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新しい東京土産を作らないか?そしてリアルタイムの実戦でマーケティングを学ばないか?

ご無沙汰してます、Marketing Demomの石井です。幸か不幸か、noteを書く暇もないような日々を送っておりました。本日は、僕らのチャレンジの過程をシェアすると同時に、ぜひ助けてほしいなと思い筆をとっている次第です。

このnoteで言いたいことを、さっそく結論から言わせてください。どうしても言いたいことは、究極的に以下の3点に集約されます。

  1. 誰もが「東京っぽい!」と感じられて、心から貰った時に嬉しい東京土産って、現状存在しなくないですか?

  2. 世界第3位の都市であり、我らが日本の首都である東京に、胸を張ってお勧めできるような「The東京」な土産が無いのはおかしくないですか?

  3. 一緒に、僕らの手で新たな東京土産を作りませんか?そのためのFacebookグループに入りませんか?(我々の商品開発とかマーケティングとかの過程を全部見せます!)

2年前にMarketing Demoを創業しました。その時に書いたnoteが大バズりし、現代における「個々人の発信」の力を痛感しました。それから時が経ち、会社は3期目を迎え、ありがたいことに素敵なクライアント様のおかげで楽しく生きております。

そんな折、3期目は、実は新規のクライアント様を全てお断りしております。(既存のお客様は引き続き大事に。)その代わりに、心から胸を張れるような、親から孫まで自慢できるような、そんな面白いプロジェクトにフルベットすると決めました。

この東京土産プロジェクト(プロジェクト名:家康、以下家康と呼ぶ)は、その中でも中核を担うものの一つです。

このプロジェクトを立ち上げるにあたり、およそ20人くらいの友人に、先ほど挙げた3点を質問をして、みんなが一様に目を輝かせて「確かに!!」と言ってくれました。

その時に僕は家康プロジェクトの意義を確信したし、もし自分が、いつか10年後に、新幹線で隣の席に乗っている人が自分達が作った東京土産を持っていたら、さぞや鼻が高いだろうと思ったのです。興奮して、その日はお土産のことしか考えられませんでした。

ということで、このnoteでは、そんな家康プロジェクトの概要を説明すると同時に、ぜひ一緒にこのムーブメントを一緒に盛り上げてくれる「文化祭メンバー」を募集したいと思います。お金は当然いりません。別にROM専で構いません。賛同して少しでも興味を持って、Facebookグループのメンバーになってくれるだけで、僕らは嬉しいのです。

特典としては、以前にnoteで書いたような、P&Gで学び起業して磨いてきた生きたマーケティングの実践を、日々のアップデートとして受け取ることが出来ます。社内ミーティングの内容もシェアしますし、ドキュメントなどもシェアしていきます。

マーケティングに興味がある人にとって、それだけでも勉強になったり、もしくは反面教師になったりすると思います。競合の皆様もウェルカムです。(どうせ我々は弱小なのですから、ばれて困ることは特にないです笑)

ビジネスとは本来、最高に楽しい大人の文化祭のようなもののはず!

ということで、はじめましょう!!

東京土産のイシューは何か?

東京ばな奈って東京っぽい?
博多には「めんべぇ」という明太子のお菓子があり、北海道には「じゃがポックル」や「白い恋人」といった、その土地にマッチしたお土産があります。

結果として、そのお土産をもらった人間は、自分が行ったわけでもない土地に思いをはせることが出来ると同時に、「ありがとう」という気持ちになれるわけです。実はお土産は渡す側にも便益があって、お土産を渡すことによって、「有給取っちゃったけどOKだよね!」みたいな免罪符になっています。(あとは、若干のプチ自慢にもなる)

翻って東京です。石井調べによると(客観的ながっつりした調査はまたいずれやりますが)、東京お土産の第一想起ブランドは、堂々の「東京ばな奈」です。次点で、「東京ひよ子」「東京たまご」が続いていきます。

天下の東京ばな奈様

ここでストップしてください。冷静に考えて、バナナって全然東京じゃなくないですか?この問いが、今回の出発点です。

実際に、東京都でバナナは生産されていません。都民がバナナを殊更に消費しているというデータもありません。東京の歴史とバナナが紐づいているという史実も把握していません。つまり、東京とバナナは、名実ともに全くの無関係なのです。

あげる側も全然ベストだと思っているわけではないけど、結局渡すものがないので東京ばな奈を買ってしまう。もらう側も、「またこれか、ぶっちゃけ味もミスドの方が好きなんだけど。。。」と思いながら受け取るしかない。

こんな悲しきお土産をめぐる負の連鎖が起きているのです。せっかく東京に来たからには、後味も良くしたい。

実際に、僕と一緒にプロジェクトの責任者をしている森川は、岐阜の実家に帰るたびに、東京ばな奈を買って帰った結果「もういらない」という冷たい言葉をかけられたことがあるそうです。(実はその笑い話がこのプロジェクトを始めたきっかけだったりもします。)

僕らは、この買い手も貰い手も損をする状況をどうにかしなければならないのではないでしょうか?

