社会人が読むべき本ランキング

感染症の大流行のせいで、家にいる時間が長くなっていると思います。確かに退屈ではありますが、せっかくなので朝から晩まで本を読んで、さらなる知識の習得に努めようと思っている今日この頃です。

今日は、おそらく悠に1000冊以上の本を読んできた僕が、読んでおいた方が良いと思う本を紹介したいと思います。基準は、社会人の皆さんが、明日から知っておくだけで仕事に活かせたり、有益だと思うものから選びました。(なので、ただ単に面白い、っていうのは今回は外しています。)

そもそも、なぜ本を読んだ方がいいのか

いきなりランキングに移る前に、そもそもなぜ人は本を読んだ方がいいのかについて、僕なりの意見を纏めてみます。

僕が考える本を読む理由は、以下の二つに集約されます。

1. 人生は短く、他者の経験から学ばないと、その一生のうちに学べることに限界があるから。
2. 文章の形で情報を処理するのが最も速く、正確だから。

究極言うと、本を読むということは、自分ではない他者の経験・発見から学ぶことにあると思います。それはなぜかといえば、人生はあまりに短く、自分の経験だけで賢くなるには限界があるからです。

考えてもみて下さい。仮に自分の経験からしか学べないとしたら、あなたはおそらく簡単な掛け算すらも自分では出来なかったと思うのです。

過去から現在までに続く膨大なまでの様々な人の人生経験を、たったの数時間で読むことが出来る。それが素晴らしいことだと思うのです。そしてそれは、何十億種類もいる生物の中で人間にしか許されていないことなのです。

ちなみに、別にツールは動画や音声でもいいとは思います。ですが僕なりに本の優位性を考えると、まず情報の処理スピードが格段に違うこと。一冊の本の内容を動画にしたらとんでもない時間がかかると思うのです。あとは、正確に理解することが出来ることです。ヒトの記憶はあいまいです。会話の内容なんて、実は1-2割しか頭に入っていないものです。なので、僕は本で学習するというスタイルをお勧めしています。

5位 一度読んだら忘れない世界史の教科書

歴史は年号とか人の名前を覚えるのが目的ではない。古今東西の偉人と呼ばれる人達が、何を考え、その結果としてどのような争いが起きてきたのか。そのストーリーを学ぶことで、同じ過ちを犯さないように賢くなることだと思います。

そういった意味で、本書は最強です。過去の出来事が、なぜ引き起こされたかというストーリーとして頭に入ってきます。年号が一度も出てきません。各地域ごとに一気に過去から近代までのストーリーが展開されるので、歴史が連続したヒューマンドラマとして理解できます。

これを読んで僕が一番思ったことは、為政者たちは常に同じことにおびえ、同じ過ちを繰り返しまくってきたということです。

技術の進歩に伴って、もちろん戦争の形はどんどん変わりました。竹槍でつつきあっていたのが、いまや本気を出せば世界を何回でもぶっ壊せるほどの武器を持っています。

でも、"なぜ争うか”に関しては、笑っちゃうくらい過去から変わっていない。その体系を学べる本書は、歴史関連としてはぶっちぎりのおすすめになります。

4位 アイデアのつくり方

大なり小なり違いはあると思いますが、”アイデア”がある人間の価値は高いと思います。しかし、多くに人は、アイデアを作れるのは生まれながらに才能を持った"アイデアマン"に限定されていると思っていますよね。

本書は、アイデアの作り方を体系的にまとめた世界的に有名な良著です。その特徴は、何より、薄いことです。あとがきまで入れて100ページぐらいしかありません。

"60分で読めるけれど一生あなたを話さない本"という書評は間違っていないと思います。あなたがいまアイデアに飢えている場合、是非読んでみることをおすすめしたいと思います。

僕にとって特に目を開くものだったのは、以下の二つの考え方です。
1. そもそも、アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせでしかない
2. アイデア作成の過程では、意図的にアイデアのことを忘れる時間が必要

