息子は前世モーレツ社員だったかもしれない

息子は電車や車といった車輪がついているものが大好きである。絵本やYoutube動画も、おもちゃも電車と自動車関連。線路脇で電車をながめたり、すれ違う車のメーカーと車種を覚えたりと四六時中息子のオタ活は忙しい。
そんな息子が3歳の頃、「僕はJRに乗って東京の会社で仕事してたんだ」と言った。
電車が好きだからJRは知っていたにしろ設定がリアルすぎる。郊外から通勤していたのだろうか。
何の仕事してたの?と聞くと、「勉強とかパワーとか考えたこととか色んな事して働いてたの」だそうだ。
企画か研究だろうか。
また、私が海外のインテリア雑誌を読んでいた時は、「僕が会社の時青いおうちに住んでたんだよ。僕が昔の時。」と口を挟んでいた。海外赴任もあったのだろうか。
ある時は息子がご飯を食べ終わったあと、ニコニコと両手を合わせ小声でごちそうさまと言いながら2回合掌した手を前後に小さく振った。
昼休憩に食堂で定食を食べ終わった時のおじさんのような慣れた所作だ。
息子の前世像をまとめると、郊外から都内にJRで通勤し時には海外赴任もある…時代的にいわゆるモーレツ社員だったのかもしれない。もしかしたら電車か自動車の製造メーカーにいたかもしれないし、それは趣味として仕事を頑張っていたのかもしれない。
妙にリアリティのある人物像である。

「あーもう仕事疲れちゃった」私がふと息子の前でこぼした独り言を聞き、「仕事なんて疲れるでしょたいがいー疲れたら休めばいいんだから休みなー」と5歳とは思えない返事をされた。モーレツ社員じゃなかったのかもしれない。私は後輩なのかもしれない。
息子に今世も幸せを与えようと誓う週末の夕べである。

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