感情を無にする

「コロナ禍」と言われ、外出自粛が騒がれる世の中になった。今は半年前よりも少しくらいはマシになっているのかもしれないが。

自分のやりたいことが自由にできない。実家に帰れない。旅行もできない。遊べない。会いたい人にも会えない。そんな毎日を早くこんな日々が終わらないかと思いながら過ごす。

そんな思いとは裏腹に、SNSを開けば知り合い、もしくは会ったこともない人が街へ出て遊び、会いたい人に会い、廃れてしまった観光業を活性化させるためにGOTOキャンペーンが開始された。

そんな情報を見るたびに苛立ちを覚える日々。会いたい人にも会わず、外出自粛をする私が間違っているのか。自分がコロナになる、ならないではなく、自分がもし感染源になった場合に、誰かに移してしまうという可能性がある場合に、人殺しをしたくないと思う私が間違っているのか。いや、でもみんなコロナコロナと騒がず、遊んでいるのだからきっと私が気にしすぎているのだろう。私が間違っているのだろう。そう思うようになった。

感情を無にするのが得意になった。

SNSで友達が遊んでいるのを見たとき、自分は若いしコロナにかかっても症状でないし大丈夫と言っているのを聞いたとき。疑問や苛立ちを覚えるのではなく、感情を無にしてやりすごす。「間違っている」とも「そうだよね」とも思わず、ただ何も考えず、やりすごす。

でも時々、とてつもなく寂しくなってひとりで泣いてしまうのだから、本当は私は悔しくてたまらないんだろうな。

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