集合知
先日の記事では、小学校5年生の社会科の「授業びらき」で、よく「五円玉」を用いる実践が行われてきたということについて書いた。
という実践である。
たしかに昭和の時代には、農業、水産業、工業に関する学習が、5年生の社会科の大部分を占めていた。だから、「授業びらき」で「五円玉」を扱うことには大きな意味があったと思う。
けれども、日本の産業構造の変化などを反映して、現在の5年生の社会科では、農業や水産業、工業以外に、情報産業、防災や環境保全、国土の様子などに関する内容を扱うことになっている。
だから、「もうアップデートが必要なのかもしれない」というのが記事の内容だった。
この記事に関して、何人かの方から情報提供やご意見をいただいた。
まずは、この「五円玉」の実践を最初に行ったのは誰なのか、ということについてである。これに関しては、
「教育技術の法則化運動(現在のTOSS)の投稿論文で読んだ記憶がある」
「『授業の名人』と言われた有田和正先生の実践ではないか」
「いや、有田先生自身が『他の方の実践を追試した』と述べていたのを読んだ記憶がある」
などの情報提供をいただいた。改めて調べてみたいと思っている。
また、この「五円玉」の実践自体には、
「まずは、この『五円玉』での『授業びらき』をもとにして農業、水産業、工業について学習し、その後に『みんなの生活を支えているのは、これだけかな?』と問いかけるという方法もあるのではないか」
という主旨のご意見をいただいた。
たしかに、教材や資料が「完璧」である必要はない。むしろ完璧ではないからこそ、子どもたちの発想が広がるのかもしれないのだ。
さらに、「五円玉」の裏側に描かれている「新芽」から林業や環境問題に目を向けさせることもできるのではないか、というご意見もいただいている。
いずれにしても、インターネットを通じてこうした「集合知」を得られるのが、今の時代のよさだろう。
そして、もしも「授業の名人」と呼ばれた有田和正先生が今の時代に教師をしていたら、インターネットやGIGA端末を活用してどのような授業をするのだろうか、と想像してみたりもする。