東京っぽいお土産といえば?

では東京っぽいお土産には何があるでしょうか?またしても石井調べによると、「雷おこし」や「人形焼」なんかが挙がってきます。雷おこしは浅草の「雷門」という観光名所に由来しますし、人形焼は人形芝居で栄えた人形町にちなんだものになっています。いかにも下町風情にあふれて東京っぽいですね。

だがしかし、問題が2つあります。これら「東京っぽい」お土産は、残念ながら1)味と2)見た目が、令和の貰い手を十分に喜ばせるものになっていません。お土産もプレゼントであり食べ物なので、この二つが満足できるものになっていないのは致命的です。

それも当然、200年以上前からほぼ変わっていない食べ物ですので、現代人の舌にパーフェクトにフィットしないのも無理はないかもしれません。コンビニスイーツはこの10年でも大幅に進化しているのに、200年前から味が変わっていなければ、まぁそりゃー満足できないよね、というのも納得です。

東京っぽく、美味しくて、映えている、お土産がない

ということで、これで東京土産のイシューがはっきりとクリアになりました。以下の3つを満たすようなお土産が、存在していないのです。

  1. 東京っぽいものである

  2. めちゃくちゃ美味しい

  3. 絵が映えている(貰って嬉しく、あげて誇らしい)

逆に言えば、これら3つを満たしてあげるようなものが生み出されれば、それは東京土産になり得る、僕はそう確信しています。

イシューは完全に把握しました。次からは、僕らが実施している市場分析の一部をお見せして、さらに勝算を高めていきましょう。

必要なのは「ていねいなお土産」

お土産、手土産、デザート、おやつ

上で上げている「お土産、手土産、デザート、おやつ」。これらの違いが分かりますか?実は、我々も一番最初に取り掛かろうとしたときに、混乱しました。

とらやの羊羹はお土産ってより手土産って感じだな。
551ってお土産なんだっけ?
八天堂のクリームパンって、どこに分類される?
八つ橋は?地元限定ポテチは、お土産だよね?

我々の脳はあまりにも優秀で、なんとなく、曖昧にこれらの境界線を理解して判断しています。しかし、マーケターとして、新商品を出していこうというときにこの程度のマーケット理解では勝つことはできません。

そこで、我々は日本中にあるあらゆるお菓子をポストイットでホワイトボードに貼っていって、分類し、どのようなファクターで分けているのかを分析したのです。

画像はイメージです


市場構造を完全に理解せよ

結果として、おそらく日本で初めて、「お菓子」をお土産、手土産、デザート、おやつ、に綺麗に分類することに成功しました。横軸に「誰が食べるか?」縦軸に「値段」をとることで、以下のような4象限で考えることが出来ます。

お菓子マーケットの構造
  1. お土産:他者×安い

  2. 手土産:他者×高い

  3. おやつ:自分×安い

  4. デザート:自分×高い

普段何気なく食べているポテチやコンビニスイーツなんかは、言うまでもなく自分や家族が食べる安いものなので、「おやつ」。パティシエのケーキや、八天堂のクリームパン、ステラおばさんなんかは、自分が食べる高いものなので、「デザート」。

とらやは、他者が食べるために買う高いものなので「手土産」。そして、東京ばな奈のような、他者が食べる安いものこそが「お土産」なのです。

新たなジャンル、「ていねいなお土産」を確立せよ

これにて、お菓子市場の構造が大体わかりました。東京土産を作る、というお題は、お土産 or 手土産のどちらかにポジショニングするわけですが、この構造はそのまま「売り方」にも反映されてきます。

「お土産」路線で行くのであれば、基本的には既製品の箱詰めされたものがお土産ショップやコンビニなどに並ぶイメージです。常温保管がベースとなり、賞味期限も長く配荷によるスケールメリットも出しやすい一方で、大量生産の工場製品にせざるを得ず、ブランドを立たせるのは難しい。

「手土産」路線で行くのであれば、自分たちで路面店や駅ナカ店を持って販売していくことになります。冷蔵で保管したり、賞味期限が短かったり、店舗拡大以外に(EC含む)スケールが難しい一方で、味のコントロールや、ブランドの世界観の作り込みには、一日の長があります。