全てをここでは書けませんが、ぜひ、手に取ってみて下さい。速い人なら、60分もかからないと思います。

3. USJを劇的に変えた、たった一つの考え方

自分自身がマーケティングをやっているからおすすめする部分も多少はあるますが、本書は必ずしもマーケティングを担当していない方にもおすすめです。

巷に溢れている学術的なマーケティング理論の本とも異なり、それでいてしょうもない"デジタルマーケティング"とか、"SNS集客法"みたいな各論のみに終始している駄作とも完全に異なります。

これを読めば、実践的なマーケティングの考え方は、一流企業にたまっているノウハウと大差無い部分までキャッチアップ出来ると思うのです。(とはいえ、それを実行するのはさらに何倍も難しいのですが。)

実践的なマーケティングとは、顧客を起点にして、企業が抱える売り上げを伸ばすうえでの経営課題を明らかにしていくものだと思うのです。

さらにその話しが、著者の森岡さんの経験談とセットになっているから読み物として純粋に面白い。森岡さんの著書はこのほかにも出ているので、もしマーケティングにより興味がある場合は、他の書籍も併せて読むと、さらに実践的で応用的な部分まで理解できると思います。

2. ザ・ゴールー企業の究極の目的とは何か

本書で最も有名なのは以下の引用だと思います。

ザ・ゴールは約17年も前に米国で出版され,250万部の大ベストセラーになったが,日本を脅威と感じていた著者によって日本語訳が許可されなかったといういわく付きの本である

ということで、2001年に出版されている本書ですが、今でも通用する普遍性を持った内容になっています。僕は、2-3年に一度はふと読み返したくなります。

カンタンにまとめると、企業の究極の目的は儲け続けること。儲けるためには、部分最適ではなく全体最適の実行が不可欠。そのためには、制約=ボトルネックを見つけ、一個ずつ取り除いていくことが大事。というのがキーとなるメッセージです。

それを、物語仕立てで進行しながら教えてくれます。メーカーの工場長であるアレックスが、彼を導くコンサルタント(大学の先生だったかも)のジョナからの質問に答えていきながら、最終的に倒産寸前の工場を再建する話しです。

必ずしも工場勤務でなくても、この全体最適・ボトルネックの発見の理論は十分にあなたの思考の役に立ちます。何の意味があるのか分からない仕事、本質的ではない仕事は、ジョナが言うところの"部分最適"を目指す行動である可能性が高い。そしてそれは、結果として何ら生産的ではなく、むしろ生産性を下げている可能性すらある。。。

全体最適=企業の究極目的である儲け続けること、につながらない行動に対して、問題意識を持つきっかけになると信じています。

1. 坂の上の雲

堂々のおすすめ第一位は、坂の上の雲です。もちろん多くの人がドラマでもご存知の通り、日露戦争での秋山兄弟の活躍をベースに展開される歴史小説なのですが、僕がこの本を社会人にこそビジネス書としておすすめする理由はほかにあります。

それは本書が、戦略と戦術、の違いを最も端的に説明してくれるからです。もっと言うと、戦略上の間違いを戦術の卓越さで取り戻すことは出来ない、という点を再認識させてくれるからです。

ここでいう戦略とは、どの土地を重要地点として攻めるか、や、どんな陣形で海戦に向かうか、といった、そもそも色々ある選択肢からどの作戦を選択するかということです。

一方で戦術とは、ひとりひとりの兵士の士気であったり、船や鉄砲のスペックであったり、攻撃にかける人数であったり、上記の戦略を達成するための方法です。

203高地攻略での大損害は戦略上重要拠点ではない場所に固執した日本軍の愚かさを教えてくれる。日本海海戦におけるかの有名な敵前大回頭は卓越した戦略が当時最強と言われたバルチック艦隊すら破りうることを教えてくれます。

そしてなにより、非常に胸があつくなります。

小説とあなどることなく、だれもが読んだ方がいいと心からお勧めできる一冊です。(実際に、確か経営者がおすすめするビジネス書ランキングで1位になっていた気がします。)

まとめ

1位 坂の上の雲
2位 ザ・ゴール
3位 USJを劇的に変えた、たった一つの考え方
4位 アイデアのつくり方
5位 一度読んだら忘れない世界史の教科書

みなさんもぜひ好きな本がランクインしてみたらスキで教えて下さい!それでは!

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