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オランダのAmsterdam旅行 (後編) ~2021秋~

10月初旬に出かけたオランダ、アムステルダム旅行の後編です。
前編の記事ではアムステルダム市内の紹介をしましたが、今回は市外の観光地を三箇所(私が行ったところだけ)紹介します。
(1) 風車小屋のザーンダム (Zaandam)
(2) 古都ハールレム (Haarlrem)
(3) 王宮都市デンハーグ (Den Haag)

になります。なんならアムステルダムよりいいんじゃないかしら?って思っちゃいました。アムステルダムで働くならハールレムか市内の西側に家を借りたいな、とも思いました。

(1) 風車小屋のザーンダム (Zaandam)

結論を先に言うと、想像以上によかったです!
事前に写真やら動画やらを見ている限りでは、田んぼにポツンと風車が建ってるだけじゃないかと恐れていましたが(そんなことはありましたけど)、実物にはそれ以上の良さがありました!
百聞は一見にしかず、ではないですが来てみないとわからない趣きがありましたね。アムステルダム(都会)を観光した後に訪れたことが、その良さを強調してくれたのかもしれません。アムステルダム滞在が2日だと厳しいかもしれませんが、3-4日あるなら強くお勧めします。半日あれば楽しめます。

行き方

中央駅から電車、バス、フェリーがでてます。私は往路バス(40-50分)、復路フェリー(80-90分)を利用しました。バス(391番)は15分おきくらいで来る(駅舎の中の北側がバス乗り場)ので適当で大丈夫ですが、フェリーはあんまりこないので時間厳守です。フェリー乗り場は駅の外の北側にあり、近郊フェリー乗り場のさらに西側の奥の隠れた所にあります。フェリーは乗り換えが必要で、その際に結構歩きますが、誰かが教えてくれるので何とかなります。英語が喋れなくても他の乗客の後ろをついていけばいいからやっぱり何とかなります。

Zaanse Schansに到着するフェリーは川沿いの観光地の真ん中くらい、バス停は南にある歴史美術館(後述)の近くにとまります。またフェリーは10月以降の冬期間は週末しか運行していないのでご注意を。

遊び方

運河沿いをのんびり歩いて、途中に点在する風車小屋に適宜お邪魔してへ~ってするのがいいと思います。最初と最後に小さな博物館があり、風車小屋含めて地味に有料なんですけど、前回の記事で紹介したAmsterdam cardを持っていたので、ほぼ全て無料で入場できました。フェリーも無料です。 

歴史博物館

まずは挨拶がてら博物館へ。こちらではザーンダムの産業の変遷などが紹介されてました。またこの運河沿いを描いた絵画やチョコレート工場の跡地を見学できます。そうなんですよ、バス停をおりたときからカカオの匂いがしてたんですよね~。

散歩

その後は北西へ歩いていくことになりますが、その際に狭い区画に羊やら山羊さんが放牧されてます。どんどん景色が開けてきてテンションがあがります。靴屋さんやらチーズ屋さんが登場し、なんてことだ~!ってなりました。どこもかしこもムッチャかわいいです。

私のカメラがしょぼいのと天気が悪いから写真はイマイチですけど、とても雰囲気のある場所でした。

そして、こちらが風車。う~ん天気が・・

風車小屋のひとつが木材加工会社で丁度これから風車の力で木材を切る作業を見学できました。なんかこれ以上写真や言葉を書いても良さが伝わらない気がするので、この辺でやめます。
いい所でした!是非!

(2) 古都ハールレム (Haarlem)

頭に何をつけようか迷ってgoogleさんでカンニングしたら“古都“と出てきて、確かに!と納得してしまいました。旧市街での家の形状やらはアムステルダムと同じタイプなんですが、小さい街ならではの落ち着きと親近感に溢れてました。都会だと結局誰のものでもないから冷たい感じになってしまいますが、こういう田舎だとオラが街になって住民の地元愛が溢れているように感じました。私の住んでる街もそこそこ田舎の都会で、何もないけどいい所なんで同じ雰囲気を感じました。負けてますけどね。。閑話休題。
アムステルダムの西の駅(Amsterdam Sloterdijk)近くからバス80番が出ており、それに乗ってピヨッとハールレムへ20分くらいで到着しました。あっという間でした。お目当ては美術館と博物館。こればっかりです私。

フランス・ハルス美術館 (Frans Hals Museum)

