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にやにやするものをつくりたい

何度か訪れている街であっても、地域単位になると行ったことがないところの方が多い。
せっかくなので、その地域に詳しい方に案内してもらうことにした。

有名な観光地というよりは、どちらかと言えば普通の地域。
よくネット記事等では「とにかくおしゃれ!」みたいに紹介されているのでギャップもありつつ一人で来たら楽しめないなぁと思いながら、レンタサイクルを漕いで細い道を巡る。

お寺が地域の人たちのアイデンティティになっていることを強く感じたり、社会的な意義のある事業をしていたり、受け皿になっていたり。

それはお寺が住民目線だったことが関係していると聞かせてもらったけれど、そうそうそんなお寺は無いんじゃないだろうか。

あぁ、やっぱりガイドがあると楽しいなぁと素直に思った。

そのあとも交通量の多い道などを通り、様々な建物や歴史などを聞かせてもらう。

最後はこの地域と言えばここ、的な場所へ。
この場所はとにかく気持ちが良かった。

ほどよいやわらかさの琉球畳にちょうど良い高さの机。
目の前にある大きな窓は開け放たれていて、そこから爽やかな涼しい風が頬を撫でる。

隣の机との距離感が絶妙で、それぞれが自由な時間を過ごしている。

場所が開放されていることもそうだが、こうあるべきというようなルールにがんじがらめになっていない空気感だった。

ちょうどアート作品とアーティストが滞在していたが、その横ではみかんを剝いてほおばる地元民っぽいお婆ちゃん。

若者たちやカメラ女子がこぞって撮影しているのに見向きもしない。
その普通さがおもしろかった。

この建物を設計した方は「にやにやできること」をコンセプトにしているそうだ。
案内してくれた方が「すごく良い考え方だ」と話していたが、私も超同意した。

大声で笑うことも良いけど、にやにやはもっと良い。

反芻することができる。

何だか上手く言えないけど、おもしろいことに出会ったけれど不特定多数の人とは分かち合えない、けれど自分にとってはツボみたいな最小公約数みたいな感じがするからだろうか。

私もニヤニヤすることをしたいな、作りたいな。
という想いが、家に帰り着くまでじわりじわり心の中に広がった。

「にやにや」
これはきっと私のこれからの基準になる。
そんな気がしている。

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