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第137怪~耳憑夜・帝都阿呆船変

お憑かれ様デス!
連日暑うございますねー。こんなに毎日暑いとどこにも出かけたくなくなるよねーとほぼ引き籠り生活なのに、どんどん日焼けしていくやありませんか。お肌の曲がり角ヘアピンカーブな僕にしては死活問題!なんでこんなにクロワッサンみたいにこんがり焼けていくんや?と、フと我が作業場を見ると、煌々と一本の光線が、まるで僕とパトラッシュをお迎えするが如く理科の実験ばりに机に当たっているじゃありませんか!パトラッシュ、、あれが丸尾末広の絵だよ、、ガクッ…

って!こ、コレが原因やったんちゃうん?と、今我が作業場はこんな感じ。

作業場

天窓からの直射日光を防ぐため、天窓に布を覆ってみたのデスが、真っ黒い布だと全く光が入らなくなり部屋が真っ暗になるので、薄い生地の白い布で覆った結果、シレーっと光が注ぎ込み全く意味が無い!という事で日傘を設置する事で日陰の下で仕事が出来る環境に!…
というか、作業場の位置を変えたらええだけの話なんやけれど。まあ色々ありますやん、クーラーの電気代とかさ。クーラーの電気代…電気代。。

という訳で、首に手ぬぐいの中に保冷剤を入れて捲き、扇風機をつけて午前中は耐え忍んで作業をしている訳デスが、今からこんなに暑いんじゃ8月とかどうなってしまうんだ?と、妖怪人間ベムのOPに登場する緑の生命体みたいに溶けそうであります。

さて、もう約2週間前になるのかな、瀉葬文幻庫主催『耳憑夜』の千秋楽、帝都阿呆船の回想録デス。寫眞撮影は毎度お馴染み、川喜田伸輔、しんちゃんデス。しんちゃん、大阪、名古屋、東京と全撮影本当にお憑かれ様デス!

耳憑夜の怪場となった池袋手刀

前日、名古屋鑪ら場にて中京疱瘡譚を終え、翌日の朝に出発。
魔さかの財布を無くした?と思う瞬間が一瞬あったけれど、ちゃっかり物販の箱に財布をナイナイして寝ていた僕、財布に全財産、キャッシュカード、ETCカード等をいれていたので詰む寸前でありました。あかん、、お酒は程々にせなあかんと毎怪言うてるのに!

そんな瀉葬文幻庫号は帝都に向けて出発。
前日、そこそこで切り上げている筈なので、良く寝たせいか道中全く眠くなく運転出来、池袋にギリギリ入り時間に到着。その間、唖は後部座席でスヤスヤ…いや、ゴーゴーと轟音をあげて寝ておられました。

手刀に到着し、箱イン。
そこには久々再会する元ストロベリーソングオーケストラの役者であった一朶拿罪こと、乃木ナツミ、なっちの姿と、これまたかなり久々再会する昭和精吾事務所のこもださん、そしてイッキさんの姿が!もう、この3人さんを見るだけで帝都変開催出来て良かった!と思える瞬間でした!そして、昨日あんだけしこたまお酒呑んだのに、もう呑みたくなったのは内緒でございます。

そう、今怪の帝都阿呆船変、急遽出演が出来ないメンバーが2人出てしまい、どうなることだろうかと思っていたのデスが、なんて事は無い最高の千秋楽を迎える事が出来て、この面子、そして手刀さんで久々出来て本当に良かった!こんな無理を効いていただいた手刀の摩天楼様には大感謝でございます。摩天楼様、ありがとうございました!

楽屋でCOTDのNARASAKIさんがやっていたハードコアバンド、臨終懺悔のステッカーを発見したり。

臨終懺悔

と、開場。
1番手はなっちなんデスが、なっち、ストロベリーを退団してからは朗読配信を主にSNSで行ってはいたのデスが、今怪みたいな舞台で行うのは初という事で、かなり気合も入っており、なっち、開場からずっと箱の中に収まっておりました。

開場中のなっち
客席後方から

めっちゃ箱やん!
元々なっちから「箱の中に入ります~♪」ってな連絡貰ってたけれど、ガチ箱に入りますやん!まさに、あなたの匣に眠りたい!

で、なっち、リハーサルも綿密に行った結果、開場迄あと30分!てな段階で全く化粧も終わっておらず、楽屋で「なんで箱の中に入る事になったんやろー」と自分で首を絞めておりました。うん、ストロベリーにおった頃からのクセかもしれんね。開演前になにかしら舞台でモゾモゾ動いてたり、ジっと立ってたり、そんな強迫観念が身に沁みついたのかもせんね、という話を楽屋でするも、僕のコトバは空気ダ剃刀アレルギー!と言わんばかりに化粧に必死のパッチのなっち(ラッパーみたい)

そういや、初期ストロベリーでも箱の中にもう一人の自分が存在する作品で『箱女』という作品をベアーズでやった事があるな。ベアーズの客席に段ボールで作った箱型の通路を作って、その中に役者が入り芝居する作品。阿部公房の『箱男』をパロった作品だったな。

座チョペディアより

なっちの今怪の作品はイベントの趣旨、寺山修司没後40周年にちゃんと乗っかってくれて寺山修司の「海のリボン」をなっち流に解釈した作品として披露してくれました。瀉葬文幻庫の楽曲『赤糸で縫いとじられた片端』の元ネタともなっている寺山修司の童話集である『赤糸で縫いとじられた物語』に収められている短編です。読んだ事無いって人は是非読んでみてください。

