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【人と向き合う】②人の魂を揺らす言葉を口にすることができるリーダー

今までいろんなタイプの上司に出会ったが、私は、言葉を使うタイミングを心得ている人をすごい、と思うことが多いようだ。タイミングを誤らないということは、それだけ普段じっくり考えているから、ということだからかもしれない。

1 静かだけれど、力を持つ言葉

私が信頼している上司は、歳を重ねるほどに優しさと静けさに満ちた人になってゆく。
ご家族を愛し、仕事は緻密。

何気ない言葉で、目の前の人が誤った方向に進みそうになるのを 思いとどまらせる。
若い頃からの経験を一つひとつ、自分の中で咀嚼し、本を読み、どんなに忙しくても、家族のことを考え、家族のために動く時間を確保してきたこと。
それが、静かでも力を持つ言葉に繋がるのだろう。

静かでも力を持つ言葉。
それは、相手の心にそっと寄り添う。相手に考える時間を与える。

2 力だけ強くて、相手が心を閉ざす言葉


逆に、力ばかりが強くて、相手を追い詰める言葉というものもある。一方的に、矢継ぎ早に繰り出され、そして、相手の言葉も否定する。お前はダメだ、と打ちのめさんばかりの強い圧力が相手を押し潰す。相手に何も言えなくさせる。

ここで詳しくは書かないが、仕事では、相手の魂までに配慮する必要があるとは思っていない。
でも、結果的に相手を動かす、相手を成長させることができる人は、相手の魂の部分までアクセスしている場合がある。しかも、直接揺さぶるというよりは、相手の魂が自ら力を動くように働きかける。

そう、自らの言葉が触媒となって、
相手の側でなんらかの「化学反応」が始まる感じ。

力ばかりが強い言葉で、相手の魂はぐっと縮こまるか、あるいは何かに守られる形で、その人の奥の方に入っていってしまう。こういうのを「心を閉ざされてしまう」という。

3 子どもはみんな知っている~どの大人が自分のことを見ていてくれるか~

ここでは大人の話をしているが、子どもこそ、このことに敏感だし、正直にそれを言動で示してくれる。
とは、保育士の方が言っていたことだった。
「この人はわたしたちのことを見ていてくれる」
と思う大人のことを子どもはわかるんだそうだ。

そして、そういう人に出会うと、ぐっと近づいて、にっこり笑うんだそうだ。そして、たっくさん話しかけるんだそうだ。「うんうん」「そうかそうか」って言ってもらって、とっても満たされた顔をするんだそうだ。そういう相手の言う、静かな言葉には、ちゃんと耳を傾けるんだそうだ。

4 この人なら…と魂を覆うヴェールがそっと外れるかどうか

子どもも大人も、本当は同じ。
相手が自分のことだけを考えている人かどうか、そして、こちらに眼差しを向けてくれる人かどうかは、分かる。
この人に魂を少しさらけ出しても大丈夫かどうか、ということ。
そう、大人が仕事をする時に、相手の魂まで直接気を遣う必要はないけど、魂をほっとさせることができれば、結果的にこちらの言葉が届く可能性が高まるということ。相手に内省を促すのかもしれない。

こちらを暴力的に変えようとする相手じゃないと、信頼してもらうところから、全てが始まるのではないだろうか。

魂に自衛させない、魂に寄り添うことのできる人の言葉は、強い。


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