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今日会いに行きたい!気になる土偶#047橿原考古学研究所附属博物館

心浮き立つG.Wも過ぎ、ふと立ち止まると、
もう5月も三分の一が過ぎようとしています。
はて、これまでに見てきた土偶は…と
撮りためた写真を見返していると、
今年初めに見た奈良の土偶の「謎」が再び気になり始めました。

その土偶とは、
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館の何体かの土偶です。

先ずこの顔のない二体の土偶。
寸胴な胴体に真っすぐに伸びる脚。

何の変哲もない板状の土偶に見えます。
「謎」ってなぁに?って思われるかもしれませんね。

こちらの土偶を見ていただくと、
少しお腹が凹んでいるのが分かるとかと思います。

お腹をグッと引っ込めている?
いいえ違うんです。
実はこれは後ろ姿で、「お尻が凹んでいる」のです。

この土偶のお尻も大きく凹んでいます。

竹内遺跡 / 縄文時代晩期(約3000~2400年前)

博物館のタッチパネルの画像で、
この土偶の〝正面〟と
〝後ろ姿〟を確認してみましょう。

こちらが正面

こちらが先ほどの後ろ姿
説明には「強調して表現された臀部」とあります。

まあるく大きく盛り上がった輪郭に、
ぐっと凹んでいる中心部。

「強調して表現された臀部」とは…
お尻がへっこんでいる=お尻に膨らみがない、
ということを表したいのでしょうか?

土偶は一般的に
女性の身体を表しているとされ、
多くの土偶が
女性のふくよかさを表現しています。
お尻も豊かに協調されている場合が多くあります。

この土偶はあえて「女性ではない!」
ということを表しているようにも思えますね。

同じように「女性ではない!」というような表現は、この博物館のふくらはぎにも見られます。

この土偶たちが生まれたのは、弥生時代へと変わろうとしていた縄文時代晩期。水田稲作が伝わってきて、それまでの狩猟・採集の生活が徐々に変化していきます。
生活が変わっていく中で、それまでの土偶に込められ人々の思いや意味、使われ方も変わっていったのかもしれません。

土偶の出土数が少ない関西地域、
その地域の貴重な土偶が、
縄文時代の不思議と謎をより深めさせます。

参考資料
横浜ユーラシア文化館ニュース 第33号 

最後までお読みくださり有難うございました☆彡

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