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明徳義塾・代木の年齢詐称ピッチング
○1回戦 明徳義塾3-2県岐阜商
代木、野崎という好左腕の投げ合いで始まった試合は、明徳義塾がサヨナラで勝利した。
これぞ馬淵野球というような試合巧者ぶりが目立った試合だった。
◆代木投手の年齢詐称ピッチング
明徳義塾の先発・代木投手は185cmという体格からは想像がつかない緻密な投球を披露した。
ストレートの球速は133〜139km /hと高校生左腕としてはトップクラスに速い。
(私の完全な私感ではあるが、左投手はストレートが常時130〜135km /hであれば全国レベル、135〜140km /hであれば全国トップレベルである。)
普通であれば、そのストレートの球威で押す投球をするものだが、代木投手は並の高校生ではなかった。
全く力みを感じさせない安定したフォームから両コーナーへ抜群の制球力を披露した。
さらに驚くべきはカットボールの使い方である。
右打者のインコース、左打者のアウトコースはもちろん、
右打者のアウトコース(バックドア)、左打者へのインコース(フロントドア)へもカットボールを使っているように見えた。(真っスラかもしれないが)
もし意図的に右打者のアウトコース、左打者のインコースへカットボールを投げているとすれば、なんとレベルが高いピッチングだろうか。
年齢詐称を疑うぐらい大人なピッチングである。
さすが試合巧者・明徳のエース!
◆日本一のバント
代木投手の緻密なピッチングと同様に、攻撃陣も緻密な野球をしていた。
なんと言っても、相手のミスを見逃さない。そしてワンチャンスをモノにする。
さすが明徳と言える攻撃だった。
その攻撃を支えるのがバントである。
笑いが出そうになるぐらい各選手のバントが上手い。
馬淵監督によると、日本一バント練習をしているそうだ。
◆固すぎる守備
馬淵監督は「点をやらない野球」を徹底している。
そのため守備力はピカイチだ。明徳野手陣は、取れるアウトは確実に取る堅実な守備を披露した。
そして、この試合で特に目立ったのは、7回無死からのセーフティバントの処理である。
県岐阜商の左打者が上手く三塁側に転がしたのだが、明徳のサード梅原選手のチャージが恐ろしく速く、セーフティバントを阻止した。
相手バッターがセーフティバントをする選手だということをわかっていなければあれほど速いチャージはできないだろう。
さすが明徳と感じたプレーだった。
◆トルネードサイドスロー左腕・吉村投手
代木投手が6回に1点を失った後、馬淵監督はスパッと継投を決断し、トルネードサイドスロー左腕の吉村投手をマウンドに送った。
この吉村投手の好投もこの試合の大きな勝因だった。
秀岳館時代からスパッと継投を決断する鍛冶舎監督のお株を奪うかのような采配だった。
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