見出し画像

あの日もこの日もいまも、すべて。

あれからもう一か月半が過ぎました。もう少しで二か月です。

こんな風にまあまあ穏やかな気持ちで綴ることが出来ていること、それも本来奇跡的なことなのでしょう。

退院して数日経ち、現在は元の場所で過ごしています。

こうやって脱出できたいまは「終わり良ければ全て良し」の頭になっているのだけど、実際の入院生活は後半になると辛かったです。

"脱出”なんて一人よがりの言葉で、元を辿れば自分が門を叩いたようなものです。

誰かに手伝ってもらわなければいけない環境に身を置いたのも、自分の体をそうさせたのも、全て自分。

主治医の先生も、たくさんの看護師さんも、一番の理解者だったリハビリの担当者さんも、全てが私のその日々を支えてくれた方々。

何でも一人でやりたがる自分、

物が落ちたら拾えない、ちょっとしたあそこに簡単に行くことができない、つかいたい部位を動かすことが出来ない。

範囲が狭まり、無力さを感じずにはいられない。

心でイラつきながらも、頭では見える光景が全てだと理解できていた。

当たり前すぎる、って思うし疑う余地もない。

現実は受け止められていた。受け止めたうえでまた何かを脱ぎ捨て、改めて自分の心が透けないように色付きのカバーをかけて、知らないふりをして過ごしていた。

恐らく。何かを感じとることが無いよう、そんな感じで。

割と続いた方だった。ある意味集中するものを見つけたから、それにほとんどの時間を注ぎ込んだ。途中飽き気味ではあったものの。

でも段々と、いや割と突然に、スイッチが入った。

何かが切れた。涙が止まらない。

悲しさではない。

過去や現在、未来について思い浮かべていた膨大な考えや避けられなかった気持ちが絡み合い、そして現状の生活の中で知らぬ間に感じていた小さな不満や不安が蓄積し、爆発したのだろう。

一言で言えばストレスだ。

あーストレス、 

そうストレス。

よく分からないけど集団生活を全うし、よく分からないけど年齢の差が大きい方々と比較的良好な関係を築き上げ、看護師さんにも気を遣わせないよう明るく過ごし、自分で自分の入院生活を確立し、

よく分からないけどそうやって日々をこなしたいった。過ごした。

限界が来た。

いまなら限界と言わずとも90%くらいのレベルだったのではと思うが、その残りの10%はすぐに満たされ100%を超えてしまうということを、自分の頭が分かっていたのだろう。

とはいえ心が頭を超えてくれて何よりだった。

誰かが悪いわけでも無いのだが、一人になりたくてもなることはできないという状況は中々きつく、そしてそんな苛立つ自分を見せたくもないのに見せてしまうことになるこの環境に余計不満を募らせ、何が何だか後半はもう分からなくなっていった。 ここ何年も無かった大きなニキビも額に出現し、明らかなストレスが体にも現れた。

誰も悪くない、誰のせいでもない。

苛立つ自分、大嫌いだった。

そして諦めた。諦めるしか、方法が無かった。

諦めたぶん、明らかに変わった。

明るく振舞ってた自分、どこかに行きました。

職業柄演じられる自分がいたけど、やはりその時はまだ仕事人間、社会人として入院生活も過ごしていた。

自分でも思うが、おばあちゃん方に対しては看護師さんと同じ立場に立っているつもりで接していた。

でも思えば私患者じゃん、と諦めてからは開き直っていた。

そういうところが、その切り替えが、あっさりしていて、そして何より未熟だと思う。

0か100。

同じように言う人がいるけれども、私もその一人で、

本当に下手くそだと思った。馬鹿みたいだね、って何度も、いまでも、いつまでも私は私に唱えているのだろうと、そう思う。

そんなこんながあり、よく分からない涙を見せてしまったことで少しメンタルの心配をされてしまい、これはまずいと思ったため残りの日々は少しずつ心身の健康的な姿を見せていくことで退院が遠のく状況を払拭&明るい様子で信頼を取り戻し、なんだかんだで症状についてのOKサインもおねだり形式で獲得しに行くことで、(鼻で笑ってください)退院を無事に勝ち取りました。  とてもうざいですね、はい…。笑

考えたことは、たくさんある。

想像が、回顧が、止まない。

過去を、考えないようにしていた一場面を、思い出した。

思い出せるんだと、自分でも驚いた。

目を閉じていると、知らないフリしていた過去が何個か出てきた。

知ってたんだ、って思ったよ。

大人になったいまの自分は決して立派なものではないと思うけれども、何だか、何というか、あの頃は本当に自分の思いに気付かないようにしていたことがたくさんあったな、と感じざるを得なかった。

今更しっかりと思い返したことで悲しい気持ちにもその時はなったけど、少し新鮮だった。

あの目を閉じた時間、いまでしか、きっと考えることも、思い出すこともできなかったような気がしている。

この入院生活が、人生において最大な出来事という訳でもない。

それぐらいに思った方がいいことのような気がするけど、なぜだか思えない。

noteに綴ることはたくさんあるのに、書こうとする気持ちにあまりならなかった。

まあまだ治療は終わってないからというのもあるのだけれども。

今日はもう遅いので、ここまで。

みんな好きだよ、おやすみ。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?