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詩「間違いの数え方」   2018 5 23

「バカっていいよね」
「何も考えなくて済む」
彼女はそう言ってドアを力強く閉める

バカって言われたことより近所迷惑を心配する
彼女は帰ってくる
いつものこと

バカは言い返さない
彼女はそれに腹を立てる
何かを言い返したら
もっと腹を立てる

バカを演じるたびに君への愛をためていく
俺の能力は君を騙すためにある

間違いはいくらでも
とまどいは気分屋で
扱いはそれなりで
間違いはいくらでも

バカが道を歩く
バカが飯を食う
バカが恋をして
バカがバカと呼ぶ

バカは謙虚でかなり本を読む
体調が悪くても冷静に対処する

バカになるために大学まで行った
学歴に意味はない
俺はバカだから

バカと呼ぶ声に安心が隠される
何をすればいいか本当はわかっている
ずっとそばにいてほしいのだろう

間違いはいくらでも
君は俺を愛している
バカと呼びながら俺を愛している

間違いの回数が俺たちを確かめる
俺に期待して俺をバカと呼ぶ



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最後まで読んでくださってありがとうございます。あなたに会えて幸せです。

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