20年代K-POPアイドルのコンセプトをおさらいしてみた
次々に新しいグループが現れてはシーンを席巻するK-POPアイドルグループ。その裏にあるのは斬新で強固なプロダクション。各グループのコンセプトは、楽曲、アウトフィット、MV、ライブパフォーマンス、ファンダムの全てを貫き、そのアイドルにしか出せない独自の魅力を放っている。
以下に、2020年代以降の韓国ガールズグループのコンセプト・ファンダムについてまとめる。
K-POPガールズグループ
STAYC
2020年11月12日、High Upエンターテイメントよりデビュー。
グループ名であるSTAYCは、デビューアルバム名にもなっている「Star To A Young Culture」の略であり、『若い文化を導くスターになる』という意味が込められている。
ファンダム名はSWITH。「STAYCのそばにずっと留まる（Stay with）」と「STAYCといつも一緒にいる人（STAYC with）」と「STAYCだけの甘くて愛らしいファン（SWEET）」の3つの意味が込められている。
aespa
2020年11月17日、SMエンタテイメントよりデビュー。
グループ名であるaespa(エスパ)は、“Avatar X Experience”を表現した「æ」と、両面という意味の英単語「aspect」を結合して作られている。
「自分のもう一人の自我であるアバターに出会い、新しい世界を経験する」という世界観をベースにしている。
現実世界の『aespa』のメンバーは仮想世界の「もう一人の自分」であるアバター『ae-aespa(アイ-エスパ)』と‘SYNK’を通じてお互いリンクする。それぞれの名前は『ae-KARINA』、『ae-WINTER』、『ae-GISELLE』、『ae-NINGNING』である。
ファンダム名はMY。英語で『私の大切な友達』を意味する「my precious friends」に由来しており、仮想世界で『最も大切な存在』を表す言葉である。
IVE
2021年12月1日、STARSHIPエンターテインメントからデビュー。
グループ名のIVEには、“成長型グループ”のストーリーではなく、“完成型のガールズグループ”として、「I HAVE＝IVE」という意味の中で、「私、そして私たちが持っているもの」を、IVEらしい堂々とした姿で見せるという決意が込められている。
ファンダム名はDIVE。
キャッチフレーズは「DIVE INTO IVE!」
kep1er
2022年1月3日、WAKEONEよりデビュー。
グループ名であるKep1erは、夢をつかむことを意味する"Kep"、1つになり最高になるという意味の"1"を組み合わせたものである。
ファンダム名はKep1ian（ケプリアン）。
デビューから2年6ヶ月の期間限定での活動が予定されている。
NMIXX
2022年2月22日、JYPエンターテインメントよりデビュー。
グループ名であるNMIXXは、「now」「new」「next」、未知数「n」を意味する文字「N」と、「組み合わせ」や「多様性」を象徴する単語「MIX」の合成語で、「新しい時代を担う最上の組み合わせ」という意味を持っている。
ファンダム名はNSWER（エンサー）。先述の「N」に「ANSWER」を組み合わせた造語。また、「North ･ South ･ West ･ East ･ Route」の頭文字を取った名前でもあり、道に迷ったとしてもファンと共に道を見つけ出して進んでいくという意味が込められている。
LE SSERAFIM
2022年5月2日、HYBEの傘下レーベルであるSOURCE MUSICよりデビュー。
グループ名であるLE SSERAFIMは「IM FEARLESS」をアナグラムさせた名前で、世間からの視線に惑わされずに恐れることなく、前に進んでいくという強い意志が込められている。また、ヘブライ語で熾天使を意味する。
ファンダム名はFEARNOT（ピオナ）。『恐れることなく前に進むLE SSERAFIMと、それを応援する恐れ知らずのファンが一緒に集まることで、すべての瞬間が新しく咲き始める(피어난다)という意味が込められている。
NewJeans
2022年7月22日、HYBEのミン・ヒジンが新たに設立したADORよりデビュー。
