いちこの本棚

30代女のつぶやき読書感想文。 編み物などのvlog【いちこの趣味部屋】をYouTubeで更新中。

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最近の記事

どうしてこんなに手間をかけているんだろう

こうして更新作業をしていると時々、「どうしてここまで手間をかけているんだろう」と思うこともあります。 読書も記録も、noteも手芸もYouTubeも全部手間と時間がかかります。 本も読んでいて合わないものもあるし、文章を書いても表に出すこともなく終わることもある。 感想も、仕事じゃないので自分で管理して書いて、調べて、推敲して。けっこう時間を取られます。 編み物で何か作っても、使えないこともある。これは時間と手間暇でいったらダントツで徒労になります。 動画編集だってそう。全

    • #22 レールを外れた人々の群像劇【ようこそ、ヒュナム洞書店へ】

      普通とか一般的とかそういうものを置いてきてしまったのは、いつだっただろうと考えることがあります。 そのことで感じる色々な罪悪感を、どこで拾ってきてしまったのだろう。 違う国でも、同じような苦しみや窮屈さを抱いている人がいる。そんな小説でした。 「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」(ファン・ボルム) 2024年本屋大賞の翻訳小説部門で一位を受賞した作品です。 ある出来事から、深い悲しみを抱えるヒュナム洞書店店主のヨンジュ エリートになるべく育てられたことに疑問を持つバリスタのミ

      • #21 味の思い出【おいしい文藝シリーズ】

        人の記憶は他の五感と一緒になることで強く刻まれると聞いたことがあります。 特に匂いと味は、頭に残ります。 思い出の味というのもその食べ物が美味しかっただけではなく、その時一緒にいた人、交わした会話、雰囲気が蘇ってくるからこそ「思い出の味」なのでしょう。 今回ご紹介するのは、『おいしい文藝』シリーズです。 河出書房新社のエッセイ集で、タイトルに沿った内容のエッセイが収録されています。 私が読んだのは「うっとり、チョコレート」。 タイトル通り、チョコレートを題材にしています。

        • #20 私を「大丈夫」にする魔法【眠れぬ夜はケーキを焼いて】

          ネガティブな思考に囚われて考え込んでしまう。そんな夜には、「私は大丈夫」と自分に言ってあげることが大事で、でもとても難しい。 決して即効性のある方法ではなくても、「少しだけ」、「もう少し」を繰り返して、沈んだ自分を引き上げて、取り戻していく。 そんな静かな優しさに満ちた本をご紹介します。 【今日の本】 本日ご紹介するのは、 午後(ごご)、「眠れぬ夜はケーキを焼いて」です。 【内容】 【感想、雑談】 午後さんは、睡眠のリズムが崩れた夜中にお菓子を作ります。 レシピは

          最近読んだ本を短めに紹介したい (2)

          いつもは一記事一冊(シリーズ)を基本としていますが、あまり長くならない程度に最近読んだ3冊を記録したいと思います。 【ムショラン三ツ星】黒柳桂子 刑務所内の食事の献立を365日考える栄養士の著者。 こういう珍しい職業の方の話は貴重で、とても興味深いです。私はこの手の話が好きです。 刑務所内の食事については、以前ドキュメンタリーか何かで受刑者が作っているということは知っていました。 しかし、こんなにもルールや規律が厳しいとは。 争いの原因になるので、個数やグラム単位で公平性

          最近読んだ本を短めに紹介したい (2)

          #19 健常者優位主義の世界で彼女は。【ハンチバック】

          こんにちは、いちこです。 ここでは、読んだ本の紹介をしていきます。 こんな感想もあるんだな、と思っていただけたらと思います。 本に興味を持ったり、選ぶ時の参考になれば幸いです。 今回は2023年、第169回芥川賞を受賞した作品です。 こちら、題材も表現も大変センシティブなものを含んでいて、感想文を書くか悩んだのですが。なかなか考える部分も多かったので、書くことにしました。 障害の表現や、性的描写の強い内容となっていますので読む際はご注意ください。 【今日の本】 本日ご紹

          #19 健常者優位主義の世界で彼女は。【ハンチバック】

          3ヶ月記録と本が人生を変える話

          記録した読書数をまとめました。 7月 10冊 8月 6冊 9月 14冊 計 30冊 8月は体調不良の時があったので少なめ。 あとはまあ、普通かなという冊数でした。 【本が人生を変える話】 今日は「人生を変えた本」ってあるだろうかと考えてみたことをつらつら書いていこうと思います。 一冊の本が人生を変える、という話はよく聞きますね。 ドラマチックで、運命的。そういうものに出会えたことは本当に幸運なことだと思います。 個人的に人生を変えた本があるか、と思い返してみました

          3ヶ月記録と本が人生を変える話

          読書道具とデジタル・アナログ問題

          読書していると、デジタルとアナログのどちらが良いかという問題に直面します。 どちらが優れているかというよりは、どちらが自分の好みやスタイルに合うのかを模索する時期が定期的にやってくる感じです。 また、読書の記録をとっているのでそちらも試行錯誤しました。 本は、紙がメインです。 紙は手で持ちながら文字を読むのが好きな人にはいい。めくりやすく全体をざっと見渡しやすいです。中古で売買もでき、古い本も探せます。 しかし、携帯性が悪く、検索してページを開くことはできないし、物理的に持

