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痛たたたの川ざらえ



 田んぼの側溝に入り、泥をスコップですくっては、畔に上げる。水はほとんどない。かなり匂うが、懐かしさもある。

 泥は深いところでは、10センチほど積もっている。思いの外重く、腕と腰を酷使する。花粉症と黄砂のため、マスクを付けているから、息がしづらい。しばらくしたら、額から汗が滴ってきた。

 かえる、オケラにみみず。見つけるたびに、畔にそっと逃す。側溝内に生えている草を取りはらう。ジャンボタニシがたくさんいる。周りには、シロツメクサにたんぽぽ、スズメノエンドウなどが生え、てんとう虫の幼虫と蛹もいた。

 スコップで泥をすくって、畔に上げる。それをひたすら繰り返す。だんだん、頭の中が空っぽになっていく…

 田んぼに水を引く前、年に一度、村総出で行う「川ざらえ」だ。班ごとに分かれ、田んぼ周りの側溝の泥をさらい、草木を取り、水の流れをよくしておく。こうして、田植えシーズンを迎える。また、村の水は田んぼ周りの側溝を経て、川へ流れるため、これは水害対策にもなる。

 80代から40代までの7人で、休憩を2回挟み、「腰が痛いね」と言い合いながら、2時間ほど作業した。

 わたしの腰ほどある深さの側溝から這い出たとき、膝がガクガクしていた。そして、全身泥まみれ。この日は曇りで涼しく、気温は20度までいかなかった。風も心地よく吹いていて、助かった。それでも、わたしは汗びっしょり。

 こうやって、川ざらえが無事に終わって、ホッとする。やり遂げられて、疲れ切ってはいるが、みなさん、表情は明るい。おしゃべりしながら、ゆっくりと帰る。

 翌朝、起き上がって、びっくりした。あちこち、ひどい筋肉痛。腕、腰、足全体…日頃の運動不足を痛感したが、いつもはスコップと仲良しではないから、仕方ない。

 筋肉痛のときは、じっとしているより、動いた方がいい。痛みがはやく取れる気がするから。よろよろしながら、洗濯物を干す。痛たたた…



下に、てんとう虫の幼虫と蛹の写真があります。苦手な方は、飛ばしてくださいね。






てんとう虫🐞
黒赤の方が蛹
後2匹は蛹になる直前の幼虫




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