そのどちらも魅力的ですが、第一に思ったのは、「めちゃくちゃ美味しい」くて「めちゃくちゃ貰って嬉しい」ものにしたいということです。そうすると、必然的に、自分たちがやりたいのは「若干の手土産路線なのかな?」と考えました。

一方で、誰もが知る「東京名物」となるためにはそれなりにマスに広がっていかなければならない。また、既に存在しているとらやや、空也もなかと同じポジションを目指す必要もない。

そう考えると、東京に足りていないのは、「お土産以上手土産以下」くらいのポジションなのかな?という仮説を立てています。大阪で言うと551、京都で言うと阿闍梨餅、伊勢でいうと赤福くらいのイメージです。図示すると以下のようなエリアになります。

我々はこの領域のことを「ていねいなお土産」と呼ぶことにしています。「気楽な手土産」でもよかったのですが、やはりお土産という言葉を使いたかったので。

ちなみに、お土産というからには「店舗を持たなければならない」という非常にでかい制約を超えるための販売戦略も既に考えております。こちらは、グループにジョインして頂いたメンバー様に限定で公開していこうかなと考えておりますので、お楽しみにしてください。

ということで、なにはともあれ我々の市場戦略は決まりました。

東京に、東京らしい、ていねいなお土産を作り出す。

なんとワクワクするテーマでしょう。

「東京らしさ」ってなんだ?

「〇〇らしい」の大原則

ここが一番難しいところです。僕たちもまだ研究段階であり、もしかしたら今後仮説を変えていくかもしれません。それほどまでに、人々が〇〇らしい、と感じる仕組みは意外に複雑なのです。

という大前提を置いたうえで、結論から書きたいと思います。

人々が「〇〇らしい」と認めたものが、実際に「〇〇らしい」ものとなる

トンチみたいな話ですが、これが真実。お金や紙幣と近いかもしれません。つまり、ただの紙切れである紙幣も、「人々が価値がある」と思っているから、実際に価値があるものとして取引に利用できるわけですね。

みんなで同じものを信じていることによって、それが真実になる。これは人間が生み出した最も強力なパワーだと思いますが、お土産もこれに近い側面があります。

そして、当然のことながら、人々が認めるために大きな影響力を持つのが「メディア」と「口コミ」です。「メディア」と「口コミ」に取り上げられるようなアングルを作り出し、人々から「東京らしい」と認められ拡散されたときに、その商品は実際に「東京らしくなる」のです。

〇〇らしい、にはどのようなアングルがあるか?

とはいえ、「メディア」と「口コミ」が広がるためには、それ相応の商品的な特徴が必要となります。何の変哲もないポッキーをなんぼ「東京らしいですよね!」と発信したところで、誰も取り上げないし信じないでしょう。

その根拠となるべきものはなんのか?大きく分けると、以下のどれか、もしくはその組み合わせに収斂していると考えています。

  1. その土地で生産されているものを使っている

  2. その土地の「歴史」に関連している / 「発祥」である

  3. その土地の「文化」や「ライフスタイル」を代表している

  4. その土地でしか食べられない(なかった)

もしかするとこれ以外にも〇〇らしさ、の源泉となるような商品特徴はあるのかもしれません。しかし、僕たちの研究では9割方これでカバーできていると考えています。これら特徴が複数個組み合わさっていれば、より「〇〇らしさ」が強まっていくというイメージです。

例えば「博多らしい」のめんべぇや、「北海道らしい」のじゃがポックルは、「1. その土地で生産されているものを使っている」に当てはまります。(実際には明太子やじゃがいもがそこで生産されているか、ではなく、人々からそう思われている、という意味において)

北海道らしさ満開のじゃがポックル

「東京らしい」の雷おこしや人形焼は、「2. その土地の「歴史」に関連している」になります。別にそこで使われている素材や製造方法が東京名物ではありませんが、明確に歴史に紐づいているわけです。(多少3.とオーバーラップしています)

今でこそ流行りすぎて全国に広がってしまいましたが、タピオカミルクティーは当初、「3. その土地の「文化」や「ライフスタイル」を代表している」の観点から東京のアイコンになっていました。若者が集まり新しいものが生まれる、というライフスタイルや文化を象徴する商品だったのです。

最後に、「シンプルにそこにしかない」というのも大きな「〇〇らしさ」を構成する要素となります。551の豚まんがなぜ大阪らしいのか?といえば、もちろん1-3の要素もあるかもしれませんが、それ以上に大阪でしか売られていないことが大きいでしょう。