こちらの方の記事がとても参考になりました。こんなの読んでしまったら何も言えね~ってなりますが、ひと言だけ。こじんまりした美術館で、おっさんがワラワラしてる絵画が多かったです。。
当時の集団肖像画は個人のお金で成立してるから良くも悪くも皆さん差別なく同じように描かないといけないから、その辺がワラワラ感を醸し出す要因になっており、逆にレンブラントの夜警が目立った理由なのかしら?って思いながら鑑賞してました。1時間で見終わると思います。美術館だけでなく辿りつくまでの道のりがまた素敵でした。

タイラース美術館 (Teylers Museum)

こちらは美術館というよりは自然史博物館と呼ぶべきじゃないかしらと思った歴史あるタイラーズ美術館になります。化石や鉱物の紹介にはじまり、昔の計測機器の紹介、アメリカの鳥マニアであるオーデュボンさんの書いた鳥大全(The Birds of America)の紹介など、いわゆる「生物学は観察から始まる」という博物学全盛の時代を思わせる場所でした。いや、よかったです。こっちのほうが私好きです。まぁアムステルダムで人類学博物館に行きそびれたというハンデがあるので錯覚かもしれませんが。。2時間ほどまったり過ごしました。よくいえば大英博物館の香りのする美術館でした。

その後は旧市街を散歩し味わいある古都を堪能しました。もう少し観光したかったんですけど、午後から雨ということで夕方にはアムステルダムに戻っちゃいました。一週間はやくきてれば快晴だったのに、という恨み節を最後の数日は抱え続けてました。しかし魔界(アメリカ)のハーレムとはえらい違いでしたよ。住むならココだな!っていうのが全体の感想です。来てよかったです。

(3) 王宮都市デンハーグ (Den Haag)

 最終日はこちらデン・ハーグ。もはやアムステルダム関係なし!っていうくらい遠いように地図では見えますが、電車でも格安Flixbus(後述)でも40-50分くらいでついちゃいます。どこのマーケティング会社がアムステルダムとの抱き合わせにこぎつけたのかは分かりませんが、ノコノコとやってきましたよ王族が住んでる街デン・ハーグへ。
お目当ては美術館なんですが、街の雰囲気はと言うと、そうですね~極めて普通でした(残念ながら)。これくらいの街並みは欧州にはそこら中にあるな、って感じちゃいました。私もいよいよ持って、かぶれてきましたかね!なにせ6年以上いますからね~欧州に。
しかしオランダの駅舎はどこも近代的でキレイでした。失われた20-30年の間に日本国は完全においていかれたなと感じました。東京駅の改修くらいで喜んでる場合じゃなかったですよ全く。残念ながら貧困まっしぐらですね。こんなことを考えながら歩いて辿り着いたのが騙し絵で有名なエッシャーの博物館(駅から徒歩10分くらい)。開館5分前に着きましたが雨がちにもかかわらず結構な人手でにぎわっていました。日曜日だからですかね。

エッシャー美術館 (Escher in Het Paleis)

最初から騙し絵のオンパレードが見れると思ってたんですね私。なんなら階段とかドアが絵!とか期待しちゃってたんですけど、そんなことは微塵もなく普通でした(残念)。一階は半生の紹介に費やされ、アレっ?これつまんないやつかも?って不安になりましたが、二階に行くと期待通りの騙し絵が沢山ありました。
彼は絵描きさんと言うより広告屋さんなんだなと感じました(HPによるとグラッフィックデザイナーとありました)。今までは数学者の要素がある人だと思ってましたが、そうではなく後世になってアルハンブラ宮殿やイタリアの海岸(アマルフィ)などをヒントに幾何学模様に目覚め、そこから作品が進化していったということらしいです。
最上階は錯視で遊ぼう!というコンセプトでしたがコロナもあってかあんまりそういう体験型の催しは行われておりませんでした。全体的に面白かったです。これまたお勧めです。滞在時間は1-2時間ですかね。

続いて、王宮の周りの池のほとりにある有名なアレです。

マウリッツハイス美術館 (Mauritshuis)

