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「転の声」を読み終えて(ネタバレあります)

尾崎さんの新作の創作「転の声」が掲載されるとのことで発売日に初めて「文學界」を買いました。
大好きな長嶋有さんの作品も載っているし、綿矢りささんも金原ひとみさんの文章も読めると知り、かなり嬉しい。

尾崎さんの作品は、本になっているものなら読んでいるのですが
今回の「転の声」みたいな
現実にはないエンターテイメント性がある創作作品は初めてなような。
私が知らないだけかもしれなくて、もしかしたら過去にあるのかもしれないけれど。

犬も食わないや裕介や母影は
私とも繋がっている現実、けれども別の現実世界で起きていて
繊細で痛くて人間くさい世界が、表面はつるつるなのにざらざらで飲み込みにくいみたいに私は読んだとき感じて
今回はエンターテイメント性の関係か文章の組み方的なものなのか今の尾崎さんが書く文章だからか
なんだか今までの作品たちとはまた違う顔を見れた気がしました。
でもとても人間くさい。
少しだけ遠回りしてみようとかなく
まっすぐに歩いている作品、みたいな印象です。

尾崎さんが好きなので贔屓目部分的なのはどうしてもあるかもしれないけれど
とても面白かったので読んでみてほしい読んでない人!

まず、現実では「悪」とされている転売を肯定ともいえる公認にする発想がすごい、、
転売によって与えるプレミア感
あるものはなくなるけれど、ないものはない
その場に客がいないことがプレミア

バンドをやっている音楽をやっているフロントマンをやっている尾崎さんだからこそ書けた作品だし発想がすごかった、

エセケンの考えに驚かされ、絵萌井さんは結局会場に行ったのか、ハネダさんはステージには立ったのか、

続編ないかなあ

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