はストロベリーソングオーケストラから犬拐雄叫、RENAMEからka-no君、そしてストロベリーソングエキストラからゆかごんが鏡町にて異形の衆となりますよ。


それでは今週の毒者特典記事デス。
今怪も過去の犯行現場の記録をお届けしようかと思います。
今怪発掘された犯行記録影像は2017年に行われた、心斎橋ルイードでの犯行記録デス。
昨年、電撃脱退表明があったNOIZの皆さんとの2マンライヴの時の犯行記録。こちらのライヴを観て、共犯者となった方も多いんじゃないでしょうか?

この時の演目が「洗脳シリーズ」。
いつぞやの単毒公演の時にも行った元ネタのライヴとなっております。

それでは毒者登録がまだの方は今すぐに登録してから閲覧してってください。

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この【仮分数のヒトビト】では、ストロベリーソングオーケストラや伝説のコント集団・ストロベリーソングオーケストラ野球部、僕が飴彩里沙羅と行っている瀉葬文幻庫に纏わる秘話、そして毎回何かしらのレアな付録が憑いてきます。 共犯者の方は生ビールを一杯呑んだつもりで定期購毒、毒者と成り果ててください。(月に4~5怪の更新になります)

お憑かれ様デス! このマガジンでは関西アンダーグラウンドシーンで活動する、見世物パンク一座・ストロベリーソングオーケストラの座長である【…

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