なぜか大阪を全力で感じる551の豚まん

皆さんも今後何かお土産なり手土産を買う際に、この1-4のどの軸で自分は判断しているのか?というのを考えてみると面白いと思います。

「東京らしさ」を作り出せ

ここまで分かれば、あとは1-4をどのように組み合わせて、「東京らしさ」を作り出していくかです。そのためにも、東京で生産されているもの、東京の歴史・発祥を調べる、文化・ライフスタイルを理解する、などなど、必要なアクションは死ぬほどあります。

これこそまさに、マーケティングで僕が再三再四言っているPOD(Points of Difference 差別化点)を作り出すという作業であり、マーケティングにおいて一番大事なことと考えています。

この図は暗記して下さい

既に私たちの中では勝てる組み合わせの仮説があり、商品の試作に入る段階に来ています。どんなに頭でっかちに話していても、「めちゃくちゃ美味しい」「めちゃくちゃ映える」ものが作れなければ結局は机上の空論。心の底から思っているのは、最後は「死ぬほどいいもの」を作るのが一番のマーケティング投資だと考えています。

ここからどんなものが出来ていくか、それをどうやって作っていくのか、興味がわいた読者さんもいらっしゃるかもしれません。そんなあなたに、次の最終章で、私からのお願い&お誘いがありますので、ぜひご検討下さい!

あなたも家康プロジェクトのFacebookグループに入りませんか?

大人げなくワクワクしようじゃないか

「なぜ誰もが納得する東京土産が作りたいの?」「なぜ石井がやるの?」と聞かれたことがあります。別に自分はお土産スペシャリストでもなければ、なんなら東京出身でもないのですから、当然といえば当然の質問かなと。

答えは、「気付いてしまったから」「ワクワクしたから」です。

自分の人生で、誰もが手に取ったり話題にしたりするものを作るチャンス、そしてそれが世界第三の都市を代表するものであるというスケール感、こんなことは早々現れるものではないと思うのです。

想像して下さい。自分が一から構想したものを、新幹線の隣の席の人が楽しそうに持って帰っている姿を。誰だって興奮するんじゃないの?と思っています。

この熱狂を、同じく東京土産に不満を持っていたり、もしくは少し興味があるくらいでも構わないので、より多くの人と育て、広げていきたい。それが、このnoteを書いた理由です。もし今、これを読んでもたいしてピンと来てなったら、それは僕の努力不足だと思います。テーマは本当に面白いものだと心から信じています。

家康プロジェクトのfacebookグループに入りませんか?

ということで、本noteの締めくくりです。

僕らは、この家康プロジェクトを本格始動しています。P&Gで学び、起業してクライアントに提供してきたマーケティングフレームワークをベースに、自社として真剣に取り組んでいます。

で、そういった社内のミーティングとか、それこそブランド名のアイデア出しとか、試食会とか、パッケージ決めとか、そういうのを、初期の段階から、「東京土産いけてなくない?」って思っている同志と作っていきたいんです。

僕らからすれば純粋に多くの人の意見を聞けるし、いいアイデアもらえるかもしれないし、もしかしたらそこから本当に入社してもらえたりするかもしれない。一緒に作ったメンバーは、愛着を持ってアンバサダーになってもらえるかもしれません!

皆さんからすれば、P&G流をアレンジしている私たちのマーケティングフレームワークや商品開発のフロー、プロジェクト管理を見ることが出来るし、なにより「誰もが知る東京土産」を作ったメンバーになることが出来ます

まだ未定ですが、映画みたいに、パッケージの裏とかECサイトに、初期から関わったメンバーのクレジットを入れたりしたら、エモくないですか?(iPhoneの裏にそんなのが刻まれているって聞いたような気が)

ということで、もしご興味があれば、ぜひ以下のリンクからFacebookグループ「家康プロジェクト」にご参加ください!

当然、お金なんか取らないし、見るだけのROM専も全く問題なしです。願わくば、より多くの人に広げていって、熱狂を外へ外へと向けられればそんなに嬉しいことはありません。

これって一般的にはオンラインサロンだったり、いかんせんクローズな所でやるのが一般的だと思うのです。お金欲しいし、秘密が漏洩しても困るし。

でも僕からすれば、いいものが作れれば別にお金なんて後からいくらでも回収できるわけで、それよりも、僕のこの熱狂をより多くの人と分けながら、本当にいつか振り返ったときに、「マジで東京土産の勢力図変えちゃったよ」と思いながら、ビール飲みたいなと思っています。

僕らは本気です。皆様とお会いできるのを、心からお待ちしています!!

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