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#13 街で聞こえる人間模様【彗星交叉点】

こんにちは、いちこです。
ここでは、読んだ本の紹介をしていきます。
こんな感想もあるんだな、と思っていただけたらと思います。
本に興味を持ったり、選ぶ時の参考になれば幸いです。

何気なく聞こえてきた会話が妙に耳に残ることってあります。
また、何気なく言われた言葉が残ることも。
何の話?!それから?!と興味を引かれてしまう時があります。
人の会話の場合は非常にマナー違反なのですが、ふと聞こえてきた会話のワードチョイスが面白かったり話し方が上手な方っているんですよね。すごい才能です。
そんな共感と発見がある本でした。

【今日の本】

本日ご紹介するのは、
穂村弘(ほむらひろし)「彗星交叉点」です。


【内容】

街角でふと耳にした会話、お店の看板……たまたま出会った言葉の断片が詩に見えてくることがある。そんな「偶然性による結果的ポエム」についての考察。

筑摩書房ホームページより



【感想、雑談】

こちらは、2011年〜2016年に書かれたエッセイです。
たまたま聞こえたり見たりした会話や言葉について、あれこれ想像と妄想を交えながら考えています。
タイトルも素敵で、『大小の彗星たちが擦れ違う宇宙の交叉点……、どこからか現れて、どこかへ消えてゆく星たちの姿が、謎めいた言葉が飛び交う本書のイメージと重なりました。』とのこと。おしゃれ〜。

昔、穂村さんにハマった時があってエッセイや短歌集を読んでいました。「ラインマーカーズ」大好きです。
エッセイも軽妙な語り口が面白くてよく読みました。
彼の言葉は軽やかなんだけど、どこか「拗ねた」ような響きを感じます。

今も昔も短歌のことはよく知らないのですが、短歌って読んでいると心地良いリズムとフレームの中に切り取られた世界が広がるような気がします。
枠の中で、心の動きや揺れが確かな温度で息づいています。
そんな短歌を仕事にしている穂村さんは、街の中や生活の中、会話の中で「言葉」に耳を澄ませているのがよくわかる本でした。
言葉とその中に含まれる感情を常に考えているのかな、と。
他人の会話は断片的で、前後もオチも分からなくて想像の余地が残るのが面白いですね。

そういえば、今年のいつだったか、初めて穂村さんをテレビで見たんです。
正確には書影などでお顔は知っていたんですが、話すのを初めて見まして。
優しげな中に思春期のような無邪気さと照れのような表情が垣間見えた(気がした)ので、失礼ながらなんだか可愛らしい印象を持ちました。
大人と子供を自在に行き来しているような感じというか。
同時に、本のままの人だなぁとも思いました。エッセイそのままの口調がまた良くて、ラジオで流れていたらそのままぐっすり眠れそうな優しい声です。

脱線しましたが、興味が湧いたら読んでみてください。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。

いちこ

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