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今日会いに行きたい!気になる土偶#102:広瀬川のほとりで/仙台市博物館

青葉城に広瀬川…歴史や文化に彩られ清々しい平野が広がる仙台に、ちょっと変わった髪型をしているの土偶が眠っていました。

今から約3800年前 縄文時代後期

見事なハートの顔を持つ「ハート形土偶」です。
高さ28.6㎝と大型で、土の中からバラバラの状態で発見されました。

左腕は失われいます

ハートの顔には、大きく高い鼻と丸い目、
いかり肩に先の尖った短い手、
細く長い胴に踏ん張るような脚。
東北南部~北関東で多くみられるハート形土偶の特徴を、すべて兼ね備えています。

本当にチョンマゲみたい!

それらと違っているのは、頭の上に大きく伸びるチョンマゲのようなものがあることです。

土偶の頭部は、当時の人の髪型を表していると考えられています。
ひょっとすると、高く結い上げた髪を植物の繊維で作った紐で縛った「チョンマゲ」が、当時の流行のヘアスタイルであったのかもしれませんね。

そしてもう一つの大きな特徴が、顔が胴体に貼り付いているようになっていることです。

体から一直線上にはチョンマゲがあり、顔はまるで「仮面」を身に付けているように前面に飛び出ています。

正面からは想像できない姿!

同じ縄文時代の後期、中部高地(長野~山梨)の一部では、顔に仮面をつけた「仮面土偶」が作られていました。
後から貼り付けられたようなハートの顔面も、「仮面」と何だかの関係があるのかもしれません。

この土偶が出土した「大野田遺跡」は、仙台市の2つの川に囲まれた平野の小高い場所に位置します。
そこにはストーンサークルや多くの墓、堆積したゴミ捨て場などが見つかり、多くの土器や石器(道具)が出土しました。

この土偶は300近い土偶の破片と一緒に見つかりました。どれもがバラバラの状態で、完全な形のものは1つもありませんでした。

その中には首にアスファルト(当時の接着剤)が付いているものもありました。壊れた土偶を直して使っていたのかもしれませんね。

広々とした肥沃な土地に暮らした縄文人は、このチョンマゲ?を結った土偶と数多くの土偶に、どんな願いを託していたのでしょうか。


*参考資料
仙台市文化財パンフレット第38集 大野田遺跡
/ 仙台市教育委員会

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