          読書道具とデジタル・アナログ問題

          世界中に生活する人がいる【世界の暮らし365日シリーズ】

          人がどのような環境で、どんな暮らしをしているのかを知るのが好きです。 歴史や地理が好きなのですが、それも人の生活を知りたいというのが根底にあります。 普通の、平穏に生活する市井の人々がどんな暮らしをしていたのかを知ることが好きなのです。昔からそんな感じでしたので、便覧や資料集ばかり読んでいる学生でした。 朝起きたらなにをして、ご飯は何を食べて、昼はなにをしていて、お金はどんなシステムで回っていて、仲間とはどんな関係を築いていて、家や家具や日用品はどんなものを使っているのか…。

          世界中に生活する人がいる【世界の暮らし365日シリーズ】

          3ヶ月記録と本をすすめることの難しさの話

          時間が経ってしまいましたが、4〜6月に記録した読書数をまとめました。 4月 11冊 5月 12冊 6月 12冊 計 35冊 いつも通り、私の平均的な読書量な気がします。この3か月は忙しくもなく、平穏な日々を送れたのでペースが乱れることがなかったようにに思います。 【本を人にすすめるのは難しい】 たまに、「おすすめの本は?」と聞かれることがあります。 大抵は私が読書をよくしていると知っている人からですが。 そういう時、嬉しいと同時に困っている自分がいることも確かです

          3ヶ月記録と本をすすめることの難しさの話

          #17 元祖名探偵【シャーロック・ホームズ】

          こんにちは、いちこです。 ここでは、読んだ本の紹介をしていきたいと思います。 こんな感想もあるんだな、と思っていただけたらと思います。 本に興味を持ったり、選ぶ時の参考になれば幸いです。 定番というのはいつだって定番たりうる理由があるのです。 そんなシリーズをご紹介します。 【今日の本】 本日ご紹介するのは、 コナン・ドイル、「シャーロック・ホームズ」シリーズです。 私は、偕成社版の「シャーロックホームズ全集」で読みました。 【あらすじ、内容】 ホームズはワトスン

          #17 元祖名探偵【シャーロック・ホームズ】

          #16 不器用で優しい人たちの物語【暗いところで待ち合わせ】

          こんにちは、いちこです。 ここでは、読んだ本の紹介をしていきます。 こんな感想もあるんだな、と思っていただけたらと思います。 本に興味を持ったり、選ぶ時の参考になれば幸いです。 もっと上手く生きられたら、誰も傷つけずにすんだのに。 そんなふうに悔いているような、登場人物たちでした。 【今日の本】 本日ご紹介するのは、 乙一(おついち)「暗いところで待ち合わせ」です。 【内容】 【感想、雑談】 作家読みってしますかね? 私は結構します。面白いと感じる作家さんは、他の

          #16 不器用で優しい人たちの物語【暗いところで待ち合わせ】

          意外と覚えている絵本の話

          最近、図書館の絵本コーナーで懐かしい本を見つけました。 ずいぶん古い絵本ですが、まだ棚で借りられているのを見て、ちょっと嬉しくなりました。 私は子供の頃に気に入っていた絵本を、いくつか鮮明に覚えています。 両親は、色々な工夫をして本を与えてくれました。親戚からお下がりをもらったり図書館を利用したり、定期購読絵本を購入して、たくさんの本に触れさせようとしてくれていたようです。 両親たちは本をあまり読まないようですが、国語を重視する教育方針だったようです。それは折に触れて常に言

          意外と覚えている絵本の話

          #15 何を捨てても貫く愛【トワイライト】

          【はじめに】 こんにちは、いちこです。 ここでは、読んだ本の紹介をしていきます。 こんな感想もあるんだな、と思っていただけたらと思います。 本に興味を持ったり、選ぶ時の参考になれば幸いです。 皆さんは、人生の分岐点ってありますか。 私はココ!というものがわからないまま生きていますが。 あの時の選択がもしかしたら、というのは後から分かるものですね。 今日紹介する作品の登場人物たちは、出会った瞬間に大きな分岐点を迎えます。 それとは知らずに、自分や家族さえも巻き込む大きな決断

          #15 何を捨てても貫く愛【トワイライト】

          欲しい本を片っ端からカートに入れたら悟りがひらけた

          よく物欲を抑える方法として言われている、「ネットショップのカートに欲しいものを全て入れて一晩寝かせる」というもの。 私もよくやります。「後で買うリスト」を欲しいものメモの代わりにしています。 先日は、本だけたくさんカートに入れて普通に買おうとしておりました。 もう清水の舞台から飛び降りる覚悟で。自宅に置いておきたい本をメモした紙がいっぱいになっていましたし、何か買いたいという欲もあったので。 片っ端から入れていきました。 小説、絵本、漫画などなど。 たとえ支払いが高額にな

          欲しい本を片っ端からカートに入れたら悟りがひらけた

          面白かったです。(語彙力)

          作文は好きだと以前書いておきながら、継続して感想文を書いていると「書けない」という現象に悩まされます。 自分の中にある言葉のストックの少なさに絶望し、文の組み立ての悪さに頭を抱え、推敲しては「意味がわからない…」と消して書くの繰り返しです。 作文はたまに出される課題だからこそ、書けたのかも知れません。 圧倒的にアウトプットが足りてなかったが故に、書くことがたくさんあったのでしょう。 それでも、継続したアウトプットは大事だと感じます。 こうして文章にすると、嫌でも自分の気

          面白かったです。(語彙力)