グループ名であるNewJeansは、ファッションアイテムであるジーンズに由来し、プロデューサーであるミン・ヒジンは『大衆音楽は服と同じく、日常生活に至近距離で寄り添う文化であり、特にジーンズは時代を問わずに老若男女に愛されてきたファッションアイテムである。NewJeansにはそんな毎日つい手に取ってしまう、いつ穿いても飽きないジーンズのような時代のアイコンになるという抱負が込められている』と語っている。また、New Genes（遺伝子）になるという覚悟も込められている。
ファンダム名は彼女たちのアイコンでもある「うさぎ」を意味するBunnies（バニーズ）。うさぎの友達はうさぎ、つまりファンは友達という意味合いが込められている。
FIFTY FIFTY
2022年11月14日、ATTRAKTよりデビュー。
グループ名であるFIFTY FIFTYは、人生で選ばなければならない二つの道、現実世界と理想世界、その間をある時は時間と空間を超えて行き来する50対50、そのような意味が込められている。
ファンダム名はHUNNIES（ハニーズ）。
日本のアイドル
AKB48
「会いに行けるアイドル」
でんぱ組.inc
「萌えキュンソングを世界にお届け」（キャッチコピー）
BiSH
BiSHは、「Brand-new idol SHiT」（新生クソアイドル）の略。
肩書きは、「楽器を持たないアイドル・パンク・バンド」（メジャーデビュー以降）
ファンダム名は「清掃員」（クソを掃除する者）。
ももいろクローバーZ
2008年5月17日結成。「ピュアな女の子が、幸せを運びたい」という意味が名前に込められている。
ファンダム名は「モノノフ」
水着などの露出度の高い衣装は着ず、握手会などの接触イベントも2012年以降行わない。軸はライブ。「『疑似恋愛の対象』というよりも『キャラ性と人間性の魅力に浸り、語り合える対象』になっている」（経済産業省情報分析官の境真良）
まとめ
コンセプトや名前に込められた意味を知った上で楽曲・MV・衣装に触れると感じ方・見え方も新しくなり、グループへの解像度を上げて楽しむことができるのではなかろうか。
特に大きな事務所は、一つのアイドルには一つの使命を与え、ファンには”着いて来させる”気概のようなものを感じた。
aespaとLE SSERAFIMのそれは特に際立っている。
aespaはSMだからこそできる実験的なコンセプトとファンダムの大きさを感じる。
LE SSERAFIMは、BLACKPINKを代表とする第三世代のアイドルがそれまでのセクシーさを内包した女性的なアイドル像に、自然体の自信やセルフケアの価値観を反映させた流れを背景にして、他者の視線よりも「私がどう思うか」ということを重きに置いて、FEARLESS（恐れず）に、ANTIFRAGILE（壊れにくい）自己を打ち出していくという時代の潮流に乗ったコンセプトである。
NewJeansには、これまでSMエンタテイメントで少女時代、SHINee、EXO等のアートディレクションを担当してきたミン・ヒジンイズムが隅々まで行き渡っている印象を受ける。「コンセプトの職人」とも呼ばれる彼女は、NewJeansデビューに先駆けレーベルを立ち上げ、専属のスタイリストを付けるなど細部までこだわり、第四世代を代表する、或いは第五世代の幕に手をかける全く新しいアイドル像を作ることに成功している。どこか懐かしさの漂うY2Kリバイバルを確立させつつ、色やアイテムの組み合わせにはハッとさせられる新しさがある。”OMG”のアウトフィットで見せた往年のアイドルのオマージュ（？）のバッグスタイルなど、過去のものをさりげなく取り入れてはNewJeans流にアレンジすることにことごとく成功している。緻密で計算し尽くされたディレクションが鼻につかないのは、5人のメンバーが持つ”自然”なあどけなさのためであろう。
アナグラムやダブルミーニングは「考えついた時気持ちええんやろな〜」、「いやいや後付けちゃうん？」と思うものもあるが、LE SSERAFIMのそれは相互に繋がりがあって見事。
【参考文献】
・Wikipedia
・Kstyle “IZ*ONE出身＆日本人所属”IVE、12月1日にデビュー決定！カミングスーンイメージを公開
・スポーツソウル TWICEやITZYの妹分！超絶ビジュアルでも注目集めたJYP新ガールズグループの名前は「NMIXX」
・SMエンタテイメント公式サイト
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