今日会いに行きたい!気になる土偶#079栃木県埋蔵文化財センター
穏やかに微笑んでいるのは、栃木の土偶。
ニックネームは「友蔵」。
「友蔵」⁈
そう、名前の由来は「ちびまる子ちゃん」のお爺ちゃん。発掘の現場で名付けられたそうです。
ふっくらした卵型の顔に、優しそうな細い目、小さな口、額には一本のしわ…まさに愛すべき、まる子ちゃんのお爺ちゃんです。
その友蔵さん、実はこの「ハート形土偶」が変化したものなのです。
何だか似ても似つかないように感じますね。
元々は東北地方で出現した「ハート形土偶」は、関東や北陸地方へと伝わったと考えられています。
その過程で徐々に形や文様が変化していったようです。
栃木で作られた「ハート形土偶」は丸い顔が多く、本来のドーナツ状に盛り上がった目や大きな鼻も小さくなり、「友蔵」さんのように平たい日本人顔になっていったようです。
体形は「ハート形土偶」であることを示すかのように、僅かにウエスト部分は細くなっていますが、文様は受け継がれていないようです。
残念ながら下半身は失われていますが、もともとはしっかりとした脚で、ふんばるように立っていたのかもしれませんね。
神々しい女神とは違い、ムラの皆を優しく包み、癒してくれた…そんな土偶であったのでしょうか?
危うく忘れかけていましたが、
この「友蔵」さん、女性像なんですよね。
参考図書
土偶美術館 小川忠博/ 原田昌幸 平凡社
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