体育座りはいけませんか?
先頃のニュースで、民間のリサーチ会社が〝体育座り〟についてアンケートを行ったと報じていました。
何とも懐かしいですね〝体育座り〟。
学校の体育館や校庭などで、当たり前にしていましたよね。
クラス一のふざけん坊が、膝を抱えてワザとグラグラとした挙句に横に倒れたり、先生の話が長くなると、お尻が痛くなってきてモゾモゾしたり…。
無邪気だったあの頃…あんな事もあったなあ~と、思わず思い出に浸ってしまいました。
私には懐かしい思い出の〝体育座り〟ですが、なぜアーケートがおこなわれたのかと言うと、〝子どもたちの体に負担がかかる〟ということで、近年この座り方を見直す動きがあることから実施されたようです。
アンケートでは、床に座る時に最も座りやすい座り方や体育座りを廃止する動きをどう感じるか、などの設問があったそうです。
結果、体育座りは胡坐に次いで二番目に座りやすく、廃止の賛否はほぼ二分したとのことでした。
また、体育座りは日本以外では見られないと報じられていました。
そもそも欧米では床に座る習慣はないし、世界を見ると日本のような体育の授業がある所は少ないので、当たり前にも思えますが・・。
日本独特の座り方であるようですが、もう何千年も前からずっと〝体育座り〟をしている土偶がいるのです。
ここに体育座りをしながら
ストレッチをする土偶がいます
「しゃがむ土偶」
このポーズ、まるで体育座りしながら上半身をストレッチしているみたいです。
体を曲げていることから屈折土偶とも呼ばれる、高さ21.3㎝の頭が三角形の土偶です。
大きな三角頭は、縄文時代の後期に東北地方や千葉県などの東関東でよく見られる山形土偶の特徴の一つです。
ちなみに〝山形〟は地名でなく、頭の三角部分が〝山の形〟に似ていることからつけられたそうです。
ヨコから見ると
背中がこんなにも丸くなっている
よ~く見ると、乳房や僅かにお腹が膨らんでいるのが分かります。
そう、彼女は妊婦さんなのです。
後ろ姿は、何とも言えないリアル感
肩から腕へかけてのカーブや、張り出た腰など、まるでモデルを前に忠実に再現したように精工につくられています。
ヨコや後ろから見てみると、確かに背中を丸めお腹もキューと縮まって無理な体勢のように思えますね。
その上、ストレッチをしているかのように右腕を左腕で抱え込んで、上半身にも余分な力が入っているように感じます。
でも、彼女にとってこの体制が一番良いのかもしれないのです。
それは、このポーズがお産を表しているという説があるからです。
かつて日本では、座ってお産をする〝座産〟が広く一般的であったということや、僅かにお腹が膨らんでいることから考えると、その可能性もありそうです。
またもう一つ、祭祀の時の祈りのポーズではないかと言う説もあります。
祈りのポーズと言えば、以前にラグビー選手がこのポーズをしたことでも話題になった土偶が思い浮かびます。
国宝だって体育座りしています
国宝 「合掌土偶」
両手を合わせて一心に祈りを捧げている様に見える、高さ19.8㎝の縄文後期の青森県の土偶です。
この土偶もやはり〝体育座り〟ですが、しゃがむ土偶よりも、少し膝を広げて座っています。
全体がよく磨かれ、首飾りと思われる装飾や要所要所に細かい文様が施されるなど丁寧な作りが際立ちます。
当時に損傷したと思われる部分が、アスファルトで補修されていることからも、とても大切にされていた土偶であったと考えられています。
合掌土偶もまた、しゃがむ土偶と同様に、
お産を表している説と祈りのポーズ説が唱えられていますが、答えはまだ見つかっていないようです。
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ふと、〝体育座り〟を最後にしたのはいつだろう?と思い、リビングのフローリングで試みました。
2~3分位はどうってことないかな?なんて感じでしたが、だんだんお尻が痛くなってきました。
そうかといって、胡坐はかけないし、正座は膝が痛そうだし、横座りだって続かないし…と思うと、やっぱり〝体育座り〟になってしまうのでしょうか。
座り方はどうであれ、
床に長い時間座らせられるというのが、問題なのかもしれませんね。
アンケートの結果が〝体育座り〟に一石を投じるのか?見守りたいと思います。
最後まで読んでいただき有難うございました☆彡