花が印象的な映画 | APRIL | 12Months Movie
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花が印象的な映画 | APRIL | 12Months Movie

毎月、その月に合わせたモチーフが印象的な映画を、映画好きのイラストレーター3人が12ヶ月間に渡ってご紹介する「12Months Movie

数ヶ月前から3人で集まって企画を練り始め、ついにお披露目することができる記念すべき第1回目は、4月の春らしくお花が印象的な映画を、1人1作品ピックアップしました!

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ビッグ・フィッシュ (2003) 

監督 /  ティム・バートン

yuki  : 自分の人生を冒険活劇のように語るエドワード(アルバート・フィニー/回想:ユアン・マクレガー)は、みんなの人気者。そんなエドワードの息子・ウィル(ビリー・クラダップ)も、小さな頃は父が大好きだったけど、大人になるに連れて父の話は全て大げさな作り話だと気づいてしまう。ウィルが結婚して実家を出てから疎遠になってしまうが、父が倒れたと聞いてウィルは久しぶりに実家に帰省する。そこで初めて知る、作り話の中の主人公の父ではない、父の本当の姿とは?

父親の病状の深刻さと父と子の溝の深さを感じさせる静かな現実シーンと、華やかでファンタジー全開な回想のシーンの差がとっても面白い映画なんですが、中でもポスターにも使用されている一面のお花畑が出てくる回想シーンはとても印象的。映画の中で、現実シーンではどうだったのかは描かれていませんが、もしもこの『一面の花畑』が、現実では『100本の花束』だったとしても、2人の美しい思い出を大げさに語るのは、『悪い嘘』ではなく『温かなホラ話』。自分の人生はちっぽけでつまらないって思っているよりも、小さなことでも面白おかしく捉えることができたら、全然ちっぽけなんかじゃないかもしれない。エドワードのホラ話には、人生をポジティブに生きるためにヒントが詰まっています。

Eika : 公開時に映画館で観たのを覚えてる!当時、オビ・ワン役だったりムーラン・ルージュのヒットでユアン・マクレガーに夢中だったお友達と行ったな〜
丸ゐン丸 : 映画好きなら通らねばと思いつつ観れてない…!イラストのおかげで観る決心がついた!


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ブロークン・フラワーズ (2005) 

監督 /  ジム・ジャームッシュ

Eika  : ビル・マーレイ演じる主人公のドン・ジョンストン(ジョン「スト」ン)宛てにある日届いた差出人不明のピンクの手紙。それはおそらく彼の元カノからで、ドンについてある衝撃の事実が書かれていました。ところが数多くいる過去のガールフレンドたちの誰から届いたのか検討もつかないドンは、特に何もしようとは思わず…そこに事情を知ったジェフェリー・ライト演じる陽気な隣人、ウィンストンの熱心な説得と協力により、可能性のある女性たちを尋ねる旅に出ることになります。自分のことなのに非常に面倒そうに、しかしウィンストンの指示通りに花束を抱えてその女性たちに会いに行く珍妙なロードムービーです。

とにかくビル・マーレイの気の進まない様子が面白い。いつも同じ顔をしている。彼が再会する元カノたちのさまざまな人生、そしてバラエティに富んだ反応がみどころです。しかしドンの一貫とした女性の好みも伺えて、なんでこんなオジサンが…という印象から、なんとなく人生を女性へと捧げてきた彼なりの情熱みたいなものも伝わってきます。思っていたようなことが次々と鈍く方向転換する中、再会のお手伝いをするお花はいつだって美しくシーンを彩ります。

丸ゐン丸 : ジム・ジャームッシュのオフビートで人物を魅力的に見せる力が本当にすごい。「デッド・ドント・ダイ」(2019)はその集大成だと改めて思う。
yuki : まさに、なぜこんなにモテたのか?でもなぜ結婚しなかったのか、ということばかり考えて観ていた。笑 元彼がお花を持って訪問してきたら、自分は何を言うか考えるものまた面白い!


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1917 命をかけた伝令(2019)

監督 /  サム・メンデス

丸ゐン丸  :イギリス兵として従軍するスコフィールド(ジョージ・マッケイ)は友人のブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)と共に上官から命を受け、敵陣へと歩みを進めていく。屋外なのに閉塞感を感じさせるカメラワークで最後まで緊張感を継続させてくれる。とある人物が亡くなった時、右手の前には地面から一輪の花が咲いていたりと、画面に映る花々はいずれも重要なシーンで配置されている、撮影・色彩設計としてみても素晴らしい作品。

「全編ワンカット」というキャッチコピーやオスカーでの高評価に期待を膨らませ鑑賞して度肝を抜かれた人は沢山いたと思う。それは良くも悪くも。単純に言わせれば「ワンカットではない」だが、重要なのはそこではないことに驚く。サム・メンデス監督は前作「007 スペクター」(2015)の鮮烈なワンカットオープニングで得た経験を「リアリティある戦争映画」ではなく、「観客を戦場の中を歩かせる」ことに使った。ついさっきまでいた仲間の命が一瞬で消える、そこはまさに1917年の前線。絵画の人物のような顔立ちのジョージ・マッケイが選ばれた理由は、ギリシャ神話のステュクス川をイメージしたというこの川のシーンで、「あの顔」をするためだと感じた。1917を観る方はぜひ「花のシーン」に注目すると、さらに奥深く観れるかもしれません。

Eika : チェリーの花が出てくるシーンは忘れられない!この川のシーンは本当にきれいで、ミレーのオフィーリアを思い出しました。
yuki : 下を見ると絶望しかないけど、上には希望が広がっていてとても救われたシーン。この感想を読んで、また観たくなった!


来月は駅がモチーフの映画をご紹介します!毎月12日に更新しますので、ぜひお楽しみに!

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毎月、その月に合わせたモチーフが印象的な映画を、映画好きのイラストレーターの3人が12ヶ月間に渡ってご紹介します。