やってきましたマウリッツハイス。日曜日で天気が悪いということで大混雑しており事前に予約してなかったら入れませんでした。前日みたときはいくつか空いてたんですけどね。
幸い適当に予約していたので無事館内へ。こちらではAmsterdam cardが使えないからチケット購入しました。えっ17.5 euro!高っ!ってなっていたら、受付けのお姉さん(日本人)がAmsterdam cardがあれば割引が効きますよ、って教えてくれました(で4 euroほど返ってきました)。ついでにおすすめ美術館とか教えてもらったりもしました。最終日だったんで、もうどこにも行けなかったんですけどね(ありがとうございました)。
いよいよ、この旅行の最後を飾る館内へ。こじんまりした私邸を美術館にしましたって感じの造りです。展示品もそれほどなく、フェルメールの中でもとりわけ有名な「真珠の耳飾り」とレンブラントの「テュルプ博士の解剖学講義」がなかったらここまでの人気はないだろうな、という印象です。
フェルメールどうなんですかね~ なんか謎の人気を誇ってますけど、そんなにいいですか?絵画の保存状態もあまりよくないし(レンブラントもそうだけど)個人的にはあんまりでした。で、もうひとつのレンブラントの作品ですが、えっ、こんな適当な描写で解剖学って言ったらダメだろうって思っちゃいました。ということで知名度の割にはイマイチというのが感想です。
正直、パリにある小さい美術館のほうが断然出来がいいです。
消化不良になってしまったので、このままアントワープとブリュッセルの美術館を経由してから帰ろうかしら、って思っちゃいました。でも帰りのチケット買っちゃったし翌日からさらに雨らしいので、おとなしくその日の夜行バスで家(ドイツ)に帰りました。


(4) 欧州での移動手段について

最後に欧州での電車とバスの活用法に関する情報を記載して終わりにしようと思います。

電車

まずは電車ですが日本のシステムとは違い、長距離なら時間帯や購入日時によって値段がすごく変わります。飛行機の値段みたいなもんだと思って下さい。日本だと早割り!といっても全然割引してないですけど、あれですよ1-5%とか割引してエラそうな顔されても、はぁ~?って感じです。
欧州の割引率は半額くらい普通です。二週間前くらい前に購入すれば週末のいい時間帯でない限り半額くらいにはなります。あと、レギュラーで25%、50%割引カードが販売されており、一ヶ月、半年、一年などの種類があります。で数10%割引されてるところに、そのカードをかぶせて購入するのが普通です。だから安いんです。
日本の公共交通機関は元が高いし割引もないしでやってられんですよ。どうして日本はこんなに何の割引もないんだろう?と考えたことが昔ありました。子どものころはJRさんがアコギな会社だからだろう!職員の給料も高いし!とか思ってましたが、途中から、そうか日本は車社会を維持したいから価格を下げられないんだ、って思うようになりました。いわゆる業界の圧力団体の力のせいで自由競争が抑えられてるんだな!って小泉政権のころに思いました。真実は知らんですが。。

バス

続いてバス。こちらも長距離バスの話になります。ここには数十年前には存在してなかったAmazonのような会社が君臨しています。
そう、みんな知ってるFlixBusです。他の会社はだいたい吸収合併か淘汰されました。運転手の態度が悪かったり、時間通りに来なかったりと日本ではありえないようなことが頻繁におきますが、これは通常の電車でも起こることなので、こっちの人はフツウでしょって考えている節があります。
フランスにはこんな格言があるそうです。大事な荷物は郵便で送るな! つまり、自分で運べってことです。?えっ?ってなったアナタ、考えを改めて下さい。それくらい適当なんです。全てが。。この話をドイツでしたら、いやいやドイツもそうだし、むしろそれがフツウだろう?って返されました。
なんてことだ!
だから日本の電車が3分遅れただけで流れる「お客様には~大変ご迷惑をおかけしています」とかがサプライズになるわけです。時間帯指定の荷物配送もそうです。物流の精度が二桁くらい異なります。
話を戻すと、適当なのはFlixBusだけではなくほぼ全てがそうなんで、それなら勝負するところは価格になる。ということで皆さん使っているわけですFlixbusを。
えっ、どれくらい安いかですって?
2-3時間走る距離で1000円くらいですかね。遠くてもある程度以上だと換算式が適当になるから、10時間くらい乗っても5000円くらいです。
昨年のコロナ禍で旅行禁止になったときにFlixbusから格安チケットを10枚くらい購入してるので現在の私は無敵状態です。どういうことかというこのチケットを使えばどこでも片道15 euroでいけちゃうんです。定価に関係なく、どこまででも。だから今回も夜に家を出て夜行バスに乗り込み、車内で寝て翌日の朝に到着し、ホテルで荷物を預けてすぐに観光を開始してました。帰りも夜まで遊んで、夜行で帰ってきました。コロナということもあり知らない人が隣りに座ることはないので、ほぼ二席使用できます。
昔はこんなことをしなくても飛行機がべらボーに安かったんですが(例えば最寄り空港であるStuttgartからベネチア(伊)やニース(仏)やクロアチアまで片道10-20 euroで行けました)、コロナで失った赤字が巨大すぎるからか値段が下がらないので、今回は夜行バスを使いました。

最後は脱線してしまいましたが、コレでアムステルダム旅行記は終了になります。楽しんでいただけたら幸いです。

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