で、なっちの『海のリボン』を後方から観てたんデスが、いやー、なっち、良くここまで作りあげたねっていう位、細かい照明・音響演出を施しつつ、ちゃんとラストは耳憑夜に相応しい少しゾクっとするラストを持ってきてたのが素晴らしかったデス。退団してからのブランクなんてのもまったく思わせず、なんならこのスタイルで今度は大阪でもやって欲しいくらいの完成度でありました。と、同時に「ま、負けてられん!」と対バン魂を客席で感じつつ。

続いて登場したのが2番手の松原タニシ君。
安定のタニシ節で客席の空気を変えていくのデスが、今回発表した書籍『恐い食べ物』の中から、タニシ君、大阪・名古屋で封印していた代表作『金龍ラーメン』のネタを帝都で披露…これを大阪から観に来てくれていた共犯者達の目にはどう映ったのだろうか?帝都まで来て金龍ラーメン…別の意味でお腹が一杯になってるだろうなと客席から見てて面白かったデス(笑)

手刀で異妖な空気を放ったタニシ君の出番が終わり、3番手は実に15年ぶりの共演になるのであろうか、昭和精吾事務所のお二人デス。

2005年に大阪でストロベリー主催のイベントに出演していただいた昭和さん、そして、2008年の演劇公演『レミング』を行った際の昼公演に昭和さんが舞台で公演をしていただいたので、この公演がラストなのかと思うと、いやー15年ってあっという魔なんだなと思いました。

昭和精吾事務所・こもだまりさん
昭和精吾事務所・イッキさん

急遽、出演出来なくなったピンチヒッターとして登場したイッキさん、長年同作をやってきただけあってピンチヒッターとは思えない貫禄、そして、見て!このこもださんの1000回はこなしてきたであろう雰囲気を醸し出す貫禄!(←コレは唖が言ってた)

寺山修司の長篇叙事詩『李庚順』という昭和さんの代名詞ともいえる作品をお二人で行っていたのデスが、名シーン、ガス栓を捻るシーンや、桟橋に流木がゴツーン、ゴツーンと当たるシーンでは舞台中央に昭和さんのシルエットが見えて思わず目を擦りかけた程の迫力でした。

イッキさんによる『アメリカよ』

今怪の耳憑夜にご来場していただいた皆さんはYouTubeに生前の昭和さんの公演の動画があるのでそちらも一度観てみてください!僕のやりたかった事が詰まっております!永遠の憧れ、昭和の精神、吾にあり!

このイッキさんの持ってるボロボロの星条旗、昭和さんの形見である事は勿論、実は映画『書を捨てよ町へ出よう』の劇中に登場する星条旗なんデスよ。僕等寺山修司フリークからしたらめちゃくちゃレアな星条旗。もう、ロトの剣みたいなもんデスよ。そんな伝説の剣を「これ、収納ケースに入れるの面倒なんだよねー、ボロボロだしさー」とサラっと仰るイッキさんに白眼を剥きそうになりました。アメリカー!!!

トリは我々、瀉葬文幻庫。
今怪の耳憑夜もトリは我々が全てつとめさせていただきました。

5月半ばから制作期間に入り、なんとか仕上げた今作『異-トミノの地獄』。
ストロベリーソングオーケストラでは寺山修司没後40周年作品として、寺山さんの戯曲や詩、短歌等、いろんなコトノハを紡ぎ、一つの作品として『鉛筆のドラキュラ~テラヤマ迷宮譚』を発表しましたが、瀉葬文幻庫ではどんな寺山修司が出来るのか?と考えた結果の『異-トミノの地獄』。

AIの発展により、新たな都市伝説やフォークロアが産まれている現代社会と同様、過去の時代でもそういった都市伝説により生まれたエピソードが多々あり、今作の原作でもある『トミノの地獄』を読み解いた為呪われて死んでしまった、、てな2ちゃんねる的な挿話を瀉葬解釈で構築した作品でした。

前作『現代版~耳なし芳一』の世界とリンクしていたりして、鏡町といった虚構都市の中で繰り広げられる虚構といったマトリョーシカシステム、今後もストロベリーソングオーケストラ、瀉葬文幻庫で作って逝きますので皆さんご期待ください!

そんな瀉葬文幻庫の次のオシラセ、、、
もしかしたら12月、、何かあるかもデスよ。大至急、ビール片手に大衆酒場にて唖とミーティングして発表しますので、喉を乾かして情報お待ちください!(アニアニ、7月絶賛超ヒマデス!!)

ここからは毒者限定記事デス。
前回の続きで今作『異-トミノの地獄』の台本、後半部分をUPします。

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この【仮分数のヒトビト】では、ストロベリーソングオーケストラや伝説のコント集団・ストロベリーソングオーケストラ野球部、僕が飴彩里沙羅と行っている瀉葬文幻庫に纏わる秘話、そして毎回何かしらのレアな付録が憑いてきます。 共犯者の方は生ビールを一杯呑んだつもりで定期購毒、毒者と成り果ててください。(月に4~5怪の更新になります)

お憑かれ様デス! このマガジンでは関西アンダーグラウンドシーンで活動する、見世物パンク一座・ストロベリーソングオーケストラの座長である【…

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