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深める本、広げる本

電子書籍の企画を出すさいに、従来からの読者層に向けて追加の情報を発信するようなタイプの本と、読者層の拡大をねらうタイプの本の2種類に分けて考えています。

弱小出版者、企画する

出版社でもなければ広告宣伝のための手段もろくに持たない「ぴよまるソフトウェア」としては、「新刊を出すこと=宣伝」です。同人誌にして技術系、という「宣伝」から遠く離れた存在であり、この部分は何らかのブレイクスルーが欲しいところです(切実)。

既刊本が87冊とかいう狂気の発行タイトル数になっているのも、コンスタントに本を出して「読者の方々に忘れられないようにする」ことに気をつけてきた結果、自然に積み上がった数字です。

出版する個人=出版社ならぬ出版者

そんなおかわいらしい存在であるところの「ぴよまるソフトウェア」ですが、年中行なっていることがあります。それは、「新刊の企画」です。

思いついたものをただ本能の赴くままに書き殴っているかのように見られがちなパブリッシング・アニマル的なわれわれですが、ブレーンストーミングを行なって、ああいう企画はどうだ、こういう企画はどうだという話し合いをひんぱんに行なっています。

新規企画の方向性

そのさいに、冒頭でもありましたように「既存読者、ないし相当する人々に向けた本」=「深める本」なのか、「新規読者層を開拓するための本」=「広げる本」なのかを意識して検討します。

新規読者層の開拓を行わないと先細りになることは明らかなので、「広げる本」は定期的に行なっていく必要性を感じます。ゲーム系の本を書いたからといって、それを他のゲームにまで広げるというほどゲームもやっていませんし。日常的にプレイしているのも、気分転換のためにボンバーマン、ぐらい?

ただ、「広げる本」は相手が「こういう本が欲しい」と言ってくださるわけではないので、「多分、こんな感じではないか?」「こういう味付けだといいんじゃないか」という「仮説」のもとに作ることになります。

「広げる本」はあまり成功しないことが多いので、そればかり作っていると「売れない本」の作成に時間を取られる、という危機的な状況に陥ります。適度に、既存読者層に向けた「深める本」を出してバランスを取る必要もあるでしょう。

結果として、「広げる本」は比較的初心者向けということになり、「深める本」はマニアックで高度な内容のものになりがちです。

直近の広げる本の企画

既刊本のうち、「広げる本」として企画・作成した電子書籍

いまちょうど企画を練っているのが、「ドリル式問題集」です。

既存の本を完コピしてシミュレーション用に作ってみた表紙。ドリル式問題集

デザインは、他人が作った既存の本を真似て作っただけなので、ここからは変わります。まだ、表紙だけのモックアップの状態です。

さらに情報量を減らしてみた。こんなかんじ?

プログラミングにはこれといった「正解」はないのですが、ごくごく状況や問題を限定することで、QとAが明確に存在する「ドリル」を提案。これに解答できることで、上達を実感してもらおうという内容です。

あまりボリウムが増えてしまっては、挫折しやすくなってしまうので、適度な分量(100ページ以下)を目指したいところです。自分は書き出すと止まらなり、300ページ以下の本を作ることに苦痛を覚えてしまうタチなので、自制心が必要です。

直近の深める本の企画

既刊本のうち、「深める本」として企画・作成した電子書籍

ドリルと似た見た目になっていますが、「スクリプト用例集」というものを企画しています。

企画中の「スクリプティング用例集」。深める本。デザインも微調整してこんな感じかも。

既刊本でKeynoteとかSafari、ミュージックやFileMaker Proといった特大ボリウムの機能を持つアプリのスクリプトの書き方=自動化や機能拡張のやり方を基礎から上級レベルまで説明するものがあります。

めぼしいものについては手をつけてしまったので、OS標準搭載のAppleScript対応アプリのサンプルスクリプトを紹介する本を書いてみるとよいだろうかと考えています。

これらのシリーズを書き進めると、ぴよまるソフトウェアの既刊本の数が100冊をかるく超えてしまいそうですが、そういうものなんでしょう。

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