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とある男女の会話

「もーいーくーつねーるとーおーしょうがつー」
「もう、年明けてるぞ」
「まだ寝てないからお正月じゃないんだな」
「アホ、紅白見て、ゆく年くる年見て、除夜の鐘聞いただろ。ほら、あけましておめでとうございます」
「むぅ」
「何が、むぅ、だ。ほら、ちゃんと言えって。こういうのは形から入らないと」
「……あけましておめでとうございます」
「はい、よく出来ました。今年の抱負は?」
「美味しいものをたくさん食べる!」
「……お前らしい答えだ」
「何か文句あんの?」
「いんや」
「じゃあそういうそっちはどうなのよ」
「んー……公私共に充実させることかな」
「出た出た、そういう真面目なやつ。誰得? もしかして真面目キャラで売りたいの?ぶふっ」
「何その深夜のダメ出し。辛いんですけど」
「もっと力を抜いてさー、楽しく行こうよ。気楽にさ」
「お前は気楽す……なんでもないです。ん、何、蜜柑食べたいの?はいよ」
「ありがと。やっぱりコタツに蜜柑は鉄板だよね。あ、鉄板焼き食べたい」
「また食べ物かよ。明日はお節だろ」
「お節!頑張って作ったよー!」
「昨日朝から仕込んでたもんな」
「今年のは!自信作!」
「お、それは期待だな。どうする、もう寝るか?明日も朝早いだろ」
「そうだねー。そろそろ寝ようかな。……ねぇ」
「ん?」
「えっと、今年もよろしくお願いします」
「こちらこそ、今年もよろしくお願いします」

いつも読んでいただきありがとうございます。 小説は娯楽です。日々の忙しさの隙間を埋める娯楽を書いていけたらと思います。応援いただけたら本を買い、次作の糧にします。