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「おれはひとりの修羅なのだ」

こんにちは、ジュウニカゲツです。

「おれはひとりの修羅なのだ」
なかなかインパクトのある文章が書かれているマスキングテープが入荷しました。

これは、雑貨デザイナーのShinzi Katoh(シンジ カトウ)さんが宮沢賢治の作品世界を幻想的に描いた「宮沢賢治幻燈館」シリーズのマスキングテープです。宮沢賢治の「春と修羅」の原文から一節が引用されていて、絵本をみている様です。

さて、この「春と修羅」ですが、賢治が発表した詩集(心情スケッチ)『春と修羅」に収録されています。
修羅とは阿修羅のことで、元々は古代インドの神様で、仏教にも取り入れられています。天界に住んでいましたが帝釈天との戦いに敗れて海底に逃げ込みました。
解釈は色々あるかと思いますが、「阿修羅」に落ちてしまった自分がどうやって天上世界に戻ることができるのか、と言う風に読み取ることもできるそうです。

まことのことばはうしなはれ
 雲はちぎれてそらをとぶ
  ああかがやきの四月の底を
   はぎしり燃えてゆききする
    おれはひとりの修羅なのだ
     ーーーーー「春と修羅」より抜粋

マスキングテープには、炎のような形のサイプレス(糸杉=セイヨウヒノキ)も描かれていますが、原文にも修羅である自分自身として登場します。修羅の怒りの炎を表しているのが「ひのき」だとも言えるそうです。また、賢治は別の短歌でもひのきを魔王にも菩薩にも見えると表現してます。修羅に堕ちている自分の姿を表しているのと同時に菩薩になれる可能性を秘めていると言えます。

あたらしくそらに息つけば
ほの白く肺はちぢまり
(このからだそらのみじんにちらばれ)
いてふのこずゑまたひかり
ZYPRESSEN  いよいよ黒く
雲の火ばなは降りそそぐ
 ーーーーーーーーーーー「春と修羅」より抜粋

修羅が天界に戻れたのかは書かれていません。もしかしたら、賢治の他の作品に答えが描かれているかもしれませんね。

この「春と修羅」は青空文庫(インターネットの電子図書館)でも全文が公開されていますので、よかったらご一読ください。

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ジュウニカゲツ
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