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笑いのカイブツ

せり丸です。読書会をやっておきながら、実は本を1冊読むことは少ないです。概要と100ページくらい読んでいたら次の本に手を出しているからなんですが、今回は珍しく全部読むことができました。

いい本かどうかはわかりませんが、主人公の臨場が伝わってくるような本がこちらでした

著者はツチヤタカユキという通称ハガキ職人の人です。

僕はテレビを見ないのですが、テレビでも有名な人です!(多分)

ストーリーとしては、

ツチヤタカユキさん(主人公)がお笑いに没頭していき、やがて人生に絶望していくというのが大まかなストーリーです。

本人のドキュメンタリーなので臨場感とリアリティーが伝わってくる上に、彼は本の中で何度が死ぬ覚悟とどこで死のうかを考えたりしていて、

『こいつやべえな』とか思わされるのですが、

彼みたいな一つの分野に没頭してしまうタイプは、社会には溶け込むことはできない、というのも感じることができます。

まずやばいポイントとしては、1日で考えるボケの数が2000を超えるところです、1日で大学ノート1冊を使い切るほどボケを考えます。

インプット量も半端じゃありません、お金がなさすぎて図書館に篭ることが多かったのですが、図書館にある本はだいたい読んだそうです。

お笑いについてかなり分析をする人で、テレビでやっている漫才や他の人が考えたお笑いの資料は徹底的に分析してパターンを言語化して自分に落とし込むそうです。

やがて、ラジオで募集される『大喜利』の懸賞を総なめしていき、ハガキ職人の異名を得ることになります。

しかし、彼は極度のコミ症でした

彼は何度がバイトを経験するのですが、そこで円滑にコミニケーションを取れないが故に仕事がなくなったり、職場の人からいじめられたりと、はぐれものは働きにくいのだなと感じさせる背景もありました。

彼はうちに秘めたお笑いへの情熱は最初はすごいあって、『お笑いがなくなったら俺は生きる価値あらへん』

という描写が印象的です、しかし、お笑いで挫折してしまい、絶望し死ぬことを決めてしまいます。

ツチヤさんは行動力がやばいので、自分の限界までやり抜けるし、没頭して人間の未知の領域まで行ってしまった人だと僕は思うのですが、それでも評価されなければお金が入ってこないし、生き辛い世の中なんだと感じられました。

お笑いに身を置く人は意外にストイックで、誰よりも自分に厳しく、意外に言語化が上手い人が多いなと感じました。

ツチヤさんの文章を読んでいると、『なんて綺麗な文を書くんだ』と思うくらい、言葉について考えている人は扱いが上手いです。

平凡な日常に嘆いている人は是非読んで見れば良いです、結構面白いです。

PS.どうでもいい情報だけども、著者 本田健さんは実は5人くらいで作っている作品だそう。架空の人物なので”ほんだけ”→本田健になったそうな。

本ですら誰が書いているかわからないので、自分で考える要素も必要ですね!

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