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#7 世界は思ってたのとちがうけど【メメンとモリ】

こんにちは、いちこです。
ここでは、読んだ本の紹介をしていきたいと思います。
1記事につき1冊または1シリーズ、ご紹介していきます。
こんな感想もあるんだな、と思っていただけたらと思います。
本に興味を持ったり、選ぶ時の参考になれば幸いです。

生きていると、良いことばっかりじゃないですね。嫌なこともつらいこともたくさんあります。
ただ、そう悪いことばっかりでもないと思える瞬間もあって。
私にとって、読書はそういう瞬間の宝庫です。だから、おもしろい。
本日の本も、「生きてくのって、まあ悪くないかな」と思いました。


【今日の本】

本日ご紹介するのは、
ヨシタケシンスケ著
「メメンとモリ」です。


【内容】

「生きる意味」や「生きる目的」って必要ですか?
キノベス!キッズ2024  第1位!
MOE絵本屋さん大賞2023 第2位!
静岡書店大賞 児童書新作部門 第2位!

発売たちまち18万部突破

「王様のブランチ」(TBS)、「新・美の巨人たち」にて紹介、反響続々!!

身もふたもない言葉の中にだけ、
希望を見出せるときもある。
ヨシタケシンスケが描く
「人は何のために生きてるの?」の3つのお話。

『メメンとモリとちいさいおさら』
メメンが作ったお皿を割ってしまったモリ。
「世界にひとつしかないお皿なのに…」といつまでもクヨクヨしているモリに、
メメンは「大丈夫よ、また作ればいいんだから」と励まします。

『メメンとモリときたないゆきだるま』
夜のうちに降った雪。メメンとモリは次の日の晴れた朝、張り切ってゆきだるまをつくりました。
でも雪は足りず、晴れて溶けかかり、できあがってゆきだるまは想像していたものと違いました。
複雑な顔をしてゆきだるまを見つめるメメンとモリ。
でもゆきだるまは、そんなふたりの顔を冷静に見ていたのです。

『メメンとモリとつまんないえいが』
つまらない映画を見てしまったメメンとモリ。「時間を損しちゃったね」と話しているうちに、
モリは「みんなは楽しいことをしているのに、ぼくだけ損をしているみたい」と思いはじめます。
そんなモリにメメンは「いきものはべつに楽しむために生きているわけじゃないからね」と言うのですが…。

KADOKAWAホームページより


【感想、雑談】

タイトルがまさしく「メメントモリ」ですね。

メメント・モリ

「死を想え」「死を忘れるな」という意味の警句。
古代ローマでは「今を楽しめ」という意味で使われたが、キリスト教世界では、現世のはかなさを覚え、来世に思いをはせるように勧める言葉となった

広辞苑より

歌やゲームなど、広く使われている単語なので聞き覚えのある単語です。
ここでは、メメンという姉とモリという弟の会話絵本です。
個人的にはゆきだるまの話が良かったです。
大人向けの絵本という印象ですが、子どもでも楽しめそうです。


「ずっとそこにある」ってことよりも、
「いっしょに何かをした」ってことのほうが大事じゃない?

物に執着してしまうのは、そこに思い出があるからなのでしょうね。
でも物はいつか壊れるし失くなる。その中の思い出が大切だったはずなのに、物に縋ることが目的になってしまうこともあって。
人もいつかはいなくなる。けれど、大切な記憶は自分でちゃんと持っていられるようにしたいです。

損だとか得だとか 生きていることには
ほんとはかんけいないんだよ。
たのしくなくちゃいけいないわけでも、
しあわせでなくちゃだめなわけでもないんだよ。

勝ち負けだとか、コスパなんてものがぎゅうぎゅう締め付けてくる世の中です。
考え方の幅がもう少しあったらいいなと思います。
「こうでなくちゃいけない」人生は、そこを外れてしまったら「詰む」じゃないですか。
ゆとり、遊び、そんなものがあった方が、楽じゃないかな。どうせ生きるなら、縛られすぎないほうがいいです。

この世界は、自分が思うほど
いいものでも、わるいものでもない。
あたしとあなたも、自分が思ってるほど
同じじゃないし、ちがってもいない。
自分自身だって、自分が思うほど
すごくもないし、バカにしたものでもない。

世界を美化しすぎてしまったり、悲観しすぎてしまったり、人間は極端なのかも知れません。

「なんのために生きているのか」のこたえは、
まいにち ちがってもいいわよね。

「生きる」とか「死ぬ」とか、そんなことを考える時、深刻になりすぎて夢も希望もなくなってしまいます。
でも、ユーモアに富んだ言葉と少しとぼけた表現で言ってくれると、フッと肩の力が抜けるんですよね。
ヨシタケシンスケ作品には、そういう空気があります。


【おわりに】

「もうぬげない」などの子供目線の作品も笑えて好きです。
大人向けの「生」や「死」をテーマにした作品も味があって、よく読みます。
個人的に「このあとどうしちゃおう」がお気に入りです。

興味が湧いたら、読んでみてください。
では、今日はこの辺で。
ありがとうございました。

いちこ

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