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今日会いに行きたい!気になる土偶#073大湯ストーンサークル館

ナニカの動物?とも思えるような縄文土偶は、
秋田県のストーンサークルから見つかりました。

胴体部分は失われ、残ったのは頭から腕。
現在は全長11㎝にすぎませんが、本来は横幅の
ある胴を持つ「ガッチリした大型土偶」であっ
たのかもしれません。

鏡に映る後頭部には、
髪を結い上げたような表現が見られます。
耳に見えるのは、髪型の一部のようです。

今から4000年前 縄文時代後期
大湯環状列石

規則的に施された穴状の文様(刺突文しとつもん)は、
前面と同じように背面にも開けられています。

そしてとても珍しいことに、
土偶の手の先をよく見てみると、
僅かながら細い指のような表現があるのです。

指までもが作られた丁寧な作りは、
人々の祈りのシンボルとして作られた「女神」
であったことを表しているのかもしれません。

それでも、このように大きく欠けてしまったのは
どうしてでしょうか。

全国各地の土偶の多くは、バラバラになった状態
で発見されます。
それは意図的に壊されたものだと考えられています。

東村山市下宅部しもやけべ遺跡
八国山たいけんの里

お祓いの人形のように、病気やケガの回復を願い
土偶の患部にあたる箇所を壊す「身代わり説」、
世界各地に伝わる、神の死体から作物が生まれる
とする「食物起源神話説」などが、その根拠とさ
れています。

そのような説のもとに壊されたと思われる土偶
ですが、そのほとんどはもっと乱暴に、
いかにも「破壊された」というような
バラバラな壊れ方をしています。

ところが今日の土偶の欠けた部分は、
キレイに胴体部分だけが無くなり、
腕がそのまま残されています。

その理由は、
この土偶の作りにあるのかもしれません。

壊れた断面部を見ると、三層になっていて、
両側の2層だけが剝れ落ちたように見えます。
真ん中には紐状の粘土が見られることから、
残された頭~腕と失われた胴は、
もともとは別に作られて、
両側の表面の粘土だけで繋がっていたようです。

まるで最初から壊すことを想定していたような
作り方のされている土偶。

その真意を知っているのは、
約4000年前の縄文人と、何か言いたげな
今日の土偶だけのようです。

最後までお読みくださり有難うございました☆彡


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