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あなたは、だれ?

皆さんはチョコレートやココア、お好きでしょうか?
ほっとしたい時や疲れた時、カカオのビターな香りとほろ苦さは効果テキメンですよね。カカオポリフェノールの健康効果も期待でき、まさに一石二鳥の有難い嗜好品です。

そのカカオの樹の主な生産地は高温多湿な熱帯雨林地帯。それゆえ身近な食べ物でありながら、その姿や起源を知ることは殆どありません。

これはエクアドルで出土した
古代の『人面象形あぶみ型ボトル』(レプリカ)
です。
両面に2つの顔を持つボトル
からは、
「カカオのでんぷん」などが検出されたと言います。

サンタ・アナ・ラ・フロリダ遺跡出土
インターメディアテク『神々の食物との出会い』

この遺跡には約5300年前からカカオを利用していた痕跡があり、このボトルは世界最古の「カカオを飲料にしていた」可能性を示すものであるそうです。

カカオの学名はテオブロマ・カカオ。属名のテオブロマはラテン語で「神の食物」を意味します。
カカオの利用は、これまでメソアメリカが最古とされてきましたが、サンタ・アナ・ラ・フロリダ遺跡での発見により、南米アマゾンでより古くからカカオが利用・栽培されていた可能性が示されました。

インターメディアテク サイトより引用
こちらがもう一つの顔

ボトルの両面についたそれぞれの顔は、不気味な笑みを浮かべているように思えてきます。どちらが表か裏か?わかりませんが、両面の顔は似ているようで微妙に違っています。

顔の周りの突起は、エクアドル沖でとれるスポンディスル貝を表現していると言われています。
スポンディスル貝は、アンデス文明の儀礼・祭祀において非常に重要視されていました。

インターメディアテク サイトより引用

ボトルは神に捧げられたようですが、
それにしても…いったいこの2つの顔は何を意味しているのでしょうか。

このボトルが作られた頃の日本は縄文時代
やはり液体を入れたと思われる「注口土器」が数多く作られました。
そして中には、顔があるものも。

この『2つの顔を持つ注口土器』は、
「ミミズク土偶」に似た顔が両面についた土器です。

埼玉県加須市長竹遺跡 / 縄文時代晩期
埼玉県立歴史と民俗の博物館 企画展

「注口土器」は祭祀や儀礼で使われたと考えられるものです。
この土器が作られた埼玉県では多数の「顔を持つ注口土器」が出土していますが、両面に顔を持つものは希少のようです。

2つの顔が両面につく、神に捧げる液体の容器。
エクアドルで、そして日本で。

その顔は…日本ではこの地域で多く見られる「ミミズク土偶」と関係がありそうですが…

エクアドルの2つの顔は…いったい誰?


インターメディアテク 特別公開『神々の食物との出会い』

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