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10年ほど前のお話。

この年は、やけに「冥途の土産」という単語を聞く年だった。

上野駅で、売店の売り子さんが、
「冥途の土産に上野パンダクッキーはいかがですか?上野駅限定、冥途の土産に…」と叫んでいた。

空耳かなと思ったけれど、周りの人もみんな振り向いていたから、きっと間違って言葉を使っていたのだろう。そして、私は記念に買った「冥途の土産におすすめなパンダクッキー」を。

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そのクッキ―を土産にたんばばの家へ遊びに行った。たんばばが言った「冥途の土産に、海外に行ってみたい」と。
ちょうど、喜寿だったのでお祝いも含めて台湾に行くことにした。

東京で、本当の孫のように可愛がってくれている恵子さんもたんばばと同じ年なので喜寿だ。1ばばあも2ばばあも同じだ。2人まとめて台湾に連れていくことにした。この台湾旅行の後も、冥途の土産の韓国旅行、冥途の土産の家族旅行などなど、まだ冥途の土産は続いている。この「冥途の土産詐欺」は、本当に、一生続いてほしいと思う。

冥途の土産詐欺の一種で、たんばばの「最後のお琴の発表会」という種類の詐欺もある。これで最後になるからを10年ぐらい続けている。

ちなみにたんばばのお琴の発表会は、間違ったとき舌を出すのでおもしろい。ポーカーフェイスは苦手みたい

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コロナ禍で、冥途の土産に行きたい場所がいっぱいあるのに行けない。それ以前に帰省もできなかったので家族に会えない。もどかしいこの期間は思い出をまとめます。2021年、冥途の土産の整理整頓。


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