もう生まれたくない 長嶋有
小説だけれど
現実に知っている方々の名前も出てきて
物語の中に現実が交差している
知らなかったこともあるし
はっきりと覚えていたこともあるし
奥底に断片だけあったこともある
日々思い出さなかったその出来事がまた思いだされて
顔が思い浮かぶ人もいれば
名前からしか想像できない人もいた
「死」は必ず平等に誰にでも訪れる
けれど、それがいつ訪れるのかはわからない
決して暗い気持ちになる小説ではない
身近じゃないようで身近な「死」という出来事
怖いような暗いような「死」
現実にいた人物や出来事を混ぜこんで、物語の登場人物たちとゆっくりと「死」を捉えていく
悼んでいく
中には、自ら自分を殺してしまった人もいる
もっと逞しく生きて良いのだ
逞しくというのは、頑張って生きると言うわけではない
生きちゃっているなら
他の人間たちの声やそいつらが取り巻いている世間なんてものを気にしないで
もっと傲慢に自由に図々しく生きていいじゃないか
なんだかそんなふうに